なぜか惹かれる食養生〜スペイン養生訓を探して〜
なぜか惹かれる食養生 「食養生(ショクヨウジョウ)」とは、栄養学的立場から、疾病の予防・治療をはかること。食養。食事療法。 「養生(ヨウジョウ)」とは、生活に留意して健康の増進を図ること。摂生せっせい。 コトバンク 食養生は、健康に関することばです。 なぜかわたしは「食養生」と聞くと、反応してしまいます。 食事をいただいて、さらになにか体に良いことを得られる気がするから。 と言いつつ、わたしにとって食事は「自分が心からおいしいと思える」ことがベスト。食べることに喜びがあるので、おいしいだけで嬉しくなります。 とはいえ、同時にまるで副産物かのごとく、体に良い働きがあると知るとき、さらに嬉々たる思いが溢れるのもまた本音です。 イタリアに2000年以上前からあった食養生「サレルノ養生訓」 イタリア南部のサレルノに、アラビア医学を取り入れた医学学校「サレルノ医学校」が誕生します。 「食と医術は同じである」と、考えた古代ギリシャの医師ヒポクラテスの考え方を受け継ぎ、食が治療の柱となっていたそうです。 サレルノ医学校の患者のひとりに、戦いで傷を負ったイングランド王子がいました。命をとりとめた王子が国にもどるとき、医師たちが養生法を解いたのが「サレルノ養生訓」です。 それは、覚えやすいようにと詩のかたちで書かれた、日常生活や食についての医師たちのアドバイスでした。健康維持・病気予防のための指針が、西洋で初めて書き物としてまとめられたのです。医師たちは、アラブ人、ローマ人、ユダヤ人、ギリシャ人から成る、いまでいう’国際医療チーム”でした。 出典「イタリア薬膳ごはん」著者 中村浩子 新田玲子 この本を読んだ際、ヒポクラテスの考えに食と医術を同等にみる考え方があったことを知り、とても嬉しくなりました。 著者の中村浩子さんは、イタリア食文化の専門家。その中村さんの見地で書かれた「地中海式食事」についても興味深いものがありました。 スペインの食養生を探している 「サレルノ養生訓」を知ると、やはりわたしはスペイン版の養生訓を知りたくなります。じつは、スペインの食養生のようなものがまとめられた書籍を探していて知ったのが「サレルノ養生訓」です。 「イタリア薬膳ごはん」というタイトルをみつけたとき、イタリアの食文化と薬膳を合わせた新しいもの?もしくは、イタリアにも薬膳のようなものがあったの?と、想像を膨らませながらこの本を手にしました。 スペインにおいて、「食養生のような考え方」が多く存在しているのはわかっています。長寿国としてスペインが名を馳せているからです。 健康で長生きするためにいくつかのポイントが、さまざまな切り口で語られています。しかもスペインは、州ごとに特徴や存在感が異なることから、食の知恵が多岐に渡っています。 大昔のスペインで、それを取りまとめて書物として残してくれたものが存在していたら、ぜひ拝見したいです。 発表されてないだけ、または「食養生」と、言葉がつかわれていなくとも、違う表現であるかもしれないと、考えています。 食養生っぽい食べものだと思ったのが、先日いただいたスロバキアのお土産。はちみつの甘さが加わった生アーモンドの食感と風味が印象的。「スペイン産ラルゲタアーモンドの生をスペイン産はちみつにつけたもの」を、すごく食べてみたくなりました。 「健康なまま、おいしいものをできるだけ長く味わいたい」という欲求。 スペイン産オイルや、オリーブオイルのあるライフスタイル、スペインの食文化、健康情報に関して、自分のアンテナが立ちすぎていることは否めません。...