鎌倉の古民家で出会う、和とモダンスパニッシュの美しい融合 「ミ・カサ(Mi CASA)」
鎌倉・佐助の古民家レストラン「Mi CASA(ミ・カサ)」。ジェローム・キルボフシェフが手がけるモダンスパニッシュとスペインワインが織りなす、和とモダンスパニッシュの美しい融合をレポート。
スペインの食文化が紡ぐ、しあわせのかたち。
LOHASPAINは、スペインワインとガストロノミーを専門とするWEBマガジンです。現地取材やインタビューを通して、生産者や料理人の哲学、土地の風土、食文化の背景にある物語を綴ります。
一杯のワイン、一皿の料理がつなぐ、人・文化・暮らし。
スペインならではの豊かなライフスタイルをお届けします。
鎌倉・佐助の古民家レストラン「Mi CASA(ミ・カサ)」。ジェローム・キルボフシェフが手がけるモダンスパニッシュとスペインワインが織りなす、和とモダンスパニッシュの美しい融合をレポート。
プリオラートのワイナリー「Grifoll Declara(グリフォイ・デクララ)」が手がける希少なエキストラバージンオリーブオイル。アルベキーナの魅力やテロワール、ワインとの共通点、日本料理との相性をご紹介します。
暑い夏に訪れたいスペインの避暑地、テネリフェ島。アフリカに近いのに涼しい理由、火山性土壌が育む個性豊かなワイン、北部のワイナリーViñátigoを紹介します。
毎年6月23日の夜から24日にかけて、 スペイン全土で夏の到来を祝う伝統的なお祭り「サン・フアン(カタルーニャ語:サン・ジョアン/ 聖ヨハネ)の火祭り」が行われます。この祭りが終わると、いよいよ本格的な夏の始まりです。今年のスペインは特に暑い夏になると言われていますが、そんな日に恋しくなるのが、心地よい泡立ちで冷たく喉を潤してくれるスパークリングワイン「CAVA(カバ)」です。アペリティフから食中、あるいはデザートまでシームレスに寄り添ってくれる万能さは、これからの季節に欠かせません。CAVAは、シャンパーニュと同じ「瓶内二次発酵(伝統的製法)」で造られるスペインを代表するスパークリングワインです。その起源はカタルーニャ州のペネデス地域にあり、なかでもサン・サドゥルニ・ダ・ノイア周辺は、長い歴史を持つ主要な生産地として知られています。 7月12日は国際 Cava Day(International Cava Day) ところで、毎年7月12日が「International Cava Day(国際カバ・デー)」に制定されているのをご存じでしょうか。これはスペインのカバ原産地呼称統制委員会(D.O. CAVA)が、世界中にその魅力を広めるために定めた記念日です。 皆さんは「CAVA」に対して、どのようなイメージをお持ちですか?「伝統製法でありながら、コストパフォーマンスに優れたカジュアルな泡」という印象が強いかもしれません。それも確かに大きな魅力ですが、近年のCAVAは品質構造の明確化を進め、さらなる進化を遂げています。 いま、注目され始めたのが、上位カテゴリーである「Cava de Guarda Superior(カバ・デ・グアルダ・スペリオール)」です。 これは2020年の制度改定によって導入された区分で、長期間の熟成を経た高品質なCAVAを指します。 熟成期間に応じて ・Reserva(18ヶ月以上)・Gran Reserva(30ヶ月以上)・Paraje Calificado(36ヶ月以上) の3段階に分類されています。 カタルーニャ語で「洞窟」や「地下セラー」を意味する”カバ(CAVA)” なかでも最上位の「Paraje Calificado(パラヘ・カリフィカード)」は、単なる熟成期間の証明ではなく、特定の優れたテロワールを持つ単一特級畑から収穫されたブドウのみを使用する、CAVAにおける最上位の格付けです。さらに、これら「Guarda Superior」に分類されるすべてのCAVAは、オーガニック栽培(有機栽培)のブドウ100%で造ることが義務付けられています。これは、品質の追求にとどまらず、地域の環境や自然に配慮したサスティナブルな栽培哲学を明確な基準として組み込んだ、先進的な取り組みでもあります。 こうした制度的な進化は、CAVAが「手頃で美味しいスパークリングワイン」という従来の枠を超え、明確な階層構造と独自の思想を持つワイン産地へと歩みを進めていることを示しています。 メストレス家30代目で、輸出担当のダビッド・アウラ(David Aura)氏 7月12日に迎える「国際CAVA DAY」は、そうしたCAVAの進化を感じ取る絶好の機会です。グラスのなかで揺れるきめ細やかな泡は、テロワール、重ねられた時間、そして造り手の魂の結晶です。暑さの続くこれからの季節、CAVAを片手に、その進化を味わってみてはいかがでしょう。【関連記事】・【ワイナリー訪問記】時を超える伝統の味わい、一流シェフたちが愛するCAVA「Mestres(メストレス)」 Ikumi Harada 原田郁美Journalist & Creative Director スペインワインとガストロノミーを専門とするジャーナリスト。2005年のスペイン留学を機にワインと食文化に惹かれ、以降スペイン各地を取材。プリオラートでのワイン造りや協会活動にも携わり、2024年に初ヴィンテージを発表。2025年にはバルセロナのワインコンクール「Barcelona Wine Test」を共同創設。株式会社Aromas代表として、輸出やマーケティング支援を手がけながら、スペインワインの魅力を発信している。WSET® Level 3。山口県出身。@ikumiharada @ikumiharada
新連載 「スペイン食文化をつくる人たち」 100人の物語を未来へ。 料理も、ワインも、オリーブオイルも、人がつくる。 食文化は、一人ではつくれない スペインの食文化は、有名なシェフだけがつくるものではありません。 第一線で活躍するシェフこそ、その味わいの背景に、数えきれないほどたくさんの方々が関わっている、そのことをよくご存知です。 畑でブドウを育てる人。 ワインを醸す人。 オリーブを育てる人。 チーズや生ハムをつくる職人。 市場で働く人。 サービスとしてお客様を迎える人。 そして、ひとつのイベントやプロジェクトを成功へ導くために奔走する人たち。 一皿の料理も、一杯のワインも、ひと匙のオリーブオイルも、ひとりの力だけでは生まれません。 それぞれの場所で誇りをもって、自分の仕事に向き合うプロフェッショナルがいて、初めてスペインの食文化は育まれています。 だからこの連載でご紹介するのは、多くの人に知られるシェフや生産者だけではありません。 表舞台に立つことが少なくても、その仕事や生き方に心を動かされた料理人や職人、生産者、ソムリエ、サービススタッフ、そして食文化を支える人たちも、この「100人」の中に記録していきたいと思っています。 この連載で大切にしたいのは、その人が何を大切にし、どんな思いで食文化を育み、未来へつないできたのか。 その人生や言葉を、一人ひとりていねいに記録していきたいと思っています。 わたしが惹かれたのは、料理だけではなく「人」だった わたしが執筆を始めたのは、当時、業界最大手の飲食情報サイトでした。 担当は「ワインのある飲食店」。 新規オープンや話題のレストランを取材し、その魅力を伝える記事を書いていました。 編集長から言われていたのは、「店だけではなく、オーナーの生き様も書きなさい。」ということ。 だから取材では、お店のコンセプトや料理への想いだけでなく、「なぜ、この店をつくろうと思ったのですか。」と、質問していました。 すると、そこで聞いたことは、料理のことだけではない、ひとりのストーリーだったのです。 なぜ、この仕事を選んだのか。 どういうことに悩み、どんな壁を乗り越え、この店をつくろうと決意したのか。 そういうことを語られる場面が少なくありませんでした。 わたしはお店のコンセプトを聞くことは、もちろん好きです。 料理をいただき、その味わいに感動することも何度もありました。 でも取材の中でいちばん胸が高鳴ったのは、その人の人生に触れる瞬間でした。 「もっと聞きたい。」 気づけば、いつもそう思っていました。 実は私は、昔からドラマや映画が好きです。 心を惹かれていたのは、派手な展開ではなく、人が迷い、決断し、自分の道を歩んでいく姿でした。 だから取材で出会うシェフや生産者、職人たちが語る人生は、私にとって何よりも興味深い「本当の物語」だったのです。...
2026年夏季休業のお知らせ *夏季休業のお知らせ* 誠に勝手ながら、2026年8月1日(土)から16日(日)まで、夏季休業とさせていただきます。 お客様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。 【オフィス休業期間】(※通常土日休業を含む休業期間です) 2026年8月1日(土)~8月16日(日) 【商品のお届けについて】 ・2026年7月31日(金)午前までのご注文→ 8月3日(月)までに発送 ・2025年8月1日(土)~16日(日)までのご注文→ 8/17(月)から順次発送 【Storeのご注文について】 インターネットは24時間注文受付しております。 【お問い合わせについて】 7月31日(土)12時以降及び、休業期間中のお問い合わせにつきましては、お電話、メールともに8月17日(月)12時以降、順次折り返しのご返答となります。予めご了承いただきますようお願い申し上げます。 撮影:Tomoko Kato 運営管理:LOHASPAIN(ロハスペイン) 株式会社LA PASION
ゴールデンウイーク休業のお知らせ いつも当店をご利用いただき、誠にありがとうございます。 誠に勝手ながら、下記の期間をゴールデンウイーク休業とさせていただきます。 お客様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。 【オフィス休業期間】 2026年4月28日(火)~5月7日(木) 【商品のお届けについて】 ・2026年4月26日(日)までのご注文→ 4月27日(月)までに発送 ・2026年4月27日(月)~5月7日(木)までのご注文→ 5/8(金)から順次発送 【Storeのご注文について】 インターネットは24時間注文受付しております。 【お問い合わせについて】 4月26日(月)12時以降及び、休業期間中のお問い合わせにつきましては、 お電話、メールともに5月8日(金)12時以降、順次折り返しのご返答となります。 予めご了承いただきますようお願い申し上げます。 運営管理:LOHASPAIN(ロハスペイン) 株式会社LA PASION
いつもオンラインショップ「LOHASPAIN」をご利用いただき、ありがとうございます。 これまでできるだけ現状の送料を維持できるよう努めてまいりましたが、配送会社の料金改定や物流コストの上昇に伴い、このたび送料を見直すこととなりました。 日頃ご利用いただいている皆さまにはご負担をおかけしてしまい、大変心苦しく思っておりますが、これからも安心してお買い物を楽しんでいただけるよう、より良い商品とサービスをお届けできるよう努めてまいります。 ■改定日2026年3月17日(火)ご注文分より ■送料全国一律 880円(税込) ■送料無料について8,800円(税込)以上のご注文で送料無料となります。 何卒ご理解いただけますと幸いです。これからもどうぞよろしくお願いいたします。 「スペインワインと食」に関する情報を、日本とスペインから、イベントの告知も含めて発信してまいります。最新情報をいち早く知りたい方は、毎週金曜日に配信しているスペインワインと食協会のニュースレター「LOHASPAIN」をご活用いただけたら幸いです。 無料購読はこちらから。
今回の第18回スペインワインと食大学では、「スペインワインとオリーブオイルから食文化を体験する」というコンセプトのもと、テーマを「バレンシア」に設定しました。(開催概要はこちら) このテーマを選んだ理由は、講師のお二人にあります。講師 田川敬子さんはバレンシアに暮らし、現地からスペインの文化や食の魅力を発信されています。講師 常田聡史さんも、かつてバレンシアで生活し、その土地を深く知るお一人です。お二人がそれぞれの立場から見つめてきた「バレンシア」だからこそ、その土地の歴史や文化、人々の暮らし、ワインやオリーブオイル、食文化までガイドブックには載っていないような奥深い魅力をお届けできると考え、テーマに決まりました。 ご参加の皆さまには大学では初の試みとして「バレンシアをイメージした装い」を呼びかけたところ、講義に加えて、料理やワイン、空間、そして参加者一人ひとりの装いまで、会場全体でバレンシアの世界観を楽しんでいただく一日に。 講義で学び、料理を味わい、ワインを楽しみ、人と語り合い、文化を持ち帰る。そんな五感で学ぶ一日を、講師陣、そして共催のバーゼルさんとともにつくり上げることができました。 蒸し暑い夏の日だったので到着後にはウエルカムドリンクとして「スペイン産シェリービネガーの炭酸割」をご用意。半数以上は東京23区からご参加の方々、遠方の方も含めて全員がご来場くださり、この日への期待を感じるスタートとなりました。 「ここで開催したい」と決めた、あの日のランチ 今回の開催には、ひとつのきっかけがありました。 昨年12月、バーゼルグループ 豊田店にいらっしゃる秋山さんにお声がけいただき、初めてこちらのレストランでランチをいただいた時のこと。店内に入った瞬間にピン!と衝撃が走ったことを今でも覚えています。 「次の大学は、ぜひここで開催したい」と、突然に。ワクワクする気持ちをどうにか落ち着けながら、料理、ワインを味わいました。 空間の心地よさ、スタッフ皆さんの自然で温かなサービス、そして店全体から伝わるチームワークをその場で体感し、食事を終える頃には、直感がすでに予定に変わっていました。 数ヶ月後に、今回のイベントを担当された伊藤さんと鷲尾シェフからオファーをいただく形で、今回の開催を実現することができたのです。 講義から始まる、文化との出会い 今回も、第一線で活躍する講師お二人をお迎えし、スペイン産オリーブオイルとワインについて講義をしていただきました。知識だけを伝えるのではなく、その土地で暮らす人々の文化や背景まで紐解いてくださる講義は、まさに旅をしているような時間だったのでは。熱心にメモを取る姿や、うなずきながら耳を傾ける参加者の表情がとても印象的でした。 スペイン産オリーブオイル 【講師:田川敬子氏】 @keiko_spain_oliveoil サプライズで、テーマにしたバレンシアのご紹介をしてくださった後に、オリーブオイルの講義が始まりました。講師 田川さんだからこそ伝えられる現地の情報をふんだんに取り入れた内容は、他にはありません。そのうえまだ日本には輸入されていないバレンシア産のオイルも登場。そこに加え、品種の違い、作り手のこだわりがわかるオイルを絡めて、4種のテイスティングがありました。 スペインワイン 【講師:常田 諭史氏】 @satoshi_tsuneda 「コルピナット」という、スペイン産スパークリングワインの乾杯のあと、ワイングラスを目の前にリアルに味わいながら、講師 常田さんがワインの講義をしてくださいました。東京在住ですが頻繁に現地を訪問されている常田さんならではの内容でした。テーマに合わせた「バレンシアワインについて」だけでなく、政府観光局からバレンシアの資料を皆さんにご用意してくださっていたことは、当日の驚きでもありました。地図もあり、持っていたい内容が詰まっていましたね。 講義を終える頃には、参加者の皆さんの表情から「早く料理と次のワインを味わってみたい」という期待が伝わってきました。 乾杯のタイミングに込められた、小さな工夫 講義のあとは、共催レストランの有限会社バーゼル洋菓子店 渡辺社長より乾杯のご挨拶をいただきました。実は今回の進行には、当日だからこそ生まれた小さな工夫がありました。 有限会社バーゼル洋菓子店代表取締役 渡辺 純さん 当初は二つの講義を終え、乾杯を行う予定でした。しかし当日は朝から暑い気温だったこともあり、会場全体の流れや雰囲気をみた常田さんから「せっかくならワインは講義を聞きながら味わっていただきましょうか」と提案があったのです。そこで急きょ、乾杯をワイン講義の前に行うことになりました。 その判断は結果的に大正解でした。というのも参加者の皆さんがグラスを片手に、実際にワインの香りや味わいを確かめながら講義を聞くことができ、言葉だけでは伝わらない魅力を五感で体験していただける時間となったからです。 Nadal Brut...
6月27日・28日、コートヤードマリオット銀座東武ホテルにて「OLIVE JAPAN SHOW 2026 ☆ まるしぇ」が開催されました。 一般社団法人日本オリーブオイルソムリエ協会 多田俊哉理事長 会場には、世界各国から集まった高品質なエキストラバージン・オリーブオイル、テーブルオリーブ、関連食品が並び、初日は台風にもかかわらず多くの来場者でにぎわっていました。年に一度のオリーブの祭典とも言われるこのイベント。生産者や輸入事業者の皆さんが直接商品の魅力を伝える姿が印象的です。この日のために訪れた方々は、試食や会話を楽しみながら、自分好みのオリーブ製品を見つけられるまたとない機会でもあります。二日間、会場はオリーブファンが集まる温かな雰囲気に包まれていました。 オイルをテイスティングできる「オリーブオイルバー」:会場入口 世界最大級の国際コンテストで選ばれた逸品 OLIVE JAPAN® 2026 国際オリーブコンテスト 最優秀賞8品 「OLIVE JAPAN® 2026 国際オリーブコンテスト」では、世界各国からエントリーされた801品を対象に厳正な審査が行われ、過去最多となる620品が受賞しました。 多田俊哉オリーブオイルソムリエ特別賞10品 最優秀賞8品をはじめ、多田俊哉オリーブオイルソムリエ特別賞10品、金賞374品、銀賞228品、さらに各国ベスト賞やマーガレットエドワーズ記念特別賞などが発表され、日本国内でも世界最高品質のオリーブオイルに触れられる貴重な機会となりました。 スペイン勢が圧倒的な存在感 今回のコンテストで特に目を引いたのが、オリーブオイル大国・スペインの圧倒的な実績です。 日本オリーブオイルソムリエ協会 多田俊哉理事長(左) 株式会社イスコ 五十貝 京子さん(中) プレゼンテーター香坂みゆきさん(右) スペインからは、239品がエントリー。これは参加国の中でも際立つ出品数でした。その実力は審査結果にも表れ、最優秀賞8品のうち3品をスペイン勢が獲得しました。さらにオリーブオイルの専門家であり、オリーブオイルソムリエ協会理事長 多田俊哉氏が選ぶ「多田俊哉オリーブオイルソムリエ特別賞」10品のうち3品もスペイン産が受賞。金賞・銀賞を含めたスペイン勢の受賞数は173品に上り、世界屈指のオリーブオイル生産国としての実力をあらためて証明する結果となりました。 今回の取材では、スペイン産オリーブオイルの受賞生産者にもお話を伺うことができました。標高が高いオリーブ畑から収穫されるオイルや、ビオディナミを意識したオイルなど、豊かな個性が光ります。一堂に集まるこのイベントだからこそ、オリーブオイルの世界をじっくり知ることができます。品質への徹底したこだわり、収穫から搾油までいっさいの妥協をゆるさない姿勢に触れることができました。そのひと匙の味わい、一本のオリーブオイルが食卓に届くまでには、長年培われた技術と情熱が込められていることをここでも実感しました。 一般社団法人日本オリーブオイルソムリエ協会 遠藤校長 実際にテイスティングすると、同じ品種でもはっきりとしたちがいを感じることができます。畑の場所、気候、生産者の哲学により、まるでワインのようです。フレッシュな青い香りや心地よい辛み、豊かな果実味が広がり、「オリーブオイルはここまで違うのか」と、驚かされる場面も少なくありません。 生産者やインポーターとの出会いも、このイベントならでは 会場では、国内外の出店者の皆さんが笑顔で来場者を迎え、商品の特徴やおすすめの楽しみ方をていねいに紹介してくれます。 オリーブオイルだけでなく、テーブルオリーブや加工食品、フレンチのシェフによる焼き菓子など幅広い商品が並び、どのブースも活気にあふれていました。生産者や販売者の皆さんと直接話せることで、味わいが生まれるまでの背景やストーリーまで知ることができ、買い物以上の価値を感じられるイベントを体感できました。...
7月1日、東京・明治記念館にて、D.O.CAVA カバ原産地呼称統制委員会主催によるプロフェッショナル向けセミナーが開催されました。 東京・明治記念館 第一部では、CAVA広報のジュディ・マネロ氏が「D.O.CAVAー世界をリードするレギュレーションと卓越した品質」をリアルタイムにオンラインに登場して解説。 CAVAの特徴、産地、製法、歴史、新しい取り組みなど、CAVAを理解するための幅広い内容を講義しました。講義後の質疑応答では、コルピナット、クライメイトチェンジ、日本へのカテゴリ別の輸入割合やレケナへの名称変更など、4つの質問がありました。ジュディ氏の丁寧な回答が印象に残っています。 CAVAテイスティングで紹介された6種 今回は、近年見直されたCAVAのカテゴリーについてご紹介します。カテゴリーは瓶内での最低熟成期間(月数)によって区分されています。それぞれの個性がより明確に表現されるようになりました。 【カバのカテゴリー】 ・9ヶ月以上の熟成:カバ・デ・グアルダ カバ・デ・グアルダ・スペリオル ・18ヶ月以上の熟成:カバ・デ・グアルダ・スペリオル・レセルバ ・30ヶ月以上の熟成:カバ・デ・グアルダ・スペリオル・グラン・レセルバ ・36ヶ月以上の熟成:カバ・デ・グアルダ・スペリオル・デ・パラへ・カリフィカード なかでも「カバ・デ・グアルダ・スペリオル」の最高位に位置づけられるカバ・デ・パラへ・カリフィカード(36カ月以上の熟成)は、時間が生み出す複雑さとエレガンスを象徴する存在ともいえます。 テイスティングに並んだ6種類のCAVAの中で、唯一カバ・デ・パラへ・カリフィカードとして登場したのが「ペレ・ベントゥーラ PERE VENTURA GRAN VINTAGE CAVA de Paraje Calificado Can Bas 2015」です。 ペレ・ベントゥーラ PERE VENTURA GRAN VINTAGE CAVA de Paraje Calificado Can Bas 土着品種のマカベオとチャレッロが50%ずつ、そして澱とともに96ヶ月熟成されています。糖度によりカバの特徴が変わります。このカバは、しっかり辛口(エクストラ・ブルット:残糖 0~6g/L)です。グラスに注がれた黄金色、しなやな酸、その味わいの存在感は、皆さんにもぜひ体験して欲しいです。 第二部は、「スペリオールCAVAと料理のマリアージュ」。ソムリエであり、レストランseries総料理長(ミシュラン1つ星)の金子優貴氏が考案した6種のペアリングを体験しました。今回紹介された6種のCAVAうち、4つの生産者を実際に訪問されています。ソムリエであり料理人でもある金子氏だからこそ語れるエピソードは、生産者との交流や土地の風景、その背景も立体的に伝えてくださいました。 CAVAマリアージュメニュー 6種のCAVAは、それぞれ異なる熟成期間やスタイルを持ち、それぞれに個性豊かな表情を見せてくれました。その締めくくりとして登場したのが、この日唯一の36カ月熟成カテゴリーに属する「ペレ・ベントゥーラ PERE...
先日、私の輸入しているスペイン産オリーブオイルをつかってくださっているお店「Pegli」で食事をしました。2年ぶりの再訪です。 2年前の三坂シェフ シェフの三坂さんは、数々の名だたるフレンチレストランで腕を磨き、長年にわたって料理と向き合ってきて、独立された方。2年前の5月にビストロ「Pegli」が誕生しました。 2年前の11月、スペイン出張の時に突然、電話がかかってきて帰国後に再会しました。(じつはそのとき、誰もが驚くエピソードがありました。それはまた別の機会にご紹介したいです) お店はビストロ。けれどワインリストには、フランスに並んでスペインワインがあり、料理にはスペインのオリーブオイルもつかわれています。 カウンターに座り、まずその日のグラスワインをお願いしました。前菜はどうしようかな、とメニューを開いたところで、シェフが「前菜の盛り合わせにする?」と、声をかけてくださって、即決です。白ワイン(写真を撮り忘れました)と、いかにも丁寧に仕込みがされていることがわかるぜいたくな前菜を楽しみながら、メイン料理を選ぶためにメニューをみて、ワインリストも拝見していました。 今回の前菜盛り合わせ 気づけば、スペインワインを見つけると、すぐに「あ!スペイン」と思っている自分に気が付きます。もちろんスペインに関わる仕事を何年もしているから当たり前なことかもしれません。しかし、ふと、それだけではない気がしました。 本日のグラスワイン(カリフォルニア) グラスに注がれたワインや、料理に添えられたオリーブオイルを味わいながら、私が思い浮かべていたのは商品のことではなく、その向こうにいる人たちのことでした。 スペインでぶどうを育てて、醸造する人。 オリーブを収穫し、搾油する人。 その価値を信じて日本へ届ける人。 そして、数ある中から素材を選び、一皿の料理として表現するシェフ。 一本のワインやひと匙のオリーブオイルは、たくさんの人の手を渡りながら私たちの食卓へやってきます。 そんなことを考えていた夜、もうひとつ印象に残ったことがありました。私が食事をしている間に、後から何組かのお客様が来店されたのです。 最初に入ってこられたのはフレンチレストランのオーナーとお連れ様。その後にはイタリアンレストランのオーナーシェフが。偶然かもしれません。けれどもこういう光景を見るたびに思います。味わいに信頼がある店には、その道の人たちが自然と足を運ぶのだと。 誰かが大きな声で宣伝するわけではないのに。 現に、このビストロにはホームページもなく、Instagramだけ。(@pegli_misaka)ふと「行きたいな」と思って確かめると「○月○日、満席となっております」という文字が出ていることが少なくありません。タイミングを逃し続け、気づけば2年ぶりの食事になったのでした。 パテ(2年前) 2年前、家族でお邪魔したときも、帰り道に子どもたちが「電車に乗って行かないといけないお店だけど、ぜったいに、また行きたい!!」と、言ってましたね。 自家製ハム(2年前) 後日、このお店でいただいたものをInstagramに投稿したときのこと。別々の友人からそれぞれ「どこのお店か教えて!」と、連絡をもらいました。お店を紹介すると、後日、それぞれ実際に足を運んだとのこと。そしてふたりから同じようなメッセージが届きました。「すごく素敵なお店を教えてくれてありがとう」と。 自分が好きなお店だからこそ、私までとても嬉しくなったのは言うまでもありません。 生ハムサラダ(2年前) こうやって「あそこへ行こう」と思う人がいて、その人がまた別の誰かを連れてくる。そうして人から人へと受け渡される信頼が積み重なっていくのだなと。 鶏肉の炭火焼き(2年前) 考えてみれば、スペインのワインやオリーブオイルも同じです。つくる人がいて、届ける人がいて、選ぶ人がいる。そして最後に、その価値を料理として表現する人がいる。 牛肉の炭火焼き(2年前) 私がその夜に感じていたのは、料理やワインそのもの、そしてその向こうにいる人と人が信頼によってつながっていく様子だったのかもしれません。...
Webマガジン「LOHASPAIN」で
展開するスペインワインと食協会の協会ジャーナル
スペイン好き、ワイン好きの皆さんにうれしいお知らせです! パナバックプレゼンツ、FMから、スペインをもっと身近に感じられる新番組 「旅するスペインワイン」 がスタートします!番組では、毎回スペイン各地のワイン産地を巡り、その土地ならではのワインはもちろん、料理や食文化、歴史、観光スポット、そしてスペインワインの楽しみ方まで、多彩なテーマでスペインの魅力をお届け。まるで現地を旅しているような気分で、スペインワインの世界を楽しめる番組です。スペインが好きな方も、ワインに興味がある方も、ぜひチェックしてみてくださいね! タッキー816 みのおエフエム初回は【7月5日(日) 15:30~】ぜひ、チャンネルを合わせてください!番組名: 旅するスペインワイン みのおFM 81.6 MHzパーソナリティ: 岡本 麻友子 @mayuko_okamoto_番組ナビゲーター: 長崎わこ提供: 株式会社パナバック@panavac_co 毎月 第一日曜日 15:30-16:00再放送1 : 同日 22:30-23:00再放送2 : 翌日(月) 15:30-16:00 スペインワインと食協会とは スペインワインと食協会は、「スペインワインと食文化を囲み、高品質なスペインの魅力を皆さまと体感すること」を原点に、一過性ではないスペインブームを築く活動をしています。今後もスペインワインと食を真ん中に、新しい取組みや情報をご提供して参ります。 スペインワインと食大学運営:スペインワインと食協会(日本事務局/(株)LA PASION加藤 スペインオフィス/原田) WEB:spainwinefood.org E-MAIL: info@spainwinefood.org 今年も「スペインワインと食」に関する情報を、日本とスペインから、イベントの告知も含めて発信してまいります。最新情報をいち早く知りたい方は、毎週金曜日に配信しているスペインワインと食協会のニュースレター「LOHASPAIN」をご活用いただけたら幸いです。無料購読はこちらから。 Tomoko Kato 加藤智子Editor-in-chief 福岡県出身のフードジャーナリスト、インポーター。1997年からシェフやワイン販売などの経験を積み、調理師免許を取得。青山の老舗レストランではワインのトップセールスとして活躍し、その後リストランテ「アクアパッツァ」にて広報・PRを担当。2009年、スペイン産オリーブオイルに一目惚れして「LA PASION」を立ち上げ、今年で16年目を迎えるインポーターとして多くの顧客に恵まれている。2011年には「スペインワインと食協会」を設立し、30回以上のプロモーションを手がける。スペイン・アンダルシア州政府から、世界一のオリーブオイル展示会にプレスとして正式招聘され、取材・執筆を担当。特に「スペインワインと食大学」は告知と同時に満席になる人気講座として好評を博している。現在はWebマガジン「LOHASPAIN」の編集長として、スペイン食文化やワインの魅力を国内外に発信中。 @ tomoko_kato_lapasion
★【第4弾・10周年】 第18回スペインワインと食大学~スペインワイン&オリーブオイル~ ・スペインワインと食大学とは スペインワインと食大学は、スペインワインと食協会の企画として“オトナの学び場”をテーマに、2016年春に開講しました。おかげさまで今年10周年を迎えます。 “見て、聞いて、薫って、味わって、体感する”五感すべてでスペインワインと食文化に触れる学びの場として、ライブ感あふれる講義と多彩なテーマを重ねてまいりました。 前回1/31のスペインワインと食大学「スペイン産オリーブオイル」VOL.4の様子 ・初めての試み!第18回のテーマは、「スペインワイン&オリーブオイル」のダブル講義 スペインワインとオリーブオイル。第18回目のスペインワインと食大学は、“知る”と“味わう”を一度に楽しめる、特別なダブル講義を開催します。 スペインを、味覚で旅する夏の一日。 7月、場所は都立大学南大沢キャンパス。 23区から約1時間。駅を降りると、広い空と豊かな緑が迎えてくれます。大学の門をくぐり、木々に囲まれた散歩道を歩く時間は、まるで小さな旅のはじまり。どこか懐かしい、あの頃の青春の空気を感じながら、ゆったりと会場へ向かいます。 緑のキャンパスで過ごす、小さな旅 今回の会場は、国際交流会館内にあるBASEL Public House。 八王子を中心に、多摩・湘南エリアで長く愛され続けてきた有限会社バーゼル洋菓子店が手がけるレストランです。 「本物で永続する地域一番店」を掲げ、今年で創業59周年。 ケーキカフェ「BASEL」、自家焙煎コーヒーを楽しめる「TAKAO COFFEE ROASTERY & CREAM」、リゾートスタイルの「PAPER MOON」など、“本物”を大切にしたブランドを展開してきました。 BASELグループの中で2番目にオープンした豊田店。 1/31スペインワインと食大学開催はこちらで1/31レポートはこちら そんなバーゼルが昨年新たにオープンしたバーゼルパブリックハウス(BASEL Public House)は、学生、地域の人々、そして海外からのゲストが自然に集う空間。 緑あふれるキャンパスの中で、上質な食と豊かな時間を楽しめる特別な場所です。 人と人、地域と世界をゆるやかにつなぐ。BASEL Public Houseは、食を通して新しいコミュニティを育む、開かれたレストランです。 バーゼルパブリックハウス(BASEL Public House) 今回、この場所で開催するのが、スペイン・バレンシアをテーマにした特別イベント。スペインワインとオリーブオイルを深く楽しむ、“知る”と“味わう”のダブル講座です。 今回お招きするのは、毎回キャンセル待ちとなる大人気のオリーブオイル講師・田川敬子氏と、待望のスペインワイン講師・常田諭史氏。 実はお二人は、スペイン・バレンシアで出会って以来、姉弟のように親交を深めてきた特別な存在。ワイン講師である常田氏がスペインのワイナリーを巡る中で田川氏と出会い、そこから長く交流が続いています。 だからこそ、現地の空気や人の温度まで感じられるリアリティがあります。 バレンシアでつながった、二人の講師...
スペイン・カナリア諸島テネリフェ島の生産者「Bodegas Viñátigoビニャティゴ」 @bodegasvinatigoが、ついに北海道・余市の地に降り立ちました。彼らが「北海道のワイナリーを訪れたい」そう話してから2年。 4月末、ついに実現したのです。 今回訪問したのは、日本でもトップクラスの注目を集める3つのワイナリー。 DOMAINE MONTドメーヌ・モンさん @domainemont DOMAINE YUIドメーヌ・ユイさん @domaineyui Domaine Takahikoドメーヌ・タカヒコさん @domaine_takahiko それぞれのワイナリーを巡りながら、醸造家同士の対話は途切れることがありませんでした。 特集へ向けて 今回の訪問については、後日、あらためて特集記事として詳しくお届けする予定です。各ワイナリーでの対話をより深く掘り下げていきたいと考えています。 その前に、まずは現場の空気を感じていただくためのフォトレポートをお届けします。 フォトレポート 【写真:畑を歩きながら語り合う醸造家たち】 言葉を交わしながら、互いの技術と哲学を共有する時間) ドメーヌ・モンさんにて ドメーヌユイさんにて ドメーヌ・タカヒコさんにて 【写真:ワイナリー内でのテイスティングシーン】 ドメーヌ・モンさんにて ドメーヌユイさんにて ドメーヌ・タカヒコさんにて ワインという広く深い、その世界。 筆者自身も、今回の取材を通じ、これまでの日本ワインへの印象が明らかに変わりました。 おそらくわたしと変わらない温度で感動していたカナリア諸島の生産者ビニャティゴのメンバー。その表情をみて、日本人として、ただ嬉しくなってしまいました。 日本からこんな味わいが生まれて、世界のワイナリーから注目されていることに。 この出会いが、これからどんなふうな化学反応につながっていくのでしょうか。 ...
注目の醸造家エリアス・ロペス・モンテロが4月13日(月)来日します。ウルテリオール新作ペットナットの一般初披露と全7種、「コメドール・モンリコ」の料理が響き合う一夜限りの特別ディナー。
第16回スペインワインと食大学 「スペイン料理:アヒージョ」Vol.1 ~スペインにおいてのアヒージョとは。日本ならではのアヒージョ×しょうゆ、「黒アヒージョ」を深掘りする~ アヒージョにしょうゆを加えるとどうなるのでしょうか。 スペイン料理としてすっかり日本に定着したアヒージョ。その料理が、しょうゆという日本の食文化と出会ったとき、どのような可能性が生まれるのかを皆さんともっと深掘りしたい。 そんな問いから生まれた今回のスペインワインと食大学。当日は満席の参加者を迎え、おかげさまで大きな盛り上がりの中でイベントを終えることができました。 きっかけは、ご当地グルメとの出会い 昨年、「黒アヒージョ」コンテストの審査員としてお声かけいただいたことが、この料理との最初の出会いです。 オリーブオイルとにんにくで食材を煮込むスペイン生まれの料理、アヒージョに日本のしょうゆのニュアンスを重ねた一皿。千葉県では、新しいご当地グルメとして盛り上がっていると聞き、興味を惹かれました。 コンテストには、街のレストランからホテルまで、さまざまな料理人が参加。ジャンルもスペイン料理にとどまらず、中華やイタリアンなど、それぞれの解釈で「黒アヒージョ」をつくり、エントリーしていました。 そして最終審査。実際に味わったとき、思わず驚きました。 しょうゆの旨味が加わることで、どこか懐かしさを感じる味になる。けれど同時に、オリーブオイルのコクと重ることで、これまでにない新しい味わいが生まれているのです。 しかも、料理はとてもシンプル。だからこそ、食材の組み合わせ次第で表情が変わり、そこには無限の可能性が広がっています。 この料理は、アレンジという言葉では収まりきらない。 日本ならではの食文化として、もっと深く探ってみたい。 そう思ったことが、今回のイベントを企画する出発点でした。 黒アヒージョコンテストのレポート「黒アヒージョ:日本発、新たなご当地グルメの可能性」はこちら スペイン人講師が語る「本場のアヒージョ」 セミナー前半では、スペイン大使館からルベン・フェルナンデス氏によるアヒージョの解説からスタートしました。ルベン氏と、コンテストでご一緒したとき、「黒アヒージョ」に、とても興味をお持ちだったからです。 ルベン氏は、2009年から日本に在住し、日本の文化も理解しています。また料理にも長く関わっていた方。今回はとくに、生まれ育ったバルセロナでの経験を思い出してもらい、本場での視点を重点的にお話ししていただきました。 皆さんが真剣に耳を傾けていたのが印象的です。 スペイン大使館 ルベン・フェルナンデス氏 黒アヒージョの可能性 講座の後半では、私から黒アヒージョの可能性についてお話ししました。 アヒージョの材料はとてもシンプル。だからこそ、素材の質がそのまま味に表れますし、背景を知るとさらに見え方が変わります。 昨年のコンテストでも、千葉県の食材をふんだんに生かしたレシピが発表されています。肉を主役にした力強い一皿、魚介の旨味を引き出した繊細な一皿、野菜を主役にした優しい味わい、アヒージョと言われなければわからない見た目ながら、アヒージョの材料がしっかりと使われている一皿、など、その多様性と、アレンジの奥行きに、私は心から感激しました。 一流のミシュランシェフが手掛けることもできる一方で、「今夜の夕飯にしよう」と、ご家庭で気軽に作ることもできます。私たちの愛するしょうゆは、多彩な調味料。主役になったり、下味に使ったり、仕上げに使ったりできます。 今回の料理を担当したマドリッド出身のシェフ、フェリペ氏は、その点をとても大切にしていました。 シェフが提案した「黒アヒージョ」は、少し意外なスタイルで登場しました。それはまるでしゃぶしゃぶのように楽しむ一皿です。 まず、刺身用の天使の海老を用意。しょうゆは名産地として知られる千葉県産を選び、海老を軽く漬け込みます。 海老の頭は、にんにくをきかせたオイルで香ばしく焼き上げます。こうして旨味を引き出したオイルがこの料理のベースに。 最後は、熱々のオイルに海老をさっとくぐらせていただく。しゃぶしゃぶのように、自分の手で仕上げながら味わうスタイルです。 オリーブオイルやにんにくと同じように、しょうゆも料理の骨格をつくる大切な要素。見えない部分ですが、特別コースの前菜の下味にもしょうゆを使い、その他、なす、キャベツ、ネギも千葉県産を選んでいたそうです。 ごまかしのきかない料理だからこそ、素材の選択には細心の注意が払われていました。 乾杯とともに始まった食体験 講義が終わり、いよいよ実食です。この日は、本イベントを後援してくださったスペイン国営のインスティトゥト・セルバンテス東京館長ビクトル・アンドレスコ氏にもご参加いただきました。 (インスティトゥト・セルバンテス東京館長ビクトル・アンドレスコ氏:右)...
★【第三弾・10周年】 第17回スペインワインと食大学 第17回スペインワインと食大学~スペイン産オリーブオイルの世界を冒険しよう~ ・スペインワインと食大学とは “オトナの学び場”をテーマに、2016年春に開講したスペインワインと食大学は、おかげさまで今年10周年を迎えます。 “見て、聞いて、薫って、味わって、体感する”五感すべてでスペインワインと食文化に触れる学びの場として、ライブ感あふれる講義と多彩なテーマを重ねてまいりました。 前回1/31のスペインワインと食大学「スペイン産オリーブオイル」VOL.4の様子 ・初めての試み!第17回のテーマは、オリーブオイル生産者来日「オリーブオイルメーカーズディナー」 (オリーブオイルが主役ですが、素敵なスペインワインをご用意していますよ!) ★お申し込みはこちらからどうぞ アンダルシア産オリーブオイルが主役のメーカーズディナーをスペインワインと食協会 推奨レストランで開催 第17回目のテーマは、アンダルシア産オリーブオイルが主役のメーカーズディナーです。オリーブオイル生産者「ヴェルデ・ディビーノ社」イルデフォンソ氏の来日を記念し、日本未入荷のオリーブオイルと、日本の魚介料理とのスペシャルコースを堪能していただきます。 今回は、魚介に特化したスペインレストラン「マリスケリア ソル」さんで開催します。スペインワインと食協会 推奨レストランでもあります。これから知られていく特別なオイルと「日本の魚介」の意外な組み合わせを深掘りします。 前回2/22スペインワインと食大学の様子 最高の形で実現します。 スペインでもトップクラスのオリーブオイル生産地であるアンダルシア産エキストラバージン・オリーブオイル。多くの生産者が素晴らしいオイルを手掛けています。 なかでも今回の日本未入荷「ヴェルデ・ディビーノ社」のオイルは、すでに現地ではプロフェッショナルからも注目を浴びています。デザインは、あのイザベル・カベージョ氏。オリーブボトルのデザイナーとして業界でもトップクラスです。 スペインワインと食大学で人気シリーズの「オリーブオイル講座」を3回に渡り講師をしてくださっているバレンシア在住オリーブオイルソムリエ田川敬子さんも、太鼓判の味わいなのです。 敬子さんのオリーブオイルプロフェッショナルな仲間たちと現地を訪問されています。そのうちのお一人はすでにスイスに輸出し、スイスでも好評なオイルです。 ベルデ・ディビーノ社のオリーブ畑(撮影:田川敬子さん) 今回は、スペイン人講師のレクチャー、そして講師としても人気の田川敬子さんによる通訳とテイスティングという他にない貴重な内容です。ちなみに講師のイルデフォンソ氏は、来日は2度目。すでに4月の来日をとても楽しみにしてくださっています。 1/31スペインワインと食大学〜オリーブオイルソムリエ田川敬子さんが講師に レポートはこちら 【レポート】【1/31】第15回スペインワインと食大学 「スペイン産オリーブオイル」Vol.4 ・講師は、「ヴェルデ・ディビーノ社(Verdedivino)」イルデフォンソ・チャイチーオ・プラネット氏 マドリードのレイ・フアン・カルロス大学で経営学を専攻し、マーケティング、国際経営、そしてエクストラバージンオリーブオイル製品開発についても学ぶ。25年以上にわたり香水・化粧品事業、銀行、食品などの戦略的分野で管理・財務部門を率い、2024年8月よりベルデ・ディビーノの営業ディレクターに就任。以降、マドリード、バルセロナ、バレンシア、マルベーリャ、サン・セバスティアンなどの主要グルメショップでブランドを確立し、国外ではメキシコ、スイス、フランス、ドイツ、韓国などの重要市場への拡大を推進。現在、IFS FoodやISO規格などの国際的な食品安全認証の導入や新製品ラインの開発、新たな商業的展開の開拓などの指揮をとっている。...
【1/31】第15回スペインワインと食大学 「スペイン産オリーブオイル」Vol.4 ~オリーブオイルソムリエ 田川敬子さんとスペイン産オリーブオイルの世界を冒険しよう~ オリーブオイルが、食卓を変える。特別ペアリングイベント開催 スペインで昨年秋に搾油されたエキストラバージン・オリーブオイルと、八王子·多摩エリアで「知らない人はいない」と言われる老舗ブランドBASEL(バーゼル)豊田店で味わう特別なひととき。 23区から少し離れた豊田駅に降り立つと、空気がわずかにやわらぎます。いつもより長い移動時間そのものが、これから始まる体験の助走になるような、そんな感覚です。 今年で10周年を迎えた体験型イベント「スペインワインと食大学」の幕開けは、八王子を中心に多摩地区と湘南に展開するグループBASEL「豊田店」で開催しました。 スペイン・バレンシア在住のオリーブオイルソムリエ田川敬子さんを迎えての講座は今回で3回目。主催としての大学開催は、15回目という節目の回でもあります。 BASEL 豊田店 テラス席 ■ なぜ郊外で開催したのか これまで主に23区内で開催してきましたが、今回は初めて多摩地区。その理由は、豊田店に勤める秋山さんの存在がありました。 秋山さんは、これまでのスペインワインと食大学・オリーブオイルシリーズはもちろん、さらにスペインワインの生産者を招いた別企画にも何度も参加してくださっていた常連さま。“お客さま”として時間を共にしてきた方がこんなに大切にしている場所。ならば、きっと良い時間が生まれるはずだと考えました。 「今でもこの空間が大好きなんです」と、豊田店のことをおっしゃる秋山さんに感動し、「10周年の最初の回は、ぜひここでやりたい」そう感じたからです。 秋山さんが長くお勤めなのは知っていましたが、豊田店に23年も継続されていたことはこの時初めて知りました。50年以上にわたり、カフェ、ブラッセリーや洋菓子店として地域に愛され続けてきたBASELグループの中でも、豊田店が2番目に歴史ある人気店舗だということも。 この経緯を理解して、筆者の想いをあたたかく受け止め、後押ししてくださったのが豊田店スタッフの皆さまです。 BASEL 豊田店 入口に焼き菓子やケーキが並びます とはいえ、23区からは少し距離があります。正直なところ、大学としても初めてのことですから集客への不安がなかったわけではありません。しかし、実際に豊田店でランチをいただいて、心震える素敵な空間であることを筆者自身が実感してしまいました。 「この雰囲気なら、移動時間も含めて豊かな体験になる場所に間違いない。開催してみたい。」その思いを止めることができませんでした。 結果として16席はすぐに満席に。ニュースレター配信からすぐにお申し込みくださった皆さん、秋山さんと豊田店の皆さんがご来店の方にもイベントのお声かけをしてくださったおかげです。 ■ 昨年秋のオイルを味わうという体験 この日、講師がスペインからハンドキャリーでご用意くださったのは、2025年秋にスペイン現地で搾油されたばかりのオリーブオイルです。 青いトマトや若草を思わせる香り。フルーツやナッツを想像できる味わい。口に含んだ後、喉の奥に穏やかな辛味や刺激。この時期だからこそ体験できる希少な味わいです。 写真:12airs.主催 斎藤藍さん 講師は、毎回、スペインの最新のオリーブオイル事情を現地で撮影した画像や動画とともに紹介してくださいます。収穫の様子、搾油の現場、気候の変化、品種毎の出来栄え。どれも書籍や二次情報ではなかなか得ることがむずかしい、生きた一次情報です。 まさにスペインに暮らし、生産者と日常的に交流がある講師だからこそ伝えられる内容です。生産者から現場で直に聞き、一緒にオリーブ畑を歩いてきた講師。リアルに学び続け、これまでの知見も加えて、より分かりやすく翻訳された内容を教えてもらえるのですから。 オリーブオイルは農産物なので、イチゴやレタスと同じように、毎年ちがいがあります。そのちがいを知り、変化を味わい、理解を更新していく楽しさがあります。一度だってまったく同じ味わいがないのですから。 このような機会を積み重ねていくことが、まさに「オトナの豊かな学び」と言えるのではないでしょうか。 ...
輸入停止の現実と、4工場視察で見えた熟成の思想 本稿は、筆者が昨年、スペインを訪れ、4つの生産現場を取材した記録をあらためて総括するものです。 当時現地で見聞きしたことが、いま日本で起きている出来事と静かにつながっています。 熟成庫の扉が開いた瞬間、ガラッと空気が変わります。 甘く澄んだ香と静かな緊張感が漂うのです。自然に委ねているように見えて、実際のところ人が細部まで管理しています。 伝統とは、ありのままの自然ではなく、しっかりと設計されて続いていました。 昨年末、日本ではスペイン産生ハムの輸入が停止されました。理由や範囲の詳細は、農林水産省の公表資料をご確認ください。 → 農林水産省「スペインからの豚肉等の輸入一時停止措置について」 https://www.maff.go.jp/j/press/syouan/douei/251129.html 現地で見た風景と、日本市場の現実。その距離は小さくありません。だからこそ、いま改めて問う必要があります。ハモン・セラーノは、何によって支えられているのか。 昨年訪ねた4つの工場はいずれも、スペイン・ハモン・セラーノ協会(Consorcio del Jamón Serrano Español)規定のもとで生産しています。制度、管理、そして時間。ブランドの強度は、この三層で決まります。 スペイン・ハモン・セラーノ協会 https://spainwinefood.org/consorcio-del-jamon-serrano-1/ なぜ「ここ」でなければならないのか ハモン・セラーノは、豚もも肉と塩のみで仕上げられます。工程は厳格に定められ、検査も重ねられます。 自由度の少なさは制約であると同時に、品質の骨格となるのです。伝統食品”というより、制度でしっかりと守られたブランドと言えます。現場を歩くうち、その印象は強まりました。 3つの生産者と委託専業ハモン・セラーノ製造企業、それぞれの思想 ■Embutidos y Jamones España e Hijos, S.A.(エンブティードス イ ハモネス エスパーニャ)ハモン・セラーノ職人が生み出す味わい 香りが満ちるスライスルームと、職人の技と24時間稼働するパッキングライン → 詳細レポートはこちら ( https://spainwinefood.org/consorcio-del-jamon-serrano-2/) ■NOEL ALIMENTARIA(ノエル・アリメンタリア)|グローバルに拡大する家族企業 世界の食卓へ:スペインの魅力を届ける使命 → 詳細レポートはこちら (https://spainwinefood.org/consorcio-del-jamon-serrano-3/) ■COSTA BRAVA...
スペインから、今季のオリーブオイル「カシータス・デ・ウアルド」がまもなく届く時期となりました。 毎年、春の気配が感じられる季節になると、新モノのオリーブオイルの入荷を楽しみにしながら準備を進めています。 というのは、オリーブの味わいもまた、ブドウ、イチゴやキュウリなどと同じように、その年ごとに少しずつ味わいがちがうからです。 カシータス・デ・ウアルド:オリーブ畑の横にある畑のトマト すべてがまったく同じではない。だからこそ、一年をかけて育くまれ、現地で丁寧につくられた新しいロットが、今年はどのような香と味わい見せてくれるのか。最初にわかる瞬間は、少しの緊張と楽しみがあるのです。 カシータス・デ・ウアルド:オリーブ畑 一方で今年は、輸入をとり巻く環境にこれまで以上に大きな変化が生じています。 昨年より続く円安、世界的な物価上昇に加え、直近では中東情勢の影響により航空輸送にも大きな変動が出ています。航空会社からは航空貨物運賃(AIR FREIGHT)が従来の倍以上になるとの連絡を受けています。 できる限りこれまでの条件を維持できるよう努めてまいりましたが、現在の国際物流状況では難しく、今季入荷の新しいロットより新価格でのご案内をお願いすることとなりました。 私たちにとっても大変心苦しい決断ではあります。それでも変えたくなかったのは、中身そのものです。 昨年、料理の現場でつかってくださっているシェフの方から、こんな言葉をいただいたことがありました。 「最近は価格を抑えるために内容や品質が変わってしまうものも少なくないけれど、あなたが選ぶオイルはそういうことがない。ちゃんとつくられている。食べればわかる」派手なちがいではなくても、味わったときに確実に伝わるものがある。そう言っていただけたことが、強く印象に残っています。 カシータス・デ・ウアルド:オリーブ畑の中にある搾油所にて 世界情勢はもちろんですが、日本と同じく、スペインでも気候変動が心配される昨今です。それでも現地の生産者たちは、変わらず目の前のオリーブに真摯に向き合い、その年ごとの実りをベストな状態になるよう誠実に仕上げています。 味わいをごまかすなんて、もってのほか。無理に整えすぎるのではなく、自然に敬意を払って、コンセプトを守りながらも、その年の個性をきちんと残した味わいを大切にしてくれています。その積み重ねが、香りや味わいの奥行きにつながっているのだと思います。 カシータス・デ・ウアルド:搾りたてのエキストラバージン・オリーブオイル 今季からの価格改定をご案内した後にも、小売店様や料理人の方々からも、変わらずご注文をいただいております。 老舗のシェフからは、「あなたたちのオリーブオイルが好きなので、価格の高騰はやむを得ないです。まだよろしくお願いします」というお言葉もいただきました。 また「私たちの代わりに、現地に行ってみてきてくれたオイルだから信頼できるんです」とか、「これからも応援しています」などと、声をかけてくださる方々が少なくありませんでした。その言葉に励まされながら、今回も準備を進めています。 カシータス・デ・ウアルド:搾油所から出荷されるオイルの確認 そのため入荷前ですが、新価格となっても変わらず、すでにご予約分でほぼ完売しております。通販分としてなんとか確保した分は限られた数量となっております。 もちろん今季も緊急の追加発注も検討します。しかし現在、航空便だけでなく船便も遅れています。すでにカタルーニャ、ラ・マンチャとそれぞれこちらに向かっている船が、実際に東京に到着しないことには、次回入荷時期を明確にお約束できない状況です。 カシータス・デ・ウアルド:子どもから始める本物の味わい 毎日の食卓でつかうひとさじとしても、料理の仕上がりを支えるひと回しのオイルとしても。プロアマ問わず、できる限り今年も安心してお選びいただける一本をお届けできればと考えております。 来週は、メールマガジン読者の皆さまへ先行してご案内を予定しております。ご購入をご希望の方は、どうぞお早めにご覧いただけましたら幸いです。 カシータス・デ・ウアルド:オリーブ畑 「スペインワインと食」に関する情報を、日本とスペインから、イベントの告知も含めて発信してまいります。最新情報をいち早く知りたい方は、毎週金曜日に配信しているスペインワインと食協会のニュースレター「LOHASPAIN」をご活用いただけたら幸いです。無料購読はこちらから。 Tomoko Kato 加藤智子 Journalist (Spanish Food Culture & Wine)...
スペインから、日本へ。 これまでにないコンセプトをまとったオリーブオイル、その名も「Rock'n R'Olive(ロックンロリーブ)」が、いよいよ日本に上陸します。 その特徴は、味わいを音楽のジャンルで表現していること。 青いボトルは JAZZ。 赤いボトルは BLUES。 それぞれのオイルがもつ香りや余韻、口に広がる印象そのものを、音楽の個性に重ねて表現しています。 まるでひとつのレコードを選ぶように、その日の気分で一本を選ぶ。 そんな感覚を食卓にもたらしてくれるオイルです。 青はJAZZ。香りを奏でる一本 「Rock'n R'Olive(ロックンロリーブ)」の青ボトルJAZZにつかわれているのは、マイルドでやわなか個性をもつアルベキーナ種。 オリーブオイルの中でも、やわらかく繊細な味わいで知られる品種です。グリーンオリーブ、青リンゴ、青いアーモンドを思わせるフルーティーな香り。苦みはほとんどなく、わずかな辛みだけが心地よく残る。口当たりはなめらかで、とてもクリーンでフレッシュ。 まるでジャズが流れるように、繊細で軽やかに料理へ寄り添います。 白身魚、グリルチキン、フレッシュなチーズ、焼きたてのピザにひとまわしかけるるだけで、朝の一皿が特別になります。まるでJAZZの旋律のように、軽やかで洗練されたニュアンスが楽しめます。 赤はBLUES。深みを響かせる一本 「Rock'n R'Olive(ロックンロリーブ)」の赤ボトルBLUESにつかわれているのは スペインを代表する品種、ピクアル種。 青い葉や青いバナナ、そしてミントを感じさせる立体的な香り。第一印象から複雑でアロマティック、インテンスで濃厚です。余韻が長く続くのが特徴です。 ひと口で、料理の輪郭が変わる。卵やオリーブなど具材の多いサラダはもちろん、焼きたてのパンや肉料理、グリル野菜、お米料理に合わせると、その奥行きが際立ちます。 BLUESのように深く、余韻が残る一本です。 手がけるのはスペイン屈指の名門生産者 このシリーズを生み出しているのは、スペインでもトップクラスの生産者。 古都トレドに拠点を置く名門生産者、カサス・デ・ウアルド社です。 スペイン国内はもちろん、世界のさまざまなコンテストで最高評価を獲得するオイルも手がける実力派。その品質は世界市場で高く認められています。 確かな品質に、音楽という個性を重ね、デザインと物語が加わったスペシャルなエキストラバージン・オリーブオイルがこのシリーズです。 その背景については、別記事で詳しく紹介しています。 【生産者紹介記事はこちら】https://spainwinefood.org/hualdo/ オリーブオイルは、調味料からライフスタイルへ これまでオリーブオイルは「健康にいいもの」、「料理に使うもの」として選ばれることが多かったかもしれません。 でも「Rock'n R'Olive(ロックンロリーブ)」は違います。 流したい音楽が変わるように、装いのちがいを楽しむように、その日の気分でオイルを選ぶ。 今日はどんな音楽で料理する?そんな気分で選べるから。 食卓に音楽のような感性を持ち込む、新しい楽しみ方です。 気づいたらオイルを選ぶ時間まで、美しくなる。まさに、味わう音楽。 今日は軽やかなJAZZか、それとも奥深いBLUESか。 その日の料理、その日の気分、その日の空気で選ぶ。...
最高の人生を叶えるスペイン流レシピ
2月2日から、高品質スペインワインの国際見本市 Barcelona Wine Week がバルセロナで開催されます。そのBWWの舞台で、筆者が取り組む 「バルセロナ·ワイン·テスト(BWT)」 のプレゼンテーションを行うことになりました。テーマは、「消費者と専門家は、同じワインを好むのか」。2月2日17時より、消費者と専門家(1/26開催)を対象に実施した2つのワインコンクールの結果と、そこから得られたデータが示す“市場のリアル”を発表します。
サン・セバスティアンの人気レストラン〈Narru〉で味わう、料理とワインの調和。食後まで続く上質な美食体験をレポート。
先月「Spanish Lifestyle」でご紹介した「バルセロナワインテスト・アーバン2025」は、多くの皆さまのご協力のもと、無事に幕を閉じました。バルセロナ初の一般参加型ワインコンクールとなった本イベントには、150名の参加者が集い、200種類以上のワインをブラインドでテイスティング。会場は熱気に包まれ、ワイン文化の新たな可能性を象徴する場となりました。 バルセロナワインテストCEOのロジェール・グリフォイ・デクララをはじめ、「Spanish Lifestyle」でもおなじみのテクニカルディレクターのフアン・ムニョス先生、そして筆者自身もチームメンバーとして運営に携わり、約1年にわたり準備を重ねてきました。正直、これまでで最も忙しく大変な1年でした。しかし、若き審査員たちが「また来年も絶対に参加したい!」「ワインがもっと身近な飲み物になった!」と目を輝かせる姿を目にした瞬間、苦労はすべて報われたと感じました。 今回は、現地で紹介された内容を基に、イベントの模様を日本語でお届けします。 バルセロナ・ワインテスト・アーバン2025、大きな成功150名の若者が200種以上のワインをブラインドで体験!バルセロナ 11月7日金曜日、バルセロナのホテル・インターコンチネンタルにて、第1回となる「バルセロナワインテスト・アーバン2025(Barcelona Wine Test Urban 2025)」が開催されました。本イベントは、消費者が本当に好むワインを明らかにすることを目的に設計された、新しいスタイルのワインコンテストです。期待を大きく上回る結果となり、150名の参加者が集まり、さまざまな産地・スタイル・価格帯の200種類以上のワインをブラインドで評価しました。 この呼びかけには特に若い層を中心とした多様な参加者が集まり、来場者は男性55%、女性45%という構成。ワイン愛好家や、新しい銘柄を発見したいと願う一般のワインファンが多数参加しました。応募希望者が定員を大きく上回り、多くの方の参加をお断りせざるを得ないほどでした。これは、テイスティング体験型イベントへの関心の高まりと、消費者の声を重視するワイン業界の新たな動きを象徴しています。 試飲セッションでは、各参加者に15杯のワインがラウンド形式で提供されました。ワインごとに、参加者はボトルのQRコードを読み取り、スマートフォン上の簡易テイスティングシートで「香り」「味わい」「バランス」「好感度」を評価します。ブランド名や原産地、価格は一切知らせず、参加者は独立した秩序ある環境で、完全にブラインドの評価を行いました。 「アマチュアの参加者が15種類ものワインを評価するという挑戦には、少し不安もありましたが、結果はまさに“満点”でした」と、本大会のチームメンバーでありソムリエ養成講師でもあるフアン・ムニョス氏は語ります。「参加者たちは、一つひとつのワインをしっかり味わい、比較し評価していました。その姿は本当に模範的で、頼もしく感じました。」 一方、同チームのロジェール・グリフォイ・デクララ氏は、この規模のテストにおける技術的挑戦について次のように述べています。「初回ということもあり、技術面と物流面の完璧な運営を優先するため、出品ワインを200本に限定しました。評価はすべてリアルタイムでスマートフォンから行われるため、数十件の同時投票には大きな技術的負荷がかかります。まずは体験の質を確実に保証することを最優先にしました。その結果、すべてが完璧に機能しました。」 事前の参加者インタビューでは、多くの若者が「ワインは遠い存在」と感じていることが分かりました。しかし、今回のような動的で参加型、さらにガイド付きのテイスティング体験を通じて、ワインに親しみを感じるきっかけになったことが確認されました。これは、新しい世代との接点を模索するワイン業界にとって、大変意義のある成果と言えます。 テイスティング後には、コンテストに出品した一部のワイナリーの代表者が参加するショールームが開かれ、参加者が生産者と直接会話しながらワインを再度試飲する交流の場となりました。この空間は、造り手と消費者が出会い、品種や地域、スタイル、トレンドについて自由に語り合える貴重な場となりました。 第1回大会の成功により、「バルセロナワインテスト・アーバン2025」は、従来のコンテストに代わる新しいモデルとして、革新的な一歩を踏み出しました。消費者の意見を中心に据えたハイブリッドな試みとして、「味わう」「学ぶ」「共有する」という体験を通じて、人々をつなぐ新しいワイン文化の形を提示したことも、大きな成果です。 主催者は今後、消費者による総合評価と、来場者が最も高く評価したワインの最終ランキングを発表する予定です。また、審査結果や受賞ワインの詳細は、来年2月に開催される「バルセロナワインウィーク(Barcelona Wine Week)」で発表されます。 さらに、次回はプロフェッショナル部門「バルセロナワインテスト・プロフェッショナル2026」が、2026年1月27日にバルセロナで開催されます。こちらは、バイヤー、ソムリエ、ジャーナリスト、ワインコミュニケーターなど業界の専門家が集い、100点満点方式のブラインド・テイスティングを実施。参加ワイナリーにはメダルおよび品質認証が授与される予定です。 最後に 「バルセロナワインテスト・アーバン」を通じて、若い世代がワインに触れ、味わい、学び、共有する場が生まれたことを実感しました。この試みは、次世代の嗜好や考え方を尊重しながら、ワイン文化を新たな形で広げていく可能性を示しています。ワイン業界にとっても、若い世代との接点を深める貴重な機会となりました。 「バルセロナワインテスト・アーバン」は、次世代にワイン文化を継承し、業界全体を活性化するプラットフォームとしての役割を掲げています。参加者と造り手、地域社会をつなぐ架け橋として、ワインを通じた新しい体験の場を創出することを目指しています。来年はさらに国際的な広がりも視野に入れ、より多くの皆さまに感動的で楽しい体験をお届けできるよう、準備を丁寧に重ねてまいります。 【関連記事】バルセロナ発ワインコンクール ― バルセロナワインテスト (Barcelona Wine Test)【2/2 BWW発表】消費者は専門家と同じワインを選ぶのか? バルセロナワインテストが明かす真実【バルセロナワインテスト・アーバン2025 メディア掲載まとめ事】・VineturEl Barcelona Wine Test Urban 2025 reúne a 150 jóvenes en una cata a ciegas de más...
カタルーニャ州バルセロナで、全く新しいワインコンクール「バルセロナワインテスト(Barcelona Wine Test)」が誕生しました。 近年、世界的に若者のアルコール消費は変化していますが、地中海諸国ではワインは昔から人々の暮らしに寄り添う特別な存在。食卓を彩り、人と人との絆をつなぐひとときを育んできました。バルセロナワインテストは、このワイン文化の魅力と価値を未来につなぎ、次世代に受け継ぐため、ワインを楽しむ文化の継承と業界全体の発展を目指す有志が集結して誕生しました。 バルセロナが舞台の理由 バルセロナはワインとトレンドが息づく街であり、国際的にも高く評価されています。ここでは伝統、ガストロノミー、観光、そして地中海文化が調和し、革新と創造性が自然に共存しています。さらに、スペインワインの国際見本市として、年々その存在感を高める「Barcelona Wine Week(BWW)」も、バルセロナをワインの都市として後押ししています。 そのバルセロナから、新しいワインコンクールが誕生しました。生産者、コミュニケーション、マーケティング、テクノロジーのプロフェッショナル、そしてソムリエで教育者でもあるフアン・ムニョス先生と、筆者自身を含む多様なメンバーが力を合わせて立ち上げた―「バルセロナワインテスト(Barcelona Wine Test)」です。このコンクールは、単にワインを評価する場ではありません。生産者を応援し、業界を盛り上げ、そしてワインの未来をともに築いていく―そんな新しい挑戦の舞台です。バルセロナから始まるこの試みが、次世代へとその価値をつなぐ小さな一歩となることを願っています。 バルセロナワインテスト ― 2つの国際コンクール 1. バルセロナワインテスト・アーバン 2025(ワイン&ワイン由来部門)2025年11月7日開催 バルセロナの消費者と感度の高い若者が審査する、世界初のブラインドテイスティング形式ワインコンクール。 コンクール当日、Showroomで、消費者と業界関係者に直接PR 受賞ワインは「Barcelona Wine Week 2026」で国際発表 バルセロナの厳選したワイン専門店で試飲販売プロモーション(Barceloma Wine WeekのLike the cityの一貫として) 長期サポートでブランド価値を持続(オプション) 2.バルセロナワインテスト・プロフェッショナル2026(ワイン&ワイン由来部門)2026年1月26日開催 世界的に活躍する一流ソムリエやバイヤー、ワインジャーナリストによる厳正なブラインドテイスティングで、ワインの品質と市場での競争力を客観的に分析。 メダル受賞は品質と信頼性の証となり、輸出や販路開拓の戦略的機会を提供 バルセロナという国際ブランドの影響力により、受賞ワインは欧州および世界市場で高い注目を獲得 専門家による評価データを体系的にまとめた詳細レポートが、戦略立案やブランド価値向上の重要な指針に 販売・輸出支援やコンサルティングを含むサポートプログラム(オプション) 最後に 今日ご紹介したバルセロナ初のワインコンクール、「バルセロナワインテスト」は、“Spanish Lifestyle”のコンセプトを表現する場でもあります。ワインの未来を見つめ、造り手と飲み手、業界と消費者、そして地域社会と世界をつなぐ架け橋となることを目指しています。このコンクールを通じて、参加者一人ひとりが互いの文化や価値観に触れ合い、新しい発見や学びを得ることができます。また、受賞ワインは専門店や国際市場での販路拡大、輸出の機会へとつながるなど、産業としての成長も後押しします。バルセロナワインテストは、単なるワインコンクールではなく、業界全体を盛り上げ、次世代にワイン文化をに継承していくためのプラットフォームなのです。バルセロナは、多様な文化を受け入れ、創造性を育む土壌を持つ街。ここでは、日本文化や日本食が長年にわたり高い人気を得ており、それに伴い、日本酒やジャパニーズウイスキー、さらには日本ワインへの関心も高まっています。 日本でワインを造る皆さまにも、ぜひこの輪に加わっていただき、ともに未来のワイン文化を育んでいければ、これ以上の喜びはありません。 Barcelona Wine Test バルセロナワインテストBarcelona Wine Test Web サイト@bcnwinetest Barcelona Wine Testについてのお問合せはこちらから...
ガリシア州オウレンセ県、ポルトガル国境に広がるD.O.モンテレイは、ガリシアで最も小さく、そして最も若い原産地呼称です。タメガ川とドウロ川流域という特異な気候条件が生む多彩なブドウ品種と、世代を超えて受け継がれる伝統が、モンテレイのワインに独自の個性を与えています。いま注目されるゴデーリョやメンシアはもちろん、パロミノやドーニャ・ブランカを使ったブレンドにも、この土地ならではの奥深い味わいが息づいています。
【文】フアン・ムニョス 【構成・訳・収穫レポート・写真】原田郁美 今回の Spanish Lifestyle では、35年以上にわたりスペインワインの第一線で活躍し、トップソムリエとして、また教育者として多くのプロフェッショナルを育ててきたフアン先生による「プリオラートのワイン」をご紹介します。収穫で活気に満ちる現地から、今年のブドウの出来や生産者の声も交えてお届けします。どうぞ記事を通して、プリオラートを感じていただければ幸いです。 目次 ※目次の各項目をクリック(またはタップ)すると、該当する本文のセクションへジャンプします。 1.修道院の歴史と、ミネラルが息づく大地 ― DOCaプリオラート 2.2025年、プリオラートの収穫について 1.修道院の歴史と、ミネラルが息づく大地 ― DOCaプリオラート ワインの”ミネラル感”をめぐる論争 プリオラートのスレート土壌「リコレリャ」 「ミネラリーなワイン」と呼ばれるものについては、常に議論がつきまといます。存在そのものを疑問視する人もいれば、むしろ大きな影響を与える要素だと考える人もいる。実際のところ、ワインのミネラリティを捉えるのは容易ではありません。 もっとも分かりやすい例としては、以下のようなものが挙げられます。 石灰質土壌(アルバリサ、チョーク、白い砂利など):塩味や旨味(サピディティ) 火打石や花崗岩:スモーキーさと塩味的ミネラル感 火山性土壌:酸味や灰、ゴムのようなニュアンス スレート(リコレリャ):鉄分を含んだ乾いた石の印象 こうした要素を手がかりに「ワインのミネラル感」を語り始めるわけですが、もちろんそこに気候や標高の影響が加わります。 修道院の文化と、山のブドウ畑が育む個性 プリオラートはまさに「山のワイン」の産地。大陸性気候の厳しさとリコレリャ(スレート)の存在が、その大きな特徴を形づくっています。急斜面の畑、段々畑(コステルス)で育つブドウは手間がかかりますが、1990年代に「クロス」と呼ばれるプロジェクトを立ち上げた先駆者たちのおかげで地域は再び脚光を浴びました。若い世代は自らの土地を信じ、親の畑を守りながら、世界最高峰のワインと肩を並べる銘酒を生み出すようになったのです。 エスカラデイ修道院跡 修道院文化に端を発する小さなワイン産地プリオラートは、どこかルネサンス的な精神をも宿しています。多様なクローンのガルナッチャや、1902年以前に植えられた古木のカリニェナが残され、1940年代にはベルムントの鉱山で働いていたアンダルシア移民が持ち込んだペドロ・ヒメネスも定着しました。これらは地元のガルナッチャ・ブランカとともに、個性豊かな白ワインを生み出しています。それは、過剰なトロピカル香やハーブ香に寄りがちな新世界ワインとは一線を画す、「本物のワイン」といえるでしょう。 世界が認めた銘醸地 世界的に認められたDOCaプリオラートは、特にアメリカ市場で高く評価されたため、価格も上昇しています。フランスやアメリカのワインが1,000ユーロ、2,000ユーロ、あるいは3,000ユーロを超えるのなら、スペインのワインも同様に市場が評価する価格をつけて然るべきです。 とはいえ、プリオラートは小さな産地。むやみに拡大することなく、品質と価格のバランスを保ち続けることが重要です。 プリオラートのワイン――DOQ全域のワインから村名ワイン(Vi de Vila)、区画ワイン(Paratge)、単一畑の格付けワイン(Gran Vinya Classificada、グラン・クリュに相当)まで――はいずれも唯一無二の存在です。そこに込められているのは歴史、個性、そして厳しい大陸性気候やエブロ川流域の自然条件、さらにはミストラルの風がもたらす恩恵といった背景です。 現代のプリオラートを形づくったのは、アルバロ・パラシオス、ダフネ・グロリアン、ペレス家(サラ・ペレスと両親)、ルネ・バルビエ、カルレス・パストラナ、フェルナンド・グラシアらの先駆者たち。その後もフェレール=ボベ、トーレス、ペレラーダ、そして、ワイン評論家からも「気鋭の造り手」と称されるロジェール・グリフォイ・デクララをはじめ、新しい世代の造り手たちが次々と登場し、それぞれの個性と高い品質を追求したワインを生み出しています。 結局のところ、ワインを選ぶ基準は「産地」「品質」「個性」です。プリオラートのワインを選ぶということは、歴史と独自性、そして品質を選ぶことにほかなりません。 「歴史と個性、品質を飲む。それとも凡庸さとブランドを飲むか。選ぶのは自由であり、それぞれが尊重されるべきものです。」 ―Salud, Priorat…そしてもちろんMucho Amor.フアン・ムニョス – あなたのソムリエ Juan Muñoz フアン・ムニョスMaster Sommelier ワイン、飲料、グルメ食材の国際的な権威。スペイン、ラテンアメリカにソムリエ協会を設立し、各国の名門大学で教育に携わる。現在、アカデミー・オブ・サムリエ(ASMSE)会長兼、El Corte Inglésの専門学院で教鞭をとる。14冊の専門書を発表、「フランス農事功労賞」を授与されたスペイン唯一のソムリエ。カタルーニャ最優秀ソムリエ(1987年)、スペイン最優秀ソムリエ(1993年)、欧州最優秀ワイン・美食コミュニケーター(2007年、ロンドン)など、受賞歴多数。ブラジル世界大会ファイナリスト(1992年)。スペイン、メキシコ、アルゼンチン、ウルグアイなどでソムリエ育成を先駆け、世界のワイン文化発展に貢献している。 @juanmunozramos 2. 2025年、プリオラートの収穫について 2022年から3年にわたり続いた干ばつ。2024年は、エル・ヨアール村で発生した山火事の際、村の貯水ダムが干上がっていたため消火が遅れ、ブドウ畑が炎にさらされるという痛ましい出来事もありました。さらに、土地に根を張り続けてきた古木のカリニェナが枯死したニュースは、多くの人々に衝撃を与えました。では2025年は、どのような年となったのでしょうか。プリオラートのエル・モラール村で1736年からブドウ栽培を営む、ファミリーワイナリー「グリフォイ・デクララ」のオーナー兼醸造家、ロジェール・グリフォイ・デクララ氏に話を聞きました。昨年は干ばつの影響で75〜80%もの収量減に見舞われましたが、2025年は通常の80%まで回復。病害もなく、健全なブドウが育ちました。ただし、3年間の極端な干ばつの影響もあり、今年は「畑にどれだけ真摯に向き合ってきたか」で収量や品質に大きな差が出た年でもあるといえます。...
バルセロナに根づく日本食文化 スペインの中でも特に日本食人気が高いのは、国際的な港町バルセロナです。寿司はもちろん、ラーメンも若い世代なら誰もが知る日本食となりました。2005年に筆者がバルセロナに留学していた頃も、すでに意識の高い人たちの間では日本食ブームが起きていました。当時ベルギー人のクラスメイトが連れていってくれた回転寿司店では、マグロやサーモンの寿司と、餃子だけが回っていて、ショックを受けたのを今でも覚えています。その当時大半の日本食店は、中国人が経営していました。その後、日本好きのグルメなラトビア人の友人に連れて行ってもらったのが「Shunka(旬香)」。2001年に松久秀樹シェフがオープンした店で、当時の和食店とは一線を画す存在でした。 スペインで最も有名な日本人シェフ 松久秀樹シェフ 松久シェフは1972年愛知県豊田市生まれ。寿司職人である父のもとで育ち、1997年にスペインに渡ります。地中海食材の多様さと質に魅了され、日本の伝統技法との融合を目指しました。2009年には「Koy Shunka」をオープン。カウンターを囲むオープンキッチンという当時まだ珍しいスタイルと、松久シェフが手掛ける緻密で本格的な日本料理が大きな話題を呼び、国内外のセレブリティたちも訪れる人気店となりました。2012年、スペインで初めて日本人シェフとしてミシュラン一つ星を獲得。筆者は2016年に「Koy Shunka」を訪れましたが、その頃には、松久シェフは、テレビCMや料理番組にも登場するスターシェフでした。現在はバルセロナに4店舗、スペイン国内に6店舗を展開し、約90人のスタッフを率いる経営者としても注目の存在です。 バルセロナの街に捧げる「IKOYA」 2021年、パンデミックの最中にオープンしたのが「IKOYA」です。松久シェフはこの店についてこう語ります。「これは、自分自身とバルセロナへの贈り物です。30年近く料理をしてきた、この街との関係への感謝の気持ちを込めて。」 シェフが、東京で親しんだ居酒屋文化を、バルセロナに再現したのが「IKOYA」です。賑やかさと煙、日本酒や焼酎が飛び交うカウンターに、精緻な日本料理がカジュアルで楽しい表情を見せる。天井が高く、広く開放的な店内には、炭火焼きのカウンターが象徴的に設えられ、特注の鱈のランプやアートが、日本的な雰囲気をまとった未来感のあるモダンな世界観を作り上げています。立地は、サンタ・カテリーナ市場の向かい、カテドラルからもほど近い便利な場所。バルセロナの街並みに自然に溶け込む居酒屋です。 一皿から伝わる松久シェフの哲学 最初に供されたのは、枝豆の炭火焼き。居酒屋の定番ともいえる枝豆が、ここではガストロノミックな一皿として登場します。 刺身や握り、細巻き、ラーメン、肉や魚の炉端焼き…。どの料理からも、新鮮な素材の確かさと丁寧な仕事ぶりが伝わってきます。さらに、日本の居酒屋料理にガストロノミックなひねりを加えた、やや濃いめの味付けが、現地のお客さんの胃袋をしっかりつかむことに深く共感しました。お酒やワインも進み、店内はいつの間にか活気にあふれていました。 日本ならではの持ち味を存分に活かしつつ、スペイン人の好みにも寄り添いながら、居酒屋らしく、ワイワイとカジュアルに、シェアして楽しめるのが、「IKOYA」の大きな魅力だと感じました。 そして料理を引き立てるのは、44種類におよぶ職人仕込みの日本酒のセレクションです。 「ゲストを喜ばせるための料理でなければ意味がない」松久シェフの信念が、一皿一皿に込められています。 バルセロナで広がる「IZAKAYA」 和食の伝統を礎にしながらも、こだわりを押し付けるのではなく、現地の人々の心に響く料理を生み出す。その結果「IKOYA」は、バルセロナの人々に愛され、日本人にとっても新鮮な発見をもたらす唯一無二の居酒屋となりました。 近年、スペインの美食家の間で「OMAKASE」という言葉が浸透したように、いま「IZAKAYA」という日本語が「IKOYA」を通じてバルセロナに広がりつつあります。地中海の恵みと日本料理が交わる場所から、新しい食文化が芽吹いているのです。ーーーーーーIKOYA📍 Av. Francesc Cambó, 23, BarcelonaWeb:https://ikoyaizakaya.com/Instagram:@ikoyaizakaya Ikumi Harada 原田郁美Journalist & Creative Director スペインワインとガストロノミー専門ジャーナリスト。大学卒業後、広告代理店でデザイナーとして、クリエイティブな視点と戦略的思考を培う。2005年から留学を機にスペイン食文化に魅了され、その研究に人生を捧げる。2009年から日本・アジア市場でスペインワインの輸出とプロモーションに従事。2011年に「スペインワインと食協会(AGE)」を創設し、クリエイティブディレクションや執筆を通じてスペイン食文化の普及と市場拡大に寄与している。2012年、プリオラートでワイン造りを始め、2024年に自らの初ヴィンテージをリリース。2025年より、フアン・ムニョス氏と共同企画「Spanish Lifestyle」連載開始。WSET® Level 3, Spanish Wine Specialist(ICEX認定)。山口県出身。 @ikumiharada Juan Muñoz フアン・ムニョスMaster Sommelier ワイン、飲料、グルメ食材の国際的な権威。スペイン、ラテンアメリカにソムリエ協会を設立し、各国の名門大学で教育に携わる。現在、アカデミー・オブ・サムリエ(ASMSE)会長兼、El Corte Inglésの専門学院で教鞭をとる。14冊の専門書を発表、「フランス農事功労賞」を授与されたスペイン唯一のソムリエ。カタルーニャ最優秀ソムリエ(1987年)、スペイン最優秀ソムリエ(1993年)、欧州最優秀ワイン・美食コミュニケーター(2007年、ロンドン)など、受賞歴多数。ブラジル世界大会ファイナリスト(1992年)。スペイン、メキシコ、アルゼンチン、ウルグアイなどでソムリエ育成を先駆け、世界のワイン文化発展に貢献している。 @juanmunozramos
「Cadaqués(カダケス)」は、バルセロナとマドリード、どちらの店舗も都会にありながら、まるで本物のカダケスの町を訪れたような、地中海の自然を感じられるゆったりとした空間です。 薪火の香りに包まれながら、こだわり旬の素材を味わう─そんなしあわせなひとときを提供してくれるレストラン。 カタルーニャ北東部、まるで絵本から抜け出したような美しい町「カダケス」の風景や文化の豊かさ、そして、薪火パエリアの美味しさに触れたい方は、ぜひ一度足を運んでいただきたいレストランです。
心も体も自然もハッピーに。ロハスペイン厳選グロッサリー