【11/23(月・祝)】グリフォイ・デクララ オーナー醸造家ロジェール来日記念 ワインメーカーズディナー|サル イ アモール(代官山)
2年ぶりに来日するグリフォイ・デクララの5代目オーナー醸造家、ロジェール・グリフォイ・デクララ。代官山「サル イ アモール」で開催される一夜限りのメーカーズディナーでは、家族代々受け継ぐブドウ畑とプリオラートのテロワール、ワイン造りへの情熱を本人から聞きながら、個性豊かなワインとスペイン郷土料理のペアリングを楽しめます。
LOHASPAIN
スペインワインと食協会は、2011年の設立以来、「上質なスペインワインと食」の真の価値を伝えることを使命に、日本とスペインを結ぶ架け橋として活動してきました。スペインおよび日本の公的機関、団体・企業、そしてスペインワインと食に関わる生産者、流通・飲食の担い手、さらには生活者まで。多様な立場をつなぎながら、その魅力のさらなる普及に取り組んでいます。
そうした私たちのメディアとしての活動の結晶が、このWebマガジン LOHASPAIN です。
「健康」や「Well-being」への関心が世界的に高まる中、近年、スペインは長寿の国として国際的にも注目を集めています。その背景の一つとして語られるのが、日々の暮らしに深く根づいたスペインの食文化です。伝統を大切にしながら、大地と海がもたらす自然の恵みを尊び、旬の新鮮な素材を味わうこと。そして、ゆっくりと食卓を囲む時間を慈しむこと。そこには、現代を生きる私たちが求める「健康的で持続可能な生活(LOHAS)」を実現するためのヒントが、確かに息づいています。さらにスペインは、近年、世界屈指の美食の国としても注目を集めています。
健やかさと美味しさ、そして幸福が自然に共存する――人生を豊かに味わう喜びと情熱にあふれた国、スペイン。LOHASPAINでは、スペインの食文化を通して「心と体がよろこぶ、しあわせな暮らし」を提案しています。同時に、スペイン産ワインとガストロノミーの背景にある思想や物語を、取材やインタビューを通して、これからも丁寧に発信していきます。
「上質なスペインワインと食文化」を通じ、持続的な価値と新しい発見をお届けすることが、私たちの使命です。
2年ぶりに来日するグリフォイ・デクララの5代目オーナー醸造家、ロジェール・グリフォイ・デクララ。代官山「サル イ アモール」で開催される一夜限りのメーカーズディナーでは、家族代々受け継ぐブドウ畑とプリオラートのテロワール、ワイン造りへの情熱を本人から聞きながら、個性豊かなワインとスペイン郷土料理のペアリングを楽しめます。
7皿の料理と13社の展示から見る、食材の多彩な使い方 2026年10月15日、東京・日比谷パレスで「バレンシア州アグリフード マリアージュ・展示会 2026」が開催されました。 主催は、スペイン・バレンシア州政府商業支援室(IVACE+i)。バレンシア州の食品・飲料企業13社が参加し、地中海沿岸の食文化を支える多彩な食材や商品が紹介されました。 イベントの前半に行われたマリアージュでは、日比谷パレスの松本シェフがバレンシア州産の米やオリーブオイル、香辛料、はちみつ、チョコレートなどを日本の食材と組み合わせ、7品のフランス料理に仕立てました。2種類のプティパンと、バレンシア州産の白ワイン、赤ワインも提供されています。 会場の1階では、参加企業による商品展示会も開催。料理として味わい、商品として知るという二つの側面から、バレンシア州の食に触れる機会となりました。 地中海沿岸に育まれた、バレンシア州の食文化 スペイン東部、地中海に面するバレンシア州は、温暖な気候に恵まれ、米やオリーブ、柑橘類、ブドウなどの栽培が盛んな地域です。 とりわけ米は、バレンシア州の食文化を語るうえで欠かせない食材。世界各地で親しまれているパエリアもこの地方にルーツがあります。さらにさまざまな品種からつくられたオリーブオイル、ワイン、香辛料、はちみつやチョコレートなどにも、地域の食の幅広さが表れています。 今回のマリアージュには、こうした食材が取り入れられました。 バレンシアの食文化を知るシェフの解説とともに 今回のマリアージュでとくに貴重だったのは、バレンシアの食文化に精通したスペイン郷土料理「イレーネ」数井 理央シェフから、食材について直接解説を聞きながらテイスティングできたことです。 スペイン郷土料理「イレーネ」数井 理央シェフ 講師は、料理に使われた食材の特徴や現地での親しまれ方を紹介。産地の食文化や食材の背景を知ることで、目の前の料理への理解もぐっと深まります。現地の食を知る専門家の言葉と、実際の味わいを結びつけられる充実したひとときでした。 「日比谷パレス」松本 健二シェフ 料理そのものも、7皿の素晴らしい構成が印象に残っています。ひと皿ごとに味わいや食感の変化がありました。提供する順序、絶妙な量のポーションにも細やかな配慮が感じられました。最後のデザートまで飽きることなく、心地よく味わえる流れは、日比谷パレスの松本シェフが率いるチームの技術と感性を感じさせるものでした。 7皿で楽しむ、バレンシア州産食材の多彩な魅力 以下、当日配布された資料をもとに各料理の特徴と使用されたバレンシア州産食材をご紹介します。 1 マルメロとフロマージュのカナッペ 使用食材:Campomar Nature/オーガニックマルメロペースト コースの始まりは、マルメロとフロマージュを組み合わせたカナッペです。 この料理には、Campomar Natureのオーガニックマルメロペーストを使用。コクのあるチーズにスペイン産有機マルメロ(西洋かりん)のペーストを重ねた、素材の味わいを活かしたカナッペ。 2 白いんげん豆のヴルーテ Velouté 使用食材:Beneolivas S. Coop. VL/オリーブオイル「SJRスムム」 Bras del Port/天然海塩フレーク 白いんげん豆を使ったヴルーテには、Beneolivasのオリーブオイルと、Bras del Portの天然海塩フレークが使用されました。 白インゲン豆のやさしい甘みと爽やかなオリーブオイルに、フレーク状の海塩の軽やかな食感と塩気が重なるスープです。 3 彩り野菜と米のサラダ Entrée 使用食材:Arroz Dacsa/寿司用特選米(エクストラ等級) El Avión/パプリカパウダー Finca 9 Oliveres/オーガニックEVオリーブオイル 100%ブランケータ Campomar...
2026年9月28日、ホテルニューオータニ東京にて、スペイン貿易投資庁(ICEX)とスペイン大使館経済商務部が主催する「Spain Food Nation Summit Japan 2026」が開催されました。今回のテーマは、「手の届く贅沢(Affordable Luxury)」です。 円安や世界情勢の不安定化に伴う物価上昇によって、輸入食品やワインを取り巻く環境が変化しています。これからスペイン産食品と飲料が日本市場でどのような価値を提供できるのか。その可能性を探るサミットです。 スペインは地域ごとに異なる気候風土に育まれた豊かな食文化をもち、EU最大の有機栽培面積を誇るオーガニック大国でもあります。しかし日本ではまだ十分に知られていない食材や食文化も数多くあります。 本サミットでは、ワインと食品、それぞれの分野で活躍する専門家によるラウンドテーブルが行われました。スペイン産品の価値をどのように伝え、日本の消費者との接点を広げていくのか。業界の第一線で活躍する方々の議論から、多くの気づきを得る機会となりました。 異なる立場のプロフェッショナルが語る、スペインの可能性 ワインラウンドテーブルでは、「コスパからの脱却」プレミアム化への具体戦略がテーマ。スペインワインの魅力を価格だけでなく、その価値によって伝えていくための戦略が取り上げられました。登壇者は、カーヴ・ド・リラックスの人見裕介氏、ウォンズパブリシングの名越康子氏、ジェロボームのカール・ロビンソン氏、東京ソムリエギルドの須藤亜希氏です。 一方、食品ラウンドテーブルでは、豚肉の「次の一手」を探るというテーマ。アフリカ豚熱による豚肉の輸出停止を背景に、これまで十分に紹介されてこなかったスペイン食材の可能性が議論されました。登壇者は、三越伊勢丹の中野健一氏、V&Kの岡本ビクトル栄氏、ビオセボン・ジャポンの向井昭登氏です。 とくに印象的だったのは、登壇者それぞれの専門領域や立場の違いが、より議論に奥行きを生み出していたことです。輸入、流通、小売、飲食、情報発信など、異なる領域で経験を重ねてきた専門家の方々は、同じスペイン産品について語る際にも、それぞれちがう視点と経験があります。商品の品質や背景にあるストーリーをどう伝えるか。消費者にどのようなきっかけで興味を持ってもらうか。そして、実際の購買につなげるには何が必要なのか。 一つのテーマを複数の視点から捉える。そうすることで「スペイン食文化の普及」という大きな課題が、より具体的なものとして見えてきました。それぞれの分野の第一線で活躍する方々の経験や考えに、一度に触れられたことは非常に貴重でした。 専門的な議論をわかりやすく伝える工夫 ラウンドテーブルの進行方法にも、印象に残った工夫がありました。議論に合わせて、要点を簡潔にまとめたスライドがスクリーンに映し出されていたことです。 登壇者の方々が自身の経験を交えたり、過去の事例や具体的なエピソードを紹介される際、ステージにスライドがあることで、その話が全体のテーマとどのようにつながっているのかが理解しやすくなっていました。スライドの存在により要点が視覚的に整理され、登壇者の話を自然に追うことができたからです。 この工夫は、スペイン食文化の普及にも通じるものだと思いました。どれほど魅力的な食材やワインであっても、その価値が相手に伝わらなければ、興味をもってもらうことは難しいものです。 専門的な知識や豊富な経験を、受け手にとってわかりやすい形に整理して届けること。その重要性を、サミットの進行そのものからも感じました。 百貨店から始まる、新しいスペインとの出会い 今回のサミットで、とくに印象に残った提案があります。第二部 食品ラウンドテーブル「手の届く贅沢~豚肉の次の一手を探る」というテーマにて、登壇された三越伊勢丹の中野健一氏によるスペイン菓子をテーマにした百貨店催事のアイデアです。 この発想は、まさに目から鱗でした。日本には、全国各地のお菓子を求めて百貨店の催事に足を運び、新しい味わいやつくり手との出会いを楽しむ方々がいます。お菓子そのものに強い関心を持ち、まだ知らないおいしさを積極的に探している消費者層です。そうした方々に向けて、「スペイン菓子」という新しいテーマを提案するのだと。 これは、今までありそうでなかったものです。スペインに関心がある人を集めるのではなく、すでにお菓子に関心を持っている人々に、スペインと出会う機会をつくるという発想です。 「スペインが好きだからスペイン菓子を食べる」のではなく、「お菓子が好きだからスペインを知る」。この順序の転換に、大きな可能性を感じました。 スペイン食文化の普及を考えるとき、私たちはつい、スペインの魅力をどう説明するか、何を紹介するかという視点から考えがちです。しかし消費者にすでに存在する興味や関心から出発すれば、これまでスペインに特別な関心をもっていなかった方々にも、自然な形でその魅力を届けることができるのでは、と。 菓子は、地域の歴史や風土、食習慣とも深く結びついています。一つのお菓子を味わうことが、その土地の文化を知るきっかけになるかもしれません。日本で知られていないスペイン菓子はたくさんあります。 さらに菓子を入り口とし、スペインの食材や飲み物、地域ごとの食文化へと興味が広がっていく可能性もあります。その土地の素材や伝統に興味をもち、やがて別の料理やワインを知る。そうした出会いの積み重ねが、食文化への理解を深めていくのだと思います。というより、そうなるよう広げていきたいものです。 百貨店という多様な消費者が訪れる場所だからこそ、そうした新しい出会いを生み出せるのではないでしょうか。消費者との接点を熟知する小売のプロフェッショナルならではの視点に、強く惹かれました。まずは三越伊勢丹さんで、ぜひ実現してほしい企画です。開催されたときには、当協会も張り切って現場取材したいと思います。 「手の届く贅沢」とは、価値ある体験との出会い 今回のサミットを通して改めて考えたのが「手の届く贅沢」という言葉の意味。贅沢とは、必ずしも高価なものを購入することだけではありません。 これまで知らなかった味わいに出会うこと。食材の産地やつくり手の思いを知ること。日々の食卓に、少し特別な楽しみが加わること。そうした体験にこそ、豊かさがあると考えています。...
本格スペイン料理、ワインやシェリーのフェスティバル。「マス マス スペイン 2026」が10月24日・25日に大阪・YOLO BASEで開催!パエリアや生ハム、スペインワイン、シェリーなど、スペインの美食とワインを楽しめる人気イベントの最新情報をご紹介します。
テネリフェ島の美食を訪ね、郷土料理や火山性土壌が育むワインの魅力を紹介。2027年「スペイン美食の首都」に選ばれたサンタ・クルス・デ・テネリフェの食文化と、地元のワイン専門家が薦めるレストラン3選をお届けします。
浅草橋の行列ができる町中華「水新菜館」で開催された、スペイン・テネリフェ島のワイナリー「ビニャティゴ」のメーカーズディナー。中華料理とカナリア諸島の個性豊かなワインが織りなすペアリングを紹介します。
醸造責任者として25回目の収穫を迎えたロジェール・グリフォイ・デクララに聞く、プリオラート2026年ヴィンテージ。厳しい気候に向き合う栽培、古木の力、土地の個性、そして日本への深い想い。
木下太陽(ソル)さんと廣岡海(マール)さんが、スペイン・ラ・マンチャ、トメジョーソのワイナリー「ヴェルム」でワイン造りを体験。醸造家エリアスとの再会と、二人の1か月を綴ります。
スペイン食文化をつくる人たち。 100人の物語を未来へ。 この連載は、スペイン食文化を支える人々との出会いのなかで生まれた、ひとつの言葉や瞬間をを記録する試みです 2025年3月12日、13日 東京・市ヶ谷ガストロバル「Tinc Gana(ティンガナ)」 その言葉に出会った場面 2025年3月12日と13日の夜、東京・市ヶ谷にあるガストロバル「Tinc Gana(ティンガナ)」にて、“未来のガストロノミー(美食)”を体験するイベントが開催されました。 世界が注目する究極のコラボレーション。それは、スペインの画期的な機能素材ブランド『ソーサ(SOSA)』と、ミシュラン3つ星、そして2024年「The World’s 50 Best Restaurants」で世界一に選ばれたバルセロナの名店『ディスフルタール(Disfrutar)』による二夜限りのイベントです。 この夜、オリオール・カストロ氏による8皿のプレゼンテーションが披露されました。 その日、もっとも印象的だったのは、料理そのものだけではありません。オリオール・カストロ氏が語った、この一言です。 「人生で本当に大切なのは、何を体験したかではなく、それがどのように記憶に残るかです。」 この言葉は、彼の料理観そのものを表現しているように感じました。料理を味わった瞬間だけではなく、その体験が記憶となって残り、いつか人生のどこかでよみがえる。そこまでを含めて、料理なのかもしれません。 『ディスフルタール』の料理は、たとえ大胆な手法で再構築されていたとしても、そこに素材への敬意と文化への理解が込められています。 今回、披露された8皿の料理にも、その哲学が確かに表現されていました。 この言葉を残したい理由 じつはオリーオール氏は、料理の提供前にも伝えてくれました。フランス料理や日本料理への深いリスペクトについて語るなかで「人生のどんな状況でも敬意を払うことはとても大切です」と。 2001年に初来日の際、日本料理について知っていたのは、寿司と刺身だけだったそうです。しかし実際に日本を訪れると、想像を超える食材の豊かさや、繊細な技術にふれ、感動したといいます。そのときは、まず“美味しい”という感覚に心を奪われるも、その味わいの奥にある思想や文化は、まだしっかりと見えていなかったと語りました。それが時間を重ねるうち、少しずつ理解するようになったそうです。日本料理に息づく「静かな感性」、その背景にある「文化の哲学」を。 最初の体験では気づかなかったものが、年月を経て、少しずつ見えるようになっていったのです。 この話を聞いて、あらためて私は、人生を豊かにするのは体験の数ではないと思いました。 大切なのは、その体験が自分の中でどんな意味をもち、どんな記憶として残っていくのか。その積み重ねが、その人の人生そのものをつくっていくのではないでしょうか。 この日、私は料理のプレゼンテーションを取材するために現場へ行きました。けれど取材を終える頃には、すっかり別のことを考えていました。 「自分の人生で本当に大切だと思うことはなんだろう」いつの間にか、自問していることに気がつきました。 料理を味わい、その人が大切にしているものに触れる。すると目の前にある料理だけではなく、自分がこれまで何を体験し、何を心に残してきたのかまで、振り返ることになります。 料理は、食べ終えればなくなります。けれど、そのときに感じた驚きや、誰かの言葉、そこで考えたことは、記憶として残っていく。だからこそ、料理には、人の心に残る力があるのだと思います。 いま、料理界を支える現役の方々はもちろん、これから目指す方々に届いてほしいと思います。そして、ジャーナリストとして私が残したいのも、まさにそこです。 料理そのものだけではなく、その料理をつくった人が何を考え、何を大切にし、どんな人生を歩んできたのか。その人の言葉が、誰かの記憶に残るように。 そして、その記憶がいつか、未来の誰かに何かを伝えてくれるように。 最後に残す言葉 「人生で本当に大切なのは、何を体験したかではなく、それがどのように記憶に残るかです。」 Tomoko Kato 加藤智子 スペイン食文化の記録者 / スペインワインと食協会 共同代表 ...
スペイン食文化をつくる人たち。 100人の物語を未来へ。 この連載は、スペイン食文化を支える人々との出会いのなかで生まれた、ひとつの言葉や瞬間をを記録する試みです 2024年9月2日 東京エディション虎ノ門 その言葉に出会った場面 2024年9月2日、東京エディション虎ノ門で「ジュヴェ・カンプスとブリぺディアWine SapiensⅢ&Ⅳ Reveal」が開催されました。 スペインの名門ワイナリー「ジュヴェ・カンプス(@juveycamps)」が主催し、世界的に知られるエル・ブリ財団(@elbullifoundation_ferranadria)とともに実現した特別なイベントです。 英語版『WINE SAPIENS III & IV REVEAL』第Ⅲ巻・第Ⅳ巻の日本での発表という節目でもあり、ガストロノミーとワイン文化の未来を考える場となりました。 スペインワインの文化と食文化に関わる知識を未来へどのように繋いでいくのか。その問いを共有する場面でもあったと思います。 その日、わたしにとってもっとも印象的だったのは、世界トップクラスのシェフ、フェランアドリア氏が語った、この一言です。 「ガストロノミーを学問分野として確立する。」 フェラン氏が目指しているのは、新しい料理を生み出し続けることではありません。 現役時代に積み重ねてきた知識や経験、試行錯誤、そしてガストロノミーという世界そのものを、未来へ受け継ぐための「知」として残すことです。 英語版『WINE SAPIENS III & IV REVEAL』第Ⅲ巻・第Ⅳ巻の出版も、その取り組みのひとつでした。 料理は感性や技術だけで成り立つものではありません。そこには科学、歴史、文化と人の営みがあります。それらを体系的に学び、次の世代へ受け渡していくことが、これからのガストロノミーには必要だという強い意思をわたしは感じました。 「料理をつくる人」を育てるだけではなく、「ガストロノミーを学ぶ人」が育つ社会を目指している。 その言葉から伝わってきたのは、自らの功績を語る姿ではなく、未来へ知を託そうとするひとりの料理人の姿でした。 この言葉を残したい理由 今では考えられないと思います。しかしわたしが飲食の世界に入った約30年前には、短大や大学を卒業したあとに飲食業に進むと、「もったいない」と言われることが少なくありませんでした。 「せっかく短大まで出たのに、飲食業なの?」そう耳にしたとき、もしかして胸を張って語れる進路ではないかもしれないと感じた記憶があります。 しかし実際にこの世界に身を置くと、その印象はすぐに覆されました。なぜなら飲食の世界には、想像を超えるほどの多くの学びがあったからです。 和食、洋食、中華。どのジャンルにも長い歴史と、日々、更新されていく多くの技術がありました。同時に守られてきた文化も感じることができます。 料理、食材やワインの知識はもちろんのこと、ジャンルごとに変化がある発酵や熟成に関する科学、地域の風土や伝統も理解する必要がありました。さらには経営やサービスまで、学ぶことにゴールがありません。 料理人も、ソムリエも、生産者も、誰もが学び続けています。 こんなにも奥深い世界なのに、当時は「学問」として語られた覚えはありませんでした。けれど、いま経って振り返ってみても、当時の経験が無駄になったことなど一つもありません。だからこそフェラン氏が語った「ガストロノミーを学問分野として確立する」という言葉。それはわたしには特別な意味をもちました。ひとりの料理人の理想ではなく、まさに食の世界そのものの価値を社会に問い直す宣言のように聞こえたからです。 食は、生きていくためになくてはならないもの。 しかも食とは、人を楽しませる仕事であると同時に、文化を育み、未来へ受け継ぐ営みでもあると思います。学問として認められ、さらに研究され、次の世代へと受け継がれていく社会が実現するなら、これから食の世界を志す人たちは、これまで以上に自分の道に誇りをもてるはずです。 いま、この世界を支える現役の方々はもちろん、これから目指す方々に届いてほしい。心からそう思う言葉です。 だからわたしは、この言葉を記録しておきたいと思いました。 最後に残す言葉 「ガストロノミーを学問分野として確立する」 ...
新連載 「スペイン食文化をつくる人たち」 100人の物語を未来へ。 料理も、ワインも、オリーブオイルも、人がつくる。 食文化は、一人ではつくれない スペインの食文化は、有名なシェフだけがつくるものではありません。 第一線で活躍するシェフこそ、その味わいの背景に、数えきれないほどたくさんの方々が関わっている、そのことをよくご存知です。 畑でブドウを育てる人。 ワインを醸す人。 オリーブを育てる人。 チーズや生ハムをつくる職人。 市場で働く人。 サービスとしてお客様を迎える人。 そして、ひとつのイベントやプロジェクトを成功へ導くために奔走する人たち。 一皿の料理も、一杯のワインも、ひと匙のオリーブオイルも、ひとりの力だけでは生まれません。 それぞれの場所で誇りをもって、自分の仕事に向き合うプロフェッショナルがいて、初めてスペインの食文化は育まれています。 だからこの連載でご紹介するのは、多くの人に知られるシェフや生産者だけではありません。 表舞台に立つことが少なくても、その仕事や生き方に心を動かされた料理人や職人、生産者、ソムリエ、サービススタッフ、そして食文化を支える人たちも、この「100人」の中に記録していきたいと思っています。 この連載で大切にしたいのは、その人が何を大切にし、どんな思いで食文化を育み、未来へつないできたのか。 その人生や言葉を、一人ひとりていねいに記録していきたいと思っています。 わたしが惹かれたのは、料理だけではなく「人」だった わたしが執筆を始めたのは、当時、業界最大手の飲食情報サイトでした。 担当は「ワインのある飲食店」。 新規オープンや話題のレストランを取材し、その魅力を伝える記事を書いていました。 編集長から言われていたのは、「店だけではなく、オーナーの生き様も書きなさい。」ということ。 だから取材では、お店のコンセプトや料理への想いだけでなく、「なぜ、この店をつくろうと思ったのですか。」と、質問していました。 すると、そこで聞いたことは、料理のことだけではない、ひとりのストーリーだったのです。 なぜ、この仕事を選んだのか。 どういうことに悩み、どんな壁を乗り越え、この店をつくろうと決意したのか。 そういうことを語られる場面が少なくありませんでした。 わたしはお店のコンセプトを聞くことは、もちろん好きです。 料理をいただき、その味わいに感動することも何度もありました。 でも取材の中でいちばん胸が高鳴ったのは、その人の人生に触れる瞬間でした。 「もっと聞きたい。」 気づけば、いつもそう思っていました。 実は私は、昔からドラマや映画が好きです。 心を惹かれていたのは、派手な展開ではなく、人が迷い、決断し、自分の道を歩んでいく姿でした。 だから取材で出会うシェフや生産者、職人たちが語る人生は、私にとって何よりも興味深い「本当の物語」だったのです。...
フアン・ムニョス先生監修。スペインのベルモットの歴史と食文化をひも解き、レウスに根づくベルモット文化から、現代の多様なスタイルや料理とのペアリングまで紹介します。
2月2日から、高品質スペインワインの国際見本市 Barcelona Wine Week がバルセロナで開催されます。そのBWWの舞台で、筆者が取り組む 「バルセロナ·ワイン·テスト(BWT)」 のプレゼンテーションを行うことになりました。テーマは、「消費者と専門家は、同じワインを好むのか」。2月2日17時より、消費者と専門家(1/26開催)を対象に実施した2つのワインコンクールの結果と、そこから得られたデータが示す“市場のリアル”を発表します。
サン・セバスティアンの人気レストラン〈Narru〉で味わう、料理とワインの調和。食後まで続く上質な美食体験をレポート。
先月「Spanish Lifestyle」でご紹介した「バルセロナワインテスト・アーバン2025」は、多くの皆さまのご協力のもと、無事に幕を閉じました。バルセロナ初の一般参加型ワインコンクールとなった本イベントには、150名の参加者が集い、200種類以上のワインをブラインドでテイスティング。会場は熱気に包まれ、ワイン文化の新たな可能性を象徴する場となりました。 バルセロナワインテストCEOのロジェール・グリフォイ・デクララをはじめ、「Spanish Lifestyle」でもおなじみのテクニカルディレクターのフアン・ムニョス先生、そして筆者自身もチームメンバーとして運営に携わり、約1年にわたり準備を重ねてきました。正直、これまでで最も忙しく大変な1年でした。しかし、若き審査員たちが「また来年も絶対に参加したい!」「ワインがもっと身近な飲み物になった!」と目を輝かせる姿を目にした瞬間、苦労はすべて報われたと感じました。 今回は、現地で紹介された内容を基に、イベントの模様を日本語でお届けします。 バルセロナ・ワインテスト・アーバン2025、大きな成功150名の若者が200種以上のワインをブラインドで体験!バルセロナ 11月7日金曜日、バルセロナのホテル・インターコンチネンタルにて、第1回となる「バルセロナワインテスト・アーバン2025(Barcelona Wine Test Urban 2025)」が開催されました。本イベントは、消費者が本当に好むワインを明らかにすることを目的に設計された、新しいスタイルのワインコンテストです。期待を大きく上回る結果となり、150名の参加者が集まり、さまざまな産地・スタイル・価格帯の200種類以上のワインをブラインドで評価しました。 この呼びかけには特に若い層を中心とした多様な参加者が集まり、来場者は男性55%、女性45%という構成。ワイン愛好家や、新しい銘柄を発見したいと願う一般のワインファンが多数参加しました。応募希望者が定員を大きく上回り、多くの方の参加をお断りせざるを得ないほどでした。これは、テイスティング体験型イベントへの関心の高まりと、消費者の声を重視するワイン業界の新たな動きを象徴しています。 試飲セッションでは、各参加者に15杯のワインがラウンド形式で提供されました。ワインごとに、参加者はボトルのQRコードを読み取り、スマートフォン上の簡易テイスティングシートで「香り」「味わい」「バランス」「好感度」を評価します。ブランド名や原産地、価格は一切知らせず、参加者は独立した秩序ある環境で、完全にブラインドの評価を行いました。 「アマチュアの参加者が15種類ものワインを評価するという挑戦には、少し不安もありましたが、結果はまさに“満点”でした」と、本大会のチームメンバーでありソムリエ養成講師でもあるフアン・ムニョス氏は語ります。「参加者たちは、一つひとつのワインをしっかり味わい、比較し評価していました。その姿は本当に模範的で、頼もしく感じました。」 一方、同チームのロジェール・グリフォイ・デクララ氏は、この規模のテストにおける技術的挑戦について次のように述べています。「初回ということもあり、技術面と物流面の完璧な運営を優先するため、出品ワインを200本に限定しました。評価はすべてリアルタイムでスマートフォンから行われるため、数十件の同時投票には大きな技術的負荷がかかります。まずは体験の質を確実に保証することを最優先にしました。その結果、すべてが完璧に機能しました。」 事前の参加者インタビューでは、多くの若者が「ワインは遠い存在」と感じていることが分かりました。しかし、今回のような動的で参加型、さらにガイド付きのテイスティング体験を通じて、ワインに親しみを感じるきっかけになったことが確認されました。これは、新しい世代との接点を模索するワイン業界にとって、大変意義のある成果と言えます。 テイスティング後には、コンテストに出品した一部のワイナリーの代表者が参加するショールームが開かれ、参加者が生産者と直接会話しながらワインを再度試飲する交流の場となりました。この空間は、造り手と消費者が出会い、品種や地域、スタイル、トレンドについて自由に語り合える貴重な場となりました。 第1回大会の成功により、「バルセロナワインテスト・アーバン2025」は、従来のコンテストに代わる新しいモデルとして、革新的な一歩を踏み出しました。消費者の意見を中心に据えたハイブリッドな試みとして、「味わう」「学ぶ」「共有する」という体験を通じて、人々をつなぐ新しいワイン文化の形を提示したことも、大きな成果です。 主催者は今後、消費者による総合評価と、来場者が最も高く評価したワインの最終ランキングを発表する予定です。また、審査結果や受賞ワインの詳細は、来年2月に開催される「バルセロナワインウィーク(Barcelona Wine Week)」で発表されます。 さらに、次回はプロフェッショナル部門「バルセロナワインテスト・プロフェッショナル2026」が、2026年1月27日にバルセロナで開催されます。こちらは、バイヤー、ソムリエ、ジャーナリスト、ワインコミュニケーターなど業界の専門家が集い、100点満点方式のブラインド・テイスティングを実施。参加ワイナリーにはメダルおよび品質認証が授与される予定です。 最後に 「バルセロナワインテスト・アーバン」を通じて、若い世代がワインに触れ、味わい、学び、共有する場が生まれたことを実感しました。この試みは、次世代の嗜好や考え方を尊重しながら、ワイン文化を新たな形で広げていく可能性を示しています。ワイン業界にとっても、若い世代との接点を深める貴重な機会となりました。 「バルセロナワインテスト・アーバン」は、次世代にワイン文化を継承し、業界全体を活性化するプラットフォームとしての役割を掲げています。参加者と造り手、地域社会をつなぐ架け橋として、ワインを通じた新しい体験の場を創出することを目指しています。来年はさらに国際的な広がりも視野に入れ、より多くの皆さまに感動的で楽しい体験をお届けできるよう、準備を丁寧に重ねてまいります。 【関連記事】バルセロナ発ワインコンクール ― バルセロナワインテスト (Barcelona Wine Test)【2/2 BWW発表】消費者は専門家と同じワインを選ぶのか? バルセロナワインテストが明かす真実【バルセロナワインテスト・アーバン2025 メディア掲載まとめ事】・VineturEl Barcelona Wine Test Urban 2025 reúne a 150 jóvenes en una cata a ciegas de más...
以前から、またゆっくりと食事に伺いたいと思っていた、西麻布のスペイン料理店「フェルミンチョ(FERMiNTXO)」。先日、久しぶりにディナーに訪れることができました。 2011年7月7日にオープンし、今年で15周年を迎えたフェルミンチョ。オーナーシェフの作元慎哉さんは、スペインの星付きレストランなどで研鑽を積み、故郷・石川県の食材も大切にしながら、ご自身の料理を追求されています。 白ワインから始まり、シェリーへ この日は、ディナーの前にD.O. CAVA主催の「Cava Prestige Reception at The Ritz-Carlton, Tokyo」に参加し、作元慎哉シェフともご一緒しました。このイベントについては、先週の記事「知るほどに広がる、CAVAの魅力」でご紹介しています。 イベントではCAVAを楽しんでいたので、フェルミンチョでは白ワインからスタートし、シェリーへ。 左は、ルエダ産の白ワイン「ホセ・パリエンテ ソーヴィニヨン・ブラン 2021」右は、ボデガス・ファウスティーノ・ゴンサレスのシェリー「クルス・ビエハ アモンティリャード・エン・ラマ」。 豊富なセレクションの中からスペインワインやシェリーを楽しめることも、このお店を訪れたい理由の一つです。 作元典子さんはソムリエであり、2015年の最優秀ベネンシアドーラ。さらに、スペインハモンセラーノ協会認定のコルタドーラでもいらっしゃいます。 CAVA原産地呼称統制委員会とスペインハモンセラーノ協会による2024~2026年のプロモーションでは作元慎哉シェフがアンバサダーに、典子さんがエキスパートに任命されています。 料理を手がける慎哉シェフと、ワインやシェリー、生ハムに精通する典子さん。お二人の専門性もフェルミンチョならではの魅力です。 ソムリエの作元典子さん。 豊かな知識と経験をもとに、その日のゲストに合わせて、スペインワインやシェリーの魅力を伝えてくださいます。 前菜から、あさりご飯へ この日いただいたのは、温かい前菜、冷たい前菜、あさりご飯、そして肉料理。 群馬県のGold-Well-farmが栽培するパドロン。 作元シェフが「今知っている中では、日本一の生産者だと思う」と高く評価する逸品です。 宮城県・気仙沼の戻り鰹を使ったマリネ。アホブランコのソースに、能登高農園の野菜を合わせた一皿。 前菜から米料理、肉料理へと進むなかで、じっくりと味わうことができました。 あさりご飯も、期待していた一皿。シェフが出来立てをテーブルまでお持ちくださり、見せてくれます。 フェルミンチョのオーナーシェフ、作元慎哉さん。 料理への思いを直接伝えてくださるひとときも、このお店の魅力です。 北海道・野付産のあさりを使った「アロス・コン・アルメハス(あさりご飯)」。 あさりを主役にしたスペインの米料理です。 タパスやパエリアなど、よく知られた料理の枠だけでは語りきれない表現に出会えること。それも作元シェフの料理を味わう楽しさだと感じます。 調理前のお肉から始まる肉料理の楽しみ 肉料理では、作元シェフが調理前の大きな肉をテーブルまで持ってきて、見せてくださいました。 伊豆・金子畜産の豚肉。デュロック、マンガリッツァ、梅山豚を掛け合わせた三元豚を使用しています。 厚みのある赤身と脂身が印象的なお肉。どのような料理になって運ばれてくるのか、楽しみが膨らみます。 そして登場したのは、素晴らしい火入れにより美しいロゼ色の断面が印象的な肉料理。緑色の付け合わせや葉野菜が彩りを添えています。 伊豆・金子畜産の豚肉。デュロック、マンガリッツァ、梅山豚を掛け合わせた三元豚を使用しています。 調理前の食材を見せていただいたからこそ、出来上がりを目にした時の喜びもひとしお。こうしたシェフとのやり取りも、今回のディナーで心にのこるひとときになりました。 記念日だけでなく、季節ごとに訪れたい 久しぶりにディナーに伺い、もっと頻繁に訪れたいお店だと改めて思いました。記念日に訪れるのはもちろんですが、本当は季節ごとに足を運びたい場所です。 作元シェフがその時季の食材をつかい「今、食べてほしい」と思う料理をいただく。そして典子さんが「この料理と一緒に楽しんでほしい」と選ぶワインやシェリーを味わう。...
「Cava Prestige Reception 2026」— 10ワイナリー・18銘柄から見つめるCAVAの多様性 スペインを代表するスパークリングワイン、CAVA(カバ)。日本でもその名は広く知られるようになり、近年は長期熟成を経たプレミアムカテゴリーにも関心が寄せられています。 一方で、CAVAには、日常の食卓に寄り添う親しみやすいものから、土地の個性や熟成による複雑さを追求したものまで、実に多彩なスタイルがあります。その豊かさを、もっと多くの方に知っていただきたい。そんな思いを改めて強くしたのが、今回のレセプションでした。 2026年10月15日、東京・六本木のザ・リッツ・カールトン東京で、D.O. CAVA主催の「Cava Prestige Reception」が開催されました。 日本で初めて開催されたCAVAのBtoBネットワーキングレセプションには、ソムリエやインポーターをはじめ、ワイン・飲食業界から約120名が集まりました。会場では多彩なCAVAが紹介され、参加者たちはグラスを片手に試飲や交流を楽しんでいました。 普段、筆者はメディアとしてワイン関連のイベントを取材する機会が多いのですが、今回は少し異なるご縁からの参加となりました。 今年、スペイン貿易投資庁(ICEX)が展開するワイン教育プログラム「Spain Wine Specialist」でスペインワインについて学び、認定を受けました。そのご縁から、スペイン大使館経済商務部を通じて、今回のレセプションへのご案内をいただいたのです。 専門的な学びを通して深めた知識を、実際のワインに触れながらさらに広げられる機会となりました。 スペイン大使館経済商務部 ゴンサロ・ラモス商務参事官(右から2番目)、明比淑子さん、木村 信子を囲んで 会場には10のワイナリーから18銘柄が登場。なかでも、熟成期間が18ヶ月以上のグアルダ・スペリオル・レセルバ、最低30か月の瓶内熟成を経るグアルダ・スペリオル・パラヘ・カリフィカードなど、CAVAの奥深さを伝えるラインアップがそろいました。 熟成と栽培基準から見える、CAVAの品質への取り組み CAVAは、シャンパーニュと同じく、瓶内二次発酵を行う伝統製法で造られるスパークリングワインです。その品質を理解するうえで重要なのが、熟成期間やブドウの栽培条件に基づくカテゴリーです。 最低9か月以上の熟成期間となる「Cava de Guarda」に対し、「Cava de Guarda Superior」には、長い熟成期間と厳格な栽培基準が設けられています。 レセルバは最低18か月、グラン・レセルバは最低30か月、そしてパラヘ・カリフィカードは最低36か月の熟成が必要です。 長期熟成のCAVAでは、果実の風味に加え、酵母との接触によって生まれるパンやトースト、ナッツを思わせる複雑な香りが現れることがあります。一方、比較的若いCAVAには、フレッシュな果実味や軽快さを楽しめる魅力があります。 どちらが優れているということではありません。熟成期間や造り方の違い、何より生産者の哲学によっても、多様な楽しみ方ができることもCAVAの特徴です。 10ワイナリー・18銘柄が示した多様性 今回のレセプションでは、熟成期間やブドウ品種、醸造スタイルの異なるCAVAが紹介されました。ひと口にCAVAといっても、造り手の考え方やブドウの個性、熟成による表現はさまざまです。18銘柄が一堂に会した今回のレセプションは、その幅広さを改めて知る機会となりました。 こうした幅広いスタイルを一度に知ることができるのは、今回のレセプションならではの魅力でした。 当日紹介された10ワイナリー・18銘柄 1. ART LAIETÀ d'Alta Alella(アルタ・アレーリャ) Laietà 2021 – Brut Nature(Guarda...
CICADAには、少し思い入れがあります。表参道に移転する前、西麻布にあった頃に何度か伺いました。 そして表参道へ移転し、今回の訪問は、たしか6回目。今年初めてのCICADAです。そのため前回に伺ったのはどんな感じだったかなと、久しぶりに友人を訪ねるような気持ちでした。 表参道の通りから一歩、路地へ入ります。緑に囲まれた空間が現れると、東京の真ん中なのに、そこだけ時間の流れが少し違うように感じられます。 店内に入った瞬間から、よりCICADAらしい時間が始まります。 こちらを見ながら、スタッフの方が次々に声をかけてくださいます。たとえ何か作業をしていても、一度手を止めて、きちんと顔を見て挨拶をしてくれる。それがひとりではありません。レセプションからテーブルにつくまで、何人ものスタッフが、それこそ10人以上です。 ほんの数秒のことです。けれどその数秒が、とても心地いい。「今日ここで過ごす食事の時間が、あなたにとって素敵なひとときになりますように」そんな気持ちまで一緒に手渡されたように感じるからです。 もちろん、そんな言葉を実際に言われたわけではありません。でも、その自然な所作から、そうした思いが伝わってくるのです。 先のとおり私は今年初めて伺いましたが、スタッフの方々にとっては、きっといつもの一日です。毎日、多くのゲストを迎え、何度も同じように挨拶をしていると想像できます。 それなのに誰ひとりとして「慣れた仕事」という感じを一ミリも見せず、目の前のゲストにきちんと向き合う。心を込めてゲストを迎える。 レセプション、キッチン、サービスも。店全体で、同じ温度のサービスが保たれているのです。CICADAのプロフェッショナルを久しぶりに目の当たりにしました。レストランのサービスというのは、こういう小さな瞬間の積み重ねなのかもしれません。 約50年前に建てられた建物をリノベーションしたという空間には、ヨーロッパ・コロニアルの趣があります。バーやテラス、店内のシャンデリアまで、食事の時間を楽しむための舞台が整えられています。 CICADAの公式ストーリーによれば、その料理の発想はスペインやモロッコを中心とした環地中海料理。ひとつの国の料理に限定するのではなく、地中海を囲むさまざまな食文化を自由に行き来します。 それが、この店の面白さなのだと思います。 料理が運んでくれる、小さな旅 今回いただいたのは、冷たい前菜、温かい前菜、魚料理、そして肉料理。そしてCAVA、白ワイン、ロゼワイン、カフェ。 料理をいただいて、改めて印象に残ったのが、塩とスパイスの使い方でした。どちらも決して料理を覆い隠すのではなく、素材の味を引き出しながら、もう一段奥行きをつくっている。 ひと口食べて、「この塩味加減がいいな」、「このスパイスの香り、好きだな」と、いちいち感じてしまうのです。大袈裟で派手な驚きではなく、食べ進むほどにわかってくる存在感。 そして、スペイン産の食材が皿に登場すると、やっぱり嬉しくなります。今回は、マンチェゴチーズと、ハモン・イベリコ・ベジョータ。 東京で見つける、スペインワインと食を訪ねる連載だから、ということもありますが、見慣れた名前がメニューの中にあるだけで、心が少し弾みます。 東京で食事をしているのに、味覚だけがスペインへ向かっていく。ワインを合わせると、その感覚はさらに強くなる。 「スペイン料理」だけではないからこそ CICADAは、スペイン料理専門店ではありません。だからスペインを入口にして、地中海というもっと大きな食文化の世界へ入っていける気がします。 料理から料理、白ワインからロゼ、そしてひとつの皿から次の皿へと、それぞれの味わいを楽しみながら、テーブル全体ではひとつの流れができていきます。 今回は、支配人の木村さんをご紹介いただきました。 料理人やスタッフの皆さんの仕事について、取材もしていないのに久々の短い訪問だけで多くを語ることはできません。けれども入店したときのお声かけと、あたたかい視線。料理が運ばれてくる絶妙なタイミング、ワインが注がれる時間、そして食事をしている人たちの生き生きとした表情を見ていると、この店が長く愛されてきた理由の一端が感じられます。 料理だけではなく、そこで過ごす時間そのものを楽しませてくれる。それがCICADAなのだと思います。 西麻布から、表参道へ 西麻布時代に何度か訪れたCICADA。その記憶があるからこそ、表参道の店を訪れるたびに、少し不思議な気持ちになります。 場所は変わったし、建物も違う。けれど料理を前にしてワインを飲み、誰かと話しながら過ごす時間には、どこか昔の記憶につながるものがある。 ...
その日、筆者が訪れたのは、オリーブオイルの専門家たちが集う場に参加するためでした。 完全予約制。旅する店主が料理をつくる店、日本橋・小伝馬町にある「麹と野菜とワインの小さな台所 Mino みーの」。 そう聞くと、まずは料理を味わう場所を想像するかもしれません。けれど、実際に足を運んでみると、この店にはもうひとつの顔があることに気づきます。オリーブオイルはもちろん、ワイン、日本酒、味噌づくり。食にまつわる魅力的な講座や学びの場も、ここでは開かれています。 店の軸にあるのは麹と野菜。さらに食材だけでなく、塩、油などの調味料にも店主みのりさんがこだわりぬいた選択があります。ひとことでお伝えするなら「創作料理を味わう店」。しかしこの店を訪れる理由は、料理のジャンルだけではあまりにも説明しきれないのです。 店主みのりさんは、自分の足で外へ出る みのりさんは、時間をつくっては、国内にとどまらず海外にも向かいます。現地で食べ、飲み、その土地の空気のなかで食文化にグッと触れるのです。気に入った器なども日本も海外も関係なく、ご自身で選び購入されます。 そして、その経験が店に戻ってきます。 旅先で見つけたものを、そのまま再現するのではありません。みのりさん自身が実際に体験し、体感したことが、みのりさんのフィルターをとおして皿の上の料理へと移されていきます。だから訪れた方々は、料理を食べるというだけでなく、みのりさんが外の世界で受けとってきた味わいや感覚に触れることになるのです。 「発信」という言葉を聞くと、SNSを思い浮かべる方が少なくありません。しかし「発信は画面の向こうだけで行われるものではない」と、こちらへ伺うといつも筆者は感じます。なぜならこの店では、味わいから発信されるから。みのりさんが見つけ、確かめ、もち帰ったものが、料理を通じてお客さまへ渡されていく。その意味で、この小伝馬町の店そのものが、まさに一つの発信基地になっています。 いつも少し早く、外へ向かう みのりさんには、世間の流れより少し早く反応するアンテナがあるとしか思えません。「流行を追う」というより、ご自身が気になったものがあればすぐに現場に飛ぶ。その行動が、いつもとても早いのです。 この行動力は、料理の背景として無視できません。それは店で出される味わいが、厨房のなかだけで考えられたものではないから。みのりさんが移動した距離、現地で得た体験、その前後にかかった時間までもが、料理の構成に加わっています。 だからお店では定番の味わいを楽しみつつ、いつも新しい発見があります。最初は「おいしい食事をしよう」、「みのりさんにお会いできるのが嬉しい」と思って訪れます。しかし食べ進めるうちに、知らなかった食材や味の組み合わせ、旅先の文化に触れる機会が生まれます。だからその日の食事が、味の記憶だけで終わらないのです。 ここでは食事をしながら、まるで広い世界を覗くような感覚になります。自分の知見までもが少しずつ広がっていくような、そんな気持ちにすらなるから不思議です。 麹と野菜を中心に据える理由 この店の料理は麹と野菜を中心に組み立てられています。ただし「野菜料理だから軽い」というシンプルな話ではありません。料理の随所につかわれている麹はもちろん、調味料にもこだわりの選択があり、つかい分けも幅広く意識が向けられていることがわかるはずです。 食べる側として印象に残るのは、しっかり食べたあとのこと。料理とワインを楽しみ、その素晴らしさに気がつけば普段以上に食べてしまいます。それでも一度だって食後に胃もたれを感じたことがないのです。 そして何度か伺ううち、ここでの食事が美味しいだけの時間ではなくなっていることに気づいていきます。その理由をひとつに断定することは難しいです。しかしみのりさんが食材や調味料、油を選び、麹を料理に取り入れていることは、この食後感と切り離せない大きな要素だと感じています。だから「おいしかった」という感想だけでは、ここで起きていることを説明できないのです。しかし帰宅したとき、自分の身体の状態から理解できます。 ひとりでつくり、ひとりで動く みのりさんは、基本的にひとりで立ち仕事をこなし、料理をつくり、店を運営されています。その一方で、店の外へ出る時間もつくる。その行動は以前お聞きした「健康」というテーマともつながっているように見えます。 健康とは。みのりさんの場合、日々の立ち仕事を続けながら店を営み、時間をつくって旅へ出る身体と行動そのものが、その言葉に具体性を与えていると感じます。 食べることを仕事にしている人の健康は、必ずしも料理だけで証明されるものではないです。どのように働き、動き、外の世界と接するか。 みのりさんの姿を見ていると、店で提供される料理と、ご自身の生活が別々に存在しているわけではないことがわかります。 「健康になってもらいたい」ということ みのりさんの料理には、「ここへ来た人に、本当の意味で健康になってもらいたい。」という想いが根底にあります。とてもシンプルでまっすぐな想い。しかし、それを料理として表現し続けることは簡単ではないはずです。 季節の野菜や食材を選び、調味料を選び、油を選び、麹をつかう。自分自身で外へ出て、新しいものに触れ、その経験を店へ持ち帰る。ひとりで料理をつくり、お客さまに出す。 こうした行動の積み重ねがあるから、「健康になってもらいたい」という言葉が、店の説明文としてではなく、実際の食事のなかで受け取る方が少なくないのだと思います。 みのりさんはご自身が実際に体験していないものを、ただ情報として料理にしません。そういうリアリティは、この店の料理を支えているはずです。 食べ終えたあとに残るもの 知らなかった味、旅先から持ち帰られた食文化、初めて見る柄の器。そして店を出るころには、休息したというより、少し力が戻っているのがわかります。みのりさん自身に会えば、この店の料理がなぜこうした方向へ向かうのか、理解しやすいのかもしれません。 みのりさんがピンときて訪れた国内外のこと。そこで得たものを、また小伝馬町へ持ち帰り、みのりさんのフィルターを通した料理として登場します。定番の味わい、そして新しい味わいも、その繰り返しのなかで、店の料理はこれからも変化していくのだと思います。ここでは料理を食べて終わりません。食事を終えたあと、たとえその日の料理名をすべて覚えていなくても。 それは、味覚はもちろん、身体が忘れないから。...
これまで「LOHASPAIN’S Store」をご利用くださった皆さまへ いつもLOHASPAINをご覧いただき、ありがとうございます。 これまで「LOHASPAIN’S Store」では、イベントチケット等とともに、スペイン産の輸入食材を販売してまいりましたが、9月末をもっての輸入食材の販売のみ、を終了いたしました。 10月からは、スペイン産の輸入食材は、輸入元であるLA PASIONが運営する新しいオンラインショップ 「LA PASION'S STORE」にて販売いたします。 「LA PASION'S STORE」は、「LOHASPAIN’S Store」の移転やリニューアルではなく、LA PASIONが取り扱うスペイン産の食材をお届けする新しいオンラインショップです。 これまで「 LOHASPAIN’S Store」を訪れてくださった皆さま、そしてスペインの食材を選んでくださった皆さまに、心より御礼申し上げます。なお「LOHASPAIN’S Store」は今後も、WEBマガジン"LOHASPAIN”に関わる様々なサービスをご購入いただけるオンラインショップとして、これまで通り運営してまいります。 「知る」楽しみと「味わう」楽しみ これからは、それぞれの場所で、それぞれの役割を大切にしながら、スペインの食の魅力をお届けしていきます。 「LOHASPAINのWEBマガジン」では、スペインの食文化や料理、食材、生産者などを「知る」楽しみを。 「LOHASPAIN’S STORE」では、スペインワインと食協会の活動の一環として開催するイベントやセミナーなどを通して、スペインの食や文化に「出会い、集う」楽しみを。 そして「LA PASION'S STORE」では、スペインから届いた食材を「選び、味わう」楽しみを。 それぞれの場所から、スペインの食の魅力をお届けしていきます。 これからも スペインの食を、もっと味わいたい方へ スペインの食材を実際に選び、味わってみたい方は、輸入元LA PASIONが運営するオンラインショップ 「LA PASION'S STORE」をご覧ください。 オリーブオイルをはじめ、これからもLA PASIONが選び、輸入するスペインの食材をご紹介していきます。 また 「LA PASION'S STORE」では、産地や生産者、味わい方、料理との合わせ方など、スペインの食をより楽しんでいただくための情報もお届けしていく予定です。 「 LA PASION'S STORE」はこちらからご覧いただけます。 https://la-pasion.square.site これまで「LOHASPAIN’S Store」をご利用くださった皆さまにも、これからスペインの食に出会う皆さまにも、新しい味わいとの出会いを楽しんでいただければ幸いです。 ...
いつも当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。 このたび発生した熊本県を中心とした地震の影響により、各配送会社におきまして熊本県を発着するお荷物の受付停止、および一部地域でのお届け遅延が発生しております。 現在、当店で利用しております配送会社においても、以下の影響が出ております。 日本郵便(ゆうパック)について 熊本県全域に発着するゆうパックのお引き受けを一時的に停止しております。九州地方を中心とする地域で引受けまたは配達となる郵便物およびゆうパックなどのお届けに遅れが生じる可能性があります。 https://www.post.japanpost.jp/newsrelease/pressrelease/9879629480.html そのため熊本県を発着するご注文につきましては、現在発送を承ることができない状況です。また、その他の地域につきましても、道路状況や配送会社の対応状況により、お荷物のお届けに遅れが発生する可能性がございます。 当店では、ご注文いただいた商品をできる限りお届けできるよう努めておりますが、安全を最優先に配送会社の状況を確認しながら対応してまいります。 お待ちいただいているお客様にはご不便とご心配をおかけいたしますが、何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。 被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。 配送会社からのお知らせ 最新の配送状況につきましては、各配送会社の公式案内をご確認ください。 ・日本郵便(ゆうパック) 郵便・荷物の配達状況についてhttps://www.post.japanpost.jp/newsrelease/pressrelease/9879629480.html *配送状況は随時変更される可能性がございます。
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ゴールデンウイーク休業のお知らせ いつも当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。 誠に勝手ながら、下記の期間をゴールデンウイーク休業とさせていただきます。 お客様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。 【オフィス休業期間】 2026年4月28日(火)~5月7日(木) 【商品のお届けについて】 ・2026年4月26日(日)までのご注文→ 4月27日(月)までに発送 ・2026年4月27日(月)~5月7日(木)までのご注文→ 5/8(金)から順次発送 【Storeのご注文について】 インターネットは24時間注文受付しております。 【お問い合わせについて】 4月26日(月)12時以降及び、休業期間中のお問い合わせにつきましては、 お電話、メールともに5月8日(金)12時以降、順次折り返しのご返答となります。 予めご了承いただきますようお願い申し上げます。 運営管理:LOHASPAIN(ロハスペイン) 株式会社LA PASION