Esencia – 本質をめぐる旅【Chapter.1】──ハティバの街を歩く プロローグ:歴史が息づく、美しい街への招待
Esencia – 本質をめぐる旅【Chapter.1】──ハティバの街を歩く プロローグ:歴史が息づく、美しい街への招待
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本質を巡る旅
Esencia – 本質をめぐる旅【Chapter.1】──ハティバの街を歩く プロローグ:歴史が息づく、美しい街への招待
スペイン・トレドの田舎町に、知る人ぞ知るレストランがあります。地元の人々に愛され、遠くからの訪問者をも魅了する、その店。派手な看板はもちろん、華やかな装飾もありません。けれど、ここには確かな料理と、シェフやスタッフたちの情熱があるのです。 わたしがこの店を知ったのは、トレドを訪問した際にマンチェゴチーズの生産者が連れて行ってくれたからです。「自慢のマンチェゴでつくられていて、すごい賞を受賞したスイーツがあるよ」と。車でオリーブ畑が広がる大自然を抜けて、トレドの田舎道を進んでいきます。緩やかな丘陵地帯を抜け、素朴な風景の中にぽつんと現れたのは、一軒のレストランです。
スペイン、カスティーリャ・ラ・マンチャ州の中心に広がる歴史と文化の宝庫、トレド(Toledo)。そこは、歴史の中でキリスト教、イスラム教、ユダヤ教が交錯し、独特の文化を育んできた場所です。古い街並みが残るトレドの丘の上に立てば、まるで時空を超えた旅に出たかのような感覚に包まれることでしょう。そんなトレドへの訪問は、私にとって予想外のギフトのようなものだったのです。 2024年11月。その日は朝から、わたしはカスティーリャ・ラ・マンチャ地方の広大な農園を訪れていました。オリーブ畑や搾油所をまわり、地元の豊かな恵みを味わいながら生産者たちと深い話をしていました。会食では想像以上にクオリティが高く、プレゼンテーションも素敵なレストランだったことや、オリーブオイルの専門家としてスペインで活躍する方がわざわざ駆けつけてくださって、時間は思ったよりも早く過ぎていきます。ですがそのとき生産者が、こう言ってくれたのです。 「少しの時間でも構わない。トレドの景色を智子に見せたい。」 その言葉に込められた温かさと優しさに、わたしは胸が熱くなりました。そしてオリーブオイルの専門家と生産者が考えて選んでくれたのが、トレドの街を一望できる「パラドール・デ・トレド(Parador de Toledo)」。 パラドールとは、スペイン各地の歴史的建築物などに建てられた国営ホテル。もともとは古い城や修道院などの建物を改装して利用しているので、スペインの伝統と歴史を感じられる空間です。しかもここはただの宿泊施設ではありません。その土地の物語に触れるための、まさに「文化の扉」のような存在なのです。トレド市街の喧騒から少し離れたこの場所は、訪問者にこの街の全景をプレゼントしてくれるような絶好のスポットでした。 夕方、限られた時間の中、私たちはパラドールのカフェへと駆け込みました。ここにはオリジナルのカフェ・コン・レチェ(スペイン風カフェオレ)があり、迷わずオーダー。濃厚で滑らかなその一杯は、トレドの夕暮れとともに、わたしの心に染み渡る味でした。丘の向こうに広がる空と建物。カテドラル(Catedral)やアルカサル(Alcázar)その風景を眺めながら、大好きで尊敬している生産者と専門家たちとの温かなコーヒーの香りに包まれるひととき。それはまるで時が止まったようでした。 時間がタイトだったからこそ、出会えた奇跡のような光景がありました。赤茶色の屋根が広がるトレドの街並みが、夕陽に照らされて黄金色に輝きはじめたのです。その景色が刻一刻とうつろい、やがて空は薄紫から濃紺へと染まっていきました。そしてトレドの街がライトアップされると、闇の中に浮かび上がる幻想的な姿が現れました。その美しいグラデーションに息を呑む瞬間、わたしたちは言葉を失い、ただその景色を見つめ続けました。 (暗くなるときの美しいグラデーションは動画で撮影しました。インスタでご紹介しますね。写真がないのは、撮っておくことを忘れてしまうほどの景色だったからです。苦笑) 帰る際に気づいたのは、パラドールのホールの素晴らしさです。トレドが生んだ巨匠エル・グレコの作品のレプリカが飾られており、この街が長い歴史の中で育んできた芸術と文化の深さを感じさせてくれるのです。今回、トレドをゆっくり歩く時間はなかったけれど、この場所から眺めた景色には、この街のすべてが凝縮されているように思えました。 はじめて訪れたトレド。地元の人々の優しさに導かれ、夕暮れから夜へと移り変わる瞬間に立ち会えたこと。それは旅のハイライトとなり、ずっと心に残る思い出となりました。次回訪れるときには、この街の小さな石畳の道を歩いてみたいです。 最後の2枚は、トレドの駅の写真。 --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- Tomoko KatoEditor-in-chief 福岡県出身のフードジャーナリスト、インポーター。1997年からシェフやワイン販売などの経験を積み、調理師免許を取得。青山の老舗レストランではワインのトップセールスとして活躍し、その後リストランテ「アクアパッツァ」にて広報・PRを担当。2009年、スペイン産オリーブオイルに一目惚れして「LA PASION」を立ち上げ、今年で16年目を迎えるインポーターとして多くの顧客に恵まれている。2011年には「スペインワインと食協会」を設立し、30回以上のプロモーションを手がける。スペイン・アンダルシア州政府から、世界一のオリーブオイル展示会にプレスとして正式招聘され、取材・執筆を担当。特に「スペインワインと食大学」は告知と同時に満席になる人気講座として好評を博している。現在はWebマガジン「LOHASPAIN」の編集長として、スペイン食文化やワインの魅力を国内外に発信中。
Spanish Lifestyle【Recipe.2】
第二弾では、スペインが誇るスパークリングワイン、CAVAに焦点を当てます。朝から晩まで様々なシーンで寄り添うCAVAの魅力や、特別な瞬間をより華やかに演出するおすすめの一本について、スペインワインとガストロノミーに関する14冊の著書を持つ第一人者、フアン・ムニョス先生にお話を伺いました。
スペイン流「幸福と長寿」のヒント
「Esencia – 海の向こうの、日常の少し先にある場所」 旅とは、計画された非日常ではなく、日常の延長にふと現れるもの。この連載「Esencia(エセンシア)」は、「スペインの紀行文をまとめて読めるようにして欲しい」というひとりの読者の声がきっかけで生まれました。私自身が仕事で年に数回だけ訪れるスペインの街や村を舞台に、“ほんの少し先のリアル”をすくい取って綴ります。 この連載では、スペインという国の「生活」に触れながら、「楽しく、豊かに生きるとは何か?」というテーマをゆるやかに問いかけていけたらと考えています。都市と地方、伝統と革新、偶然と選択。そのあわいにあるものが、「スペイン食文化」の豊かさであり、ラグジュアリーの本質なのかもしれません。 「Esencia」は、スペイン語で「本質」や「香り」を意味する言葉。オリーブ畑で感じた風、グラスの縁に残ったオレンジピールの香り、シェフの手に刻まれた時間。いつかあなたがその土地を訪れるとき、この連載で描いた風景が、そっと背中を押してくれるような存在になればと願っています。
日頃から、オンラインショップLOHASPAIN「Store」をご愛顧いただき誠にありがとうございます。 誠に勝手ながら、4月17日(木)~5月6日(火)までスペイン出張とゴールデンウィーク休業のため、不在とさせていただきます。 オンラインショップの配送も臨時休業となります。4/16(水)以降にご注文を頂きましたお客様には大変申し訳ございませんが、5月7日(水)以降の発送となります。 ・休業期間:4月17日(木)〜5月6日(火) ・営業開始日:5月7日(水) *休業期間中は電話受付もすべて休止いたします。 トップ画とともに、昨年11月に訪問したマドリッド・サラマンカ地区にあるMallorca 休業期間中に頂きましたお問い合わせにつきましては、5月7日(水)以降に、順次行ってまいります。ご返答までに少しお時間をいただく場合がございますことを予めご了承下さい。 ご迷惑をお掛け致しますが、何卒ご理解を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。 LOHASPAIN 加藤智子
スペイン・アルマグロの名門農園から、待望のオリーブオイルが届きます。 世界のコンテストで8年連続トップ受賞。星付きレストランのシェフたちも愛用する、まさに"本物の一滴"。 その香りの豊かさ、奥行きのある味わいは、まさに"飲む香水"。バゲットやサラダにひとさじ垂らせば、その違いは一口でわかります。 この特別なオイルを、空輸&数量限定でお届けします。 さらに第二弾として今回は、5日間の早期予約期間限定で、特別価格をご用意しました。 世界が認めたオイルを、最高の鮮度で味わうチャンス。 この機会を、どうぞお見逃しなく。
最高の人生を叶えるスペイン流レシピ
スペインをはじめ、ヨーロッパや日本の多くのぶどう畑を訪ねてきましたが、なかでも心を揺さぶられたのが、カナリア諸島の畑です。ランサローテ島の、月面のクレーターを思わせる特別な仕立て「オヨス(Hoyos)」や、テネリフェ島の三つ編み仕立て「コルドン・トレンサード」も度肝を抜かれました。そして、なにより忘れがたいのが、テネリフェ島北部、アナガ山塊に位置する1ha以下の小さな単一畑「マイペ・デ・タガナナ」です。 マイペは標高約350m、1100万年前に形成された島最古の土壌に根を張る畑で、樹齢120年以上の自根のリスタン・ブランコ(Listán Blanco)が、赤色玄武岩を含む粘土質の土地で力強く生き続けています。幾たびの山崩れに押しつぶされそうになりながらも、無数の石の下で必死に命をつなぎ続けた――そんな健気な古樹たちが、今もなお静かにこの地に根を張っています。 湿ったツタ植物に覆われた急峻な山道を、幾度もカーブを越えながら数十分。ようやくたどり着いた畑、マイペで目にしたのは、苛酷な環境に屈せず育つブドウの姿でした。その生命力に、ただただ圧倒されました。 この特別な畑から生まれるのが、MAIPÉ DE TAGANANA 2023(マイペ・デ・タガナナ) BODEGAS VIÑÁTIGO(ボデガス・ビニャティコ゚) 生産本数1444本です。(輸入元 Sara Corporation様) フアン先生オススメのワイン ぶどう・土壌・気候、そして品質を語る一本 このワインは、カナリア諸島の特異なテロワールを映し出す、非常に個性的な一本です。リスタン・ブランコは、ラテンアメリカやアメリカの一部で「クリオージャ・ブランカ」「パイス」「ミシオン」とも呼ばれ、近年再評価が進んでいる土着品種。その起源はスペイン南部にあるとされますが、特にテネリフェ島の「イコデ・ロス・ビノス」などで長く育まれてきました。 このワインに使われるブドウは、玄武岩や火成岩を含む岩盤斜面に育ち、旨みとともにミネラル感をもたらします。発酵、熟成は6ヶ月間アンフォラで行い、さらにフレンチオークで6か月間熟成。フレッシュで伸びやかな酸と、樽由来のほのかなクリーミーさが調和し、火山性土壌ならではのミネラルが余韻に広がります。果実のアロマに加え、火山灰やラピリ(火山礫)、乾いた石、燻香といったニュアンスも特徴的。これらは、森林火災などによるスモーキーさとは異なり、火山島の自然そのものが映し出す、ピュアで奥深い個性です。年間生産本数はわずか1563本。大地の記憶を宿した、真に希少なテロワールワインです。SALUD Y AMOR…..MUCHO AMORフアン・ムニョス – あなたのソムリエ@juanmunozramos2023年ヴィンテージから、アンフォラ(1000L)で発酵、熟成を開始。マイペ・デ・タガナナをはじめとした「特選区画(パーセル)ワインシリーズ」のブドウ栽培と醸造を手掛けるホルヘ。Jorge Méndez Díaz(ホルヘ・メンデス・ディアス) @bodegasvinatigo@jorgemndzdz ラ・ラグーナ大学で農業および農村環境工学の学位取得。マドリード工科大学でワイン栽培学と醸造学の修士号取得。父が創設したビニャティゴプロジェクトの二代目であり、メンデス家5代目。アルゼンチン、チリ、ブルゴーニュなどさまざまな地域でワイン造りの研鑽を積む。バスク・クリナリー・センターの選出する「ガストロノミー界の若き才能 100人 2024」の一人。将来を嘱望される若きブドウ栽培家兼醸造家。 Spanish Lifestyle:最高の人生を叶えるスペイン流レシピ第四回目は、ただいまテネリフェ島から来日中の生産者「ビニャティコ」の特別な単一畑にスポットを当て、彼らが育むブドウ畑とテロワールの魅力をお届けしました。ワインのテイスティングコメントは、スペインワイン界の権威、フアン・ムニョス先生にご担当いただきました。これからも、スペインワインやガストロノミー界の第一線で活躍する方々へのインタビューや、フアン先生ならではの深い知見、さらにおすすめのスペインレストランやバル、珠玉のワインたちをご紹介しながら、あなたの人生を豊かにするヒントをお届けしてまいります。次回もどうぞお楽しみに! --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---Ikumi HaradaJournalist & Creative Director スペインワインとガストロノミー専門ジャーナリスト大学卒業後、広告代理店でデザイナーとして、クリエイティブな視点と戦略的思考を培う。2005年から留学を機にスペイン食文化に魅了され、その研究に人生を捧げる。2009年から日本・アジア市場でスペインワインの輸出とプロモーションに従事。2011年に「スペインワインと食協会(AGE)」を創設し、クリエイティブディレクションや執筆を通じてスペイン食文化の普及と市場拡大に寄与している。2012年、プリオラートでワイン造りを始め、2024年に自らの初ヴィンテージをリリース。2025年より、フアン・ムニョス氏と共同企画「Spanish Lifestyle」連載開始。WSET ® Level 3, Spanish Wine Specialist(ICEX認定)山口県出身。
スペインワインの魅力を、日本へ。菊池貴行ソムリエ、バルセロナでインタビュー 2017年にストックホルムで始まった「スターワインリスト」は、世界中の優れたワインバーやワインレストランを紹介する、プロフェッショナルのための国際的なワインガイドです。その年ごとに最も優れたワインリストを称える「Star Wine List of the Year」が開催され、ついに2025年、日本もその歴史に名を連ねることになりました。 その初開催となる日本大会に、バルセロナの最先端ガストロノミーを東京・市ヶ谷で表現するTinc gana (ティン ガナ)の菊池貴行シェフソムリエは思い切ってエントリー。名だたるレストランが並ぶ中での挑戦に、「恐縮ながら」と謙虚に語りながらも、見事シルバーを受賞。錚々たる顔ぶれの中で唯一のスペインレストランであるティンガナが提出したワインリストは、グラスワインにおいては100%、全体でも約9割をスペインワインで構成。その内容は、クラシックからナチュラルまで、北から南まで、スペインワインの多様性と現在を映し出す見事なセレクションでした。スペインワインの奥深さと可能性を一貫して伝え続けてきた菊池ソムリエの姿勢が、高く評価された結果と言えるでしょう。 スペインワインの魅力を日本で長年発信し続けてきた、伝道師的存在の菊池貴行ソムリエ。そんな菊池氏と、今年2月にバルセロナで開催された「Barcelona Wine Week 2025(BWW)」の会場で再会、スペインワインの現在、そしてこれからの可能性についてお話を伺いました。 原田:Barcelona Wine Week では「高品質なスペインワイン」がテーマとして掲げられていましたが、菊池さんご自身は、“高品質なワイン”とはどのようなものだとお考えですか? 菊池ソムリエ:今回のBWWでは、原点回帰と言いますか、より自然な造りでテロワールへの忠実さが感じられ、それがサスティナブルの点でも未来へ貴重な財産として残す。そこに造り手の情熱も加わり、その流れが高品質ワインにつながっていると思います。 原田:長年にわたりスペインワインに携わってこられた中で、日本市場の変化や、特に人気が高まっている産地や品種にはどのような傾向がありますか? 菊池ソムリエ:もう20年以上、現場でスペインワインと向き合ってきましたが、当時は力強さや長い熟成、そしてコストパフォーマンスの良さが主に評価されていたと思います。それが今では、料理の傾向もより軽やかになってきており、ワインにも自然な造りが求められるようになっていますね。人気が高まっている産地としては、ガリシアをはじめとする北西部のメンシアや、マドリード周辺で造られる冷涼スタイルのガルナッチャなどが挙げられます。また、最近注目されているのがカナリア諸島などの島のワインです。火山性土壌由来のミネラル感があり、日本人の味覚にもよく合う印象です。 原田:昨年からはDO CAVAのアドバイザーとして、プロフェッショナル向けのマスタークラスでも日本食とのペアリングをご紹介されていますね。特に「これは驚いた!」というような組み合わせがあれば、ぜひ教えてください。 菊池 ソムリエ:カバは本当に奥が深いですね。特に今年から、レセルバ・スーペリオール以上のカバにはオーガニックが義務付けられるという背景もあり、熟成期間の長いタイプを扱うことが増えています。その熟成によって生まれる酵母由来の旨み成分が、和食における出汁の旨みと非常に相性が良いんです。たとえば、揚げ出し豆腐や茶碗蒸し、若竹煮のような料理とは驚くほど自然にマッチします。一皿だけでなく、複数の小鉢が並ぶ日本の家庭料理の中にも違和感なく溶け込むのは、本当に面白いですね。まさに「旨みの共演」と言えると思います。 原田:今後、日本におけるスペインワイン市場がさらに発展していくためには、どのような点が鍵になるとお考えですか? 菊池 ソムリエ:私がこの仕事を始めた頃と比べると、「アヒージョ」などの言葉も一般に浸透してきていて、スペイン料理やワインの認知度は確実に高まっていると思います。とはいえ、スペインには本当に多様なスタイルの造り手が存在していて、伝統と革新が同時に息づいているのが魅力です。また、タパスやパエリアのように、日本人にもなじみやすい料理が多いのもスペイン料理の強み。こうした料理とワインを一緒に楽しめる場をもっと増やしていけたら、多くの方にスペインワインの魅力を自然に届けられると思います。原田:菊池ソムリエの言葉から、スペインワインへの深い愛情と造り手への敬意、そして日本にその魅力を伝えていく強い意志がひしひしと伝わってきました。ぜひ、これからもご一緒にスペインワインの魅力を分かち合い、広げていけたら嬉しく思います。貴重なお話を、本当にありがとうございました。最後に改めまして、この度は「Star Wine List Japan 2025」でのシルバー受賞、誠におめでとうございます。今後のご活躍にもますます期待が高まります。心から応援しています。 菊池 貴行(きくち たかゆき)氏 ティンガナ マネージャー兼シェフソムリエ。東京・深川出身。大学時代にスペイン料理店「スペインクラブ」でスペインワインの魅力に目覚め、本場を知るべく渡西。帰国後、2004年に開業したミシュラン星付きレストラン「サンパウ日本橋」のソムリエとして勤務、バルセロナ本店での研修を経て、2006年にシェフソムリエ就任。2007年には、スペイン政府貿易投資庁(ICEX)主催の第1回シェフ養成プログラムにおいて、日本代表かつ唯一のソムリエとして国費留学。リオハの二つ星「エチャウレン」、アンダルシアの「アトリエ」などで研修を重ねながら、ワインの生産者とも深く交流を持つ。第4回マドリッド・フシオンでは、国際ソムリエコンクールの実技審査員を務めた。2010年、初代「カヴァ騎士団(シュバリエ)」に叙任。2021年「ボバル大使」、2024年「カバ・アドバイザー」に選出。ICEX公認のSpanish Wine Specialistとして、雑誌寄稿やワインセミナー、スクール講師としても幅広く活躍中。ーーーーーーーーーーーーーーーTinc gana (ティンガナ )住所:東京都千代田区六番町4-3 GEMS市ヶ谷 1F@tinc_gana_tokyo フアン先生オススメのワイン CAVA GRAN RESERVA FINCA...
スペインで最も有名なワインショップ『VILA VINITECA』キム・ビラ氏 独占取材 「ビラ・ビニテカ」は、バルセロナのエル・ボルン地区にある、こだわりのワインショップとしてワイン愛好家の間で広く知られていますが、その活動は小売業にとどまらず、ワインの卸売業や輸出入業にも展開しています。スペイン各地の著名なワイン生産者と提携し、いくつかのブドウ栽培プロジェクトを手掛け、ワイン造りにも携わっています。
Spanish Lyfestile第二弾では、スペインが誇るスパークリングワイン、CAVAに焦点を当てます。朝から晩まで様々なシーンで寄り添うCAVAの魅力や、特別な瞬間をより華やかに演出するおすすめの一本について、フアン・ムニョス先生にお話を伺いました。ーーーーーーーーーーーーーー スペインが世界に誇る、伝統のスパークリングワイン CAVA(カバ)は、スペインの原産地呼称(DOP)の一つで、地域ごとの分類により、以下のようなサブゾーンが存在します。 カバ・コンタッツ・デ・バルセロナ(Comtats de Barcelona) カバ・レケーナ(Requena/バレンシア) カバ・バジェ・デル・シエルソ(Valle del Cierzo/サラゴサ) カバ・バジェ・デル・エブロ(Valle del Ebro/リオハ、ナバラ、アラバ) カバ・ビニェドス・デ・アルメンドラレホ(Viñedos de Almendralejo/エストレマドゥーラ) とはいえ、本当の意味でカバの歴史と伝統が根づいているのは、カタルーニャ地方、とりわけペネデスとアレリャです。 CAVAは、100%地中海性気候で育まれた、瓶内二次発酵による高品質スパークリングワインです。太陽の恵みによって、アルコールと酸のバランスが見事に調和し、「ブリュット・ナトゥーレ(Brut Nature)」のような、世界で最もドライなスタイルのひとつ(シェリーと並ぶ)を生み出すことができます。 CAVAは一日を通して楽しめるワイン 朝はイベリコハムのトーストやボカディージョと、昼には煮込み料理、午後には苺、夜には海辺での軽い夕食と、どんな食事にも寄り添ってくれます。適量であれば健康にも良いとされ、日常的なワインとして親しまれています。かつてスペインではカバといえばクリスマスや年末の乾杯専用でしたが、今ではすっかり日常のワインとして定着しています。これから春を迎える季節には、イワシの炭火焼き、バレンシア風パエリア、魚介や山の幸のアロス、さらにはピザやローストチキン、イカスミのアロスなど、さまざまな料理とともに楽しめます。 若いスタイルのカバはフルートグラスでも構いませんが、熟成タイプのレゼルバ、グラン・レゼルバ、パラヘ・カリフィカード(特別区画)のカバは、香りを開かせるためにも、口径の広いカリスグラスや白・赤ワイン用のグラスがおすすめです。3年以上瓶内熟成されたカバは、空気と触れ合うことで、その魅力を最大限に発揮します。 カバがここまで人気を集めてきた背景には、高品質ながらも価格とのバランスが非常に優れていることがあります。ロゼカバや樽熟成カバ、長期熟成のカバなど、バリエーションも豊富で、クリーミーでエレガントな泡立ちが魅力の、熟成白ワインに匹敵する味わいを手軽に楽しむことができます。 カバは、地中海の太陽と海風に抱かれて生まれたワインです。古くから続く家族経営のワイナリーが多く、代々受け継がれてきた技と情熱が、その一本一本に込められています。そして今日では、多くの女性たちが醸造や経営の第一線に立ち、カバの進化をリードしています。 使用されるブドウも、マカベオ、チャレッロ、パレリャーダ、マルバシア、モナストレル、ガルナッチャ、トレパットといった地場品種を中心に、シャルドネやピノ・ノワールといった国際品種も組み合わせて、多彩で洗練されたスタイルが生み出されています。カバとは、私たちの暮らしに寄り添う、誇り高きDOPのスパークリングワインなのです。 フアン先生オススメのCAVA CAVA・クリプタ – 地中海の宝石 CAVA・クリプタは、デゴルジュマン前に5年以上もの長期熟成を経たグラン・レセルバのカバです。特別な存在であり、生産量も限られています。このカバは、中世の石造りのカーブ(地下貯蔵庫)に収められた、まさに“クリプタ”の名を冠するにふさわしい逸品です。興味深いことに、このカバを造るワイナリー(カーヴ、またはセリェール)は、唯一この「CAVA・クリプタ」だけを生産しています。このCAVAの個性は、そのすべてにおいて際立っています。ベースワインは樹齢100年を超える古木から収穫されたブドウで造られ、使用されるのはマカベオ、チャレッロ、パレリャーダの3品種。この3種のブドウこそが、高品質なカバを生み出す伝統的なトリロジーです。地中海の太陽と気候の恩恵を受けたブドウから生まれるこのカバは、ブリュット・ナトゥーレ、つまり残糖0.0g。極めてドライな仕上がりでありながら、そのスタイルこそが品質へのこだわりを物語っています。 グラスに注げば、クリプタはまるで泉のように香りと味わいを湧き上がらせます。鮮やかで輝きのあるイエローゴールドの色調。香りには青リンゴやフェンネル、フレッシュフラワー、熟した果実のニュアンスが広がり、熟成によるバニラや繊細なペストリーの香りが重なります。クロワッサンのようなバターの風味とクリーミーなテクスチャー、ローストナッツのニュアンスが余韻に深みを与えます。口に含めば、完璧な酸のバランスがもたらすフレッシュさと、圧倒的なエレガンスが感じられます。 この偉大なカバは、魅力を存分に引き出すために、口の広いゴブレット型のグラスや、エレガントな白ワイングラスで楽しむのがおすすめです。長期熟成の奥深い香りを存分に堪能するには、十分に空気と触れ合わせることが重要です。適温は6~8℃、季節によっては10℃まで温度を上げることで、より多彩な表情を楽しむことができます。 料理とのペアリングは、ほぼ無限大。イベリコ・ベジョータの生ハムとの相性は言うまでもなく、驚くほどシンプルながら贅沢な組み合わせとして、目玉焼きにスライスした黒トリュフ(メラノスポルム)を添えたものもおすすめです。また、オーブンで焼いたスズキやコルビーナ(スズキ科の白身魚)とのペアリングも絶妙です。偉大なワインは、たとえ皿の上に何もなくても、その存在だけで満ち足りた時間を演出してくれるものです。SALUD Y AMOR…..MUCHO AMOR フアン・ムニョス – あなたのソムリエ 「Spanish Lifestyle:最高の人生を叶えるスペイン流レシピ」第二回目は、世界中で愛されるスペインのスパークリングワインCAVAの魅力について、オススメのCAVAとともに、フアン・ムニョス先生からお話を伺いました。これからも、スペインワインやガストロノミー界の第一人者へのインタビュー、フアン先生の貴重な知見、おすすめのスペインレストランやバル、ワインの紹介など、あなたの人生を豊かにするコンテンツをお届けしていきます。次回もどうぞお楽しみに。●スペインソムリエ界の権威フアン・ムニョス先生と紐解く Spanish Lifestyle【Recipe.1】 --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- --- ---Ikumi HaradaJournalist & Creative Director スペインワインとガストロノミー専門ジャーナリスト大学卒業後、広告代理店でデザイナーとして、クリエイティブな視点と戦略的思考を培う。2005年から留学を機にスペイン食文化に魅了され、その研究に人生を捧げる。2009年から日本・アジア市場でスペインワインの輸出とプロモーションに従事。2011年に「スペインワインと食協会(AGE)」を創設し、クリエイティブディレクションや執筆を通じてスペイン食文化の普及と市場拡大に寄与している。2012年、プリオラートでワイン造りを始め、2024年に自らの初ヴィンテージをリリース。2025年より、フアン・ムニョス氏と共同企画「Spanish Lifestyle」連載開始。WSET...
スペインは、年間約9,400万人の観光客が訪れ、2024年には過去最高を記録しました。UNWTO(国連世界観光機関)によると、スペインは世界の観光地ランキングでフランスに次ぐ2位。特にビーチ、ワイン、ガストロノミー、文化が多くの旅行者を惹きつけています。さらに、2040年には「世界一の長寿国」になると予測され、その背景に何があるのかが注目されています。この秘密を紐解くため、スペインワインとガストロノミーに関する14冊の著書を持つフアン・ムニョス先生にお話を伺いました。 原田郁美:(以下、原田) フアン先生、グローバル時代にスペインが世界有数の長寿国である秘訣は何ですか? フアン・ムニョス(以下、フアン先生): 健康的なライフスタイルですよ。新鮮な食材を使ったバランスの良い食事——煮込み料理や豆類、魚を多く取り入れ、肉は控えめにすることが重要です。歴史的にスペインの肉といえば、鶏、ウサギ、少量のカモやジビエ(狩猟肉)で、基本的に白身肉が主流です(ジビエを除く)。毎日散歩して太陽を浴び、ビタミンDを摂ることも大切です。冬は風邪予防のために柑橘類でビタミンCを補い、春はさくらんぼやプラム、夏はスイカやメロンで水分補給を。古いことわざに『南は揚げる、中央は焼く、北は煮る、東(地中海沿岸)は茹でる』とあって、地域ごとの気候が食を形作っています。そしてもちろん、適量のワインも忘れてはなりません。 原田: 「地中海食が健康と長寿の鍵」とよく言われますが、その“本質”とも言える食材や習慣は何でしょうか? フアン先生: 基本的な食生活の原則は変わりませんが、ここで最も重要なのは、「食卓に座って食事をすること」、できれば家族と一緒に食事をすることです。たとえ週末だけでも、それを実践することが大切です。立ったまま、冷蔵庫の扉を開けた状態で食べるのは最悪の習慣です。添加物たっぷりの加工食品や出来合いの料理は避けて、信頼できる店で伝統的な方法で作られた食品以外は、できるだけ加工食品を食べないようにしましょう。毎日摂るべき食材のひとつがエキストラバージンオリーブオイルです。朝食のハモン・イベリコ(イベリコハム)とパンコントマテ(トマトのトースト)から、夕食に至るまで、オリーブオイルは日々の健康を支える最強の天然抗炎症剤です。さらに、新鮮な果物、たっぷりの水、適度なワイン、日光浴、散歩、友人との交流も大切です。ことわざにもこうあります。「朝食は王様のように、昼食は侯爵のように、夕食は乞食のように」。 原田: ワインは長寿とどのように関係しているのでしょうか? フアン先生:食事と共に”適度に”ワインを楽しむことが、健康的な生活につながることは地中海食学会でも科学的に認められています。ワインにはフラボノイドやタンニンが含まれており、悪玉コレステロールを抑える効果があるため、まさに健康に寄与する食材の一つと言えます。原田: スペインの都市部では、親と同居しない若者や共働きのカップルが増え、 忙しさからテイクアウトやファストフードを利用することが多くなっています。この食生活の変化について、どうお考えですか? フアン先生: 確かにその傾向はあります。しかし最近、若者の間で健康的でシンプルな食材を使った料理が注目され始めています。特に、健康志向のレストランや伝統的な料理を提供する店が人気を集めているのです。それはビーガンやベジタリアン向けだけでなく、質の高い地元食材を活かした伝統的な料理を求める声が増えているということです。ただし、遺伝子組み換え作物や、人工的に加工された調味料、には注意が必要です。国際的にも知られる『UMAMI』という言葉は、しばしば「グルタミン酸ナトリウム」そのものと誤解され、「安価な中華料理の味」というイメージを持つ人も欧米にはいますが、本来の意味はそれとは異なります。「旨味」は、日本で生まれた概念で、「美味しい味」を指し、特定の味を示すものではありません。実際には、「旨味」は“味の深み”や“コク”を生み出すものなのです。 原田: 伝統的な食文化の喪失は、将来的に健康や長寿に影響を与えると思いますか?また、それを防ぐためにはどうすればよいでしょうか? フアン先生: もちろん、影響を与えるでしょう。そのためには、料理研究家のカルロス・アルギニャーノのような人のアドバイスを参考にするのが良いでしょう。彼はスペインのテレビ局「Antena 3」で40年近くにわたり、手軽で健康的な家庭料理を教えてきました。また、レンズ豆の煮込み、シチュー、米料理、豆類を週に2回食べる習慣を取り戻すことが大切です。そして、子どもたちの朝食には菓子パンではなく、伝統的な*ボカディージョ(スペインのサンドイッチ)を持たせるようにしましょう。原田: 忙しい生活で、スペインの家庭料理はどう進化すべきですか? フアン先生: 進化は不要です。伝統を続けていればいいのです。新鮮な食材で週末に作った料理を冷凍すれば、平日も美味しく食べられます。セビーチェは日持ちしませんが、世紀からあるエスカベッチェなら肉も野菜も魚も数ヶ月持つし、栄養満点で簡単です。トルティージャも翌日が旨いし、アーティチョークや豆のバージョンも最高ですよ。原田: 先生は、1988年からスペインや南米で数万人のソムリエを指導されています。常に若い世代と接している先生にお伺いしたいのですが、最近、若い世代のアルコール摂取量が減少している傾向があります。この変化がワイン文化にどのような影響を与えるとお考えですか?また、 若者たちのアルコールに対する意識について、どのように感じていますか? フアン先生: 興味深いことに、ソムリエの世界ではアルコール依存症はほとんど見られません。幸いにも、若い生徒たちは、アルコールを適量かつ知識をもって楽しむ意識が高いです。もし、自分がアルコールに支配される兆候を感じたら、即座に断ち切るべきだという認識も浸透しています。お酒を飲むなら、食事やその後の余韻を楽しむために適度に。そして、飲酒後は決して運転しないこと。 スペインでは、アルコールは歴史的な文化の一部であり、他国とは異なる飲まれ方をします。ゆっくりと味わい、特定の時間帯に飲むのが一般的です。また、何を、いつ飲むのかを考え、できるだけ食事と共に楽しむことが推奨されます。実際、スペインにおけるアルコール消費の80%以上は食事とともに行われています。これは「タパス」や「ピンチョス」の文化が持つ、素晴らしい魅力の一つでもあります。適量を、そして楽しみながら飲むことが大切です。 原田: スペインにとってワインは文化の一部であり、農業の中心とも言えます。若者が継ぎ、活性化するにはどのような方法が必要ですか? フアン先生:スペインでは、ヨーロッパの他国と比べてワインの消費量は少なく、1人あたり年間約24リットルにとどまっています。地域差もあり、北部ではワインが好まれる一方、中部・東部・南部では気候の影響もあり、ビールの方が多く飲まれています。 けれども、X世代やZ世代や、新しいシニア層が、ここ数年でワイン消費を見直し、少量ながら高品質なワインを選ぶ傾向が強まっています。特に、原産地呼称(DO)付きのワインを飲む割合が増え、グラス単位での提供も広がっています。これは、ワインをより身近に、そして学びながら楽しめる環境を作る大きな一歩です。原田: 食事以外で、スペインのどんな習慣が充実した長寿の秘訣になっていると思いますか? フアン先生: スペイン人の長寿には、日常生活の中での人との繋がりが大きな役割を果たしています。家族や友人とのコミュニケーションを大切にすることが、精神的な健康を支えています。食事の時間はもちろん、アペリティフや散歩中の公園のベンチでの会話など、日常的な交流が充実した人生に貢献しているのです。 また、スペインでは日常的に歩く習慣が根付いており、心身の健康を維持するために重要な役割を果たしています。特に、スペインの温暖な気候は晴天が多く、日照時間も長いため、太陽の恵みを受けながら歩くことができます。このような環境が、ビタミンDの生成を促進し、長寿に寄与する要因のひとつとなっています。 さらに、適度な運動や十分な水分補給も日常的に行われています。これらは身体機能を保つために欠かせません。そして、スペインの食生活で欠かせないのがエクストラバージンオリーブオイルです。これは、心臓病の予防や抗炎症作用があるとされ、健康に非常に良い影響を与えます。 また、イベリコ豚やハモンは、「四本足のオリーブの木」とも称されるほど、健康に有益な脂肪酸であるオレイン酸や、オメガ3・オメガ6を豊富に含んでいます。これらを適量摂取することが、健康的な食生活を支える重要な要素となっているのです。 原田: ワインや地中海食にあまり馴染みのない日本やその他の国の方々に、スペインの健康的なライフスタイルをどうすれば魅力的に伝えられるでしょうか? フアン先生: もし可能であれば、ぜひスペインを訪れて実際に体験していただきたいですね。でも、それが難しい場合でも、健康的な食生活のエッセンスを日常に少しずつ取り入れることはできます。例えば、日本の伝統的な食事は世界でもトップクラスの健康的な食文化のひとつです。その特長を活かしながら、エキストラバージンオリーブオイルを和食に取り入れてみるのもおすすめです。シンプルにおひたしや豆腐にかけたり、味噌汁にひとさじ加えたりするだけでも、新しい風味と健康的なメリットを楽しめますよ。また、スペインの「タパス文化」に触れてみるのもおすすめです。タパスやピンチョスを楽しみながら、黒トリュフ、オリーブ、バル文化など、スペインの食文化を取り入れることができます。スペインのバルは単なる飲み屋ではなく、社交の場として機能していて、必ずしもアルコールを飲む必要はありません。水やコーヒー、ノンアルコール飲料を楽しみながら、友人や家族と交流する場になっています。人によってはサッカーや闘牛の話題で盛り上がることもありますが、それぞれが思い思いのスタイルで楽しめるのがスペインのバルの魅力です。 原田: 新連載『Spanish Lifestyle』で日本やアジアに何を伝えたいですか? フアン先生: このメッセージはシンプルでありながら、奥深いものです。それは、「私たちに導かれてみませんか?」ということ。 ・ワインを適量楽しみながら、美しい夕日を眺める。・バルに行き、意見を交わしながら会話を楽しむ。・キノコやトリュフの季節に森を散策する。・オリーブやブドウ、果物の収穫に参加する。・漁師と一緒に漁に出る(現在、一部の港では体験可能)。 こうした活動を通じて、スペインの地中海式健康法のアクティビストになってもらえたらと思います。例えば、巡礼の道「カミノ・デ・サンティアゴ」を歩いてみるのも良いでしょう。特に、サリアからサンティアゴまでの100kmを5日間で歩くルートは、精神的な意味でも、食の観点からも素晴らしい体験になります。...
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ビタミンEの機能や、ご自宅でかんたんに取り入れるためのポイントをご紹介します。
Almond story
健康にもよいことで知られる和食と地中海食。この二つを比べた研究についてご紹介します。
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