スペインは、アメリカ・カリフォルニアに次いで、アーモンドの世界生産量第2位を誇る国です。乾燥した大地、澄みきった青空、そして山がちな地形。海と山の恵みをあわせ持つこの国では、恵まれた自然環境を生かした環境に配慮した農法が各地で営まれてきました。アーモンドは、その象徴的な存在のひとつです。
雨が少なく、石がちな痩せた土壌でもしっかりと根を張ります。むしろ湿気の多い環境では病気になりやすく、乾燥こそがその個性を引き出します。夏の成熟期に雨が少ないこと、冬に適度な寒さがあること、水はけの良い土壌であること─地中海性気候は、アーモンドにとって理想的な舞台です。

ブドウとオリーブ畑、そしてアーモンドの花咲くプリオラートの風景
カタルーニャやバレンシア、アンダルシアの乾いた丘陵地の車窓からは、広がるアーモンド畑に出会うことができます。私が馴染み深いプリオラートでも、ブドウ畑の合間にアーモンドやオリーブが寄り添う風景はごく自然なものです。急斜面にブドウ、アーモンド、オリーブが共存する姿は、この土地の農の知恵そのものだと感じます。

品種のなかでも、とりわけローストアーモンドに適しているのがラルゲタ種です。名前の通り細長く、やや扁平な形状。水分が少なく身が締まっているため、ローストすると「カリッ」と心地よい音を立てます。皮は薄く香ばしさが際立ち、苦いアーモンドに当たる確率がほとんどないことも人気の理由です。噛むほどにナッツ本来の甘みが広がります。丸く濃厚なマルコナ種が“女王”と称されるなら、ラルゲタは大地の凝縮した恵みをまとった“貴公子”のような存在。ローストアーモンドとして、その価値が存分に発揮されます。

白いガスパチョといわれる「アホ・ブランコ」
スペイン料理におけるアーモンドの存在感も見逃せません。カタルーニャのロメスコソース、アンダルシアの白いガスパチョ「アホ・ブランコ」、クリスマス菓子のポルボロン、トゥロン、マサパン─いずれもアーモンドの滋味が味わいの芯を形づくっており、料理や菓子の深みを支えています。
そして今、2月中旬から下旬にかけて、アーモンドの花が満開を迎えています。白から淡い桃色へと揺らぐ花は、まるで桜のよう。日本から来た友人が「あれは桜?」と見間違えたのも無理はありません。澄んだ空気と柔らかな光のなかで見る花景色は、静かで、どこか凛としています。

この時期のスペインは観光の閑散期にあたり、街もレストランも春、夏に比べると、落ち着いています。寒さはあるものの、晴天が多く、旅にはむしろ快適です。満開のアーモンドの木の下を歩き、その土地の料理を味わい、ワイングラスを傾ける─しあわせで、密度の高い時間が流れます。
長い干ばつを経て、ようやく恵みの雨がもたらされた2025年、そして2026年。地域によっては水害の痛みもありましたが、とりわけ水不足に苦しんでいたカタルーニャでは、回復への期待が高まっています。アーモンドの実りも、これからさらに豊かになっていくことでしょう。
まるでゴッホの描いた『花咲くアーモンドの木の枝』のよう
スペインを旅する前に、まずはラルゲタアーモンドをひと粒。カリッと弾ける食感と凝縮した味わいは、美しいスペインの大地や白い花の風景を自然に思い起こさせます。LOHASPAINストアでもお求めいただけますので、ぜひこの味わいで、スペインの大地の恵みを感じてみてください。そしてできれば、実際にワインを片手に、スペインのアーモンドの花の下を歩き、一足早い“お花見”で、その風景と味わいを重ねて楽しんでみられてはいかがでしょう。
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Ikumi Harada 原田郁美
Journalist & Creative Director
スペインワインとガストロノミーを専門とするジャーナリスト。広告代理店でデザイナーとして経験を積み、クリエイティブな視点と戦略的思考を身につける。2005年のスペイン留学を機にワインと食文化に魅了され、以来その研究と発信に力を注いでいる。2009年から日本およびアジア市場におけるスペインワインの輸出・プロモーションに携わり、2011年「スペインワインと食協会」を設立し普及と市場発展に努めている。2012年よりプリオラートでワイン造りに取り組み、2024年に自らの初ヴィンテージを発表。2025年からバルセロナの国際ワインコンクール「Barcelona Wine Test」の運営メンバーとして活動。WSET® Level 3、Spanish Wine Specialist(ICEX認定)。山口県出身。
@ikumiharada
