Tips from the Spanish lifestyle

LOHASPAIN(ロハスペイン)は、スペインの食文化から
「幸福と健康」のヒントを発見、発信します。

まだまだ続く、スペインのクリスマス<後編>

新年、明けましておめでとうございます!三が日真っ只中、日本はお正月ムード一色に包まれていることと思います。

昨年のクリスマス・イヴの直前にお届けした「スペインのクリスマス<前編>」では、12月24日から26日までのスペインのクリスマスについて、カタルーニャの伝統料理と共にご紹介しました。今回はその続編として、年が明けた2025年1月3日現在も続くスペインのクリスマスの様子をお伝えします。

 

スペインでは、年が明けても、街のクリスマスイルミネーションも家庭のツリーやデコレーションもまだそのままです。なぜなら、スペインのクリスマスは1月6日の「東方の三賢者の日(Día de los Reyes)」まで続くからです。この日を境に、クリスマスシーズンがようやく幕を閉じます。

スペインの子どもたちは1月6日まで冬休みが続き、大人たちも年末年始に長期休暇を取るのが一般的です。1月1日は祝日ですが、2日から5日までは通常営業の会社もあり、祝日の1月6日東方の三賢者の日(Día de los Reyes)を迎えるまで街にはクリスマスムードが漂っています。

スペインの大晦日(Nochevieja)は、家族や友人と大いに盛り上がる一夜ですが、"お正月"は、意外と控えめです。それでは、スペインの長いクリスマスシーズンに欠かせない伝統料理や風習〜後編としてお届けします。

 

・12月31日  大晦日
Nochevieja/Nit de cap d'any

スペインの大晦日は、友人たちとレストランに集まったり、ホームパーティーを開いたりと、にぎやかに過ごすのが一般的です。夕食を楽しみながらカウントダウンの時刻を待ち、午前0時には「12粒のぶどう」を食べるというユニークな伝統があります。


12回の鐘の音に合わせて1粒ずつぶどうを食べますが、鐘のペースは早く、飲み込む暇もなく次の鐘が鳴るため、最後の鐘が鳴り終わる頃には口の中がぶどうでいっぱいに。記念すべき新年の幕開けとともに、無言のままスパークリングワインやCAVAで乾杯するという、どこかシュールな瞬間が訪れます。

成功させるポイント:

  • 種無しブドウを購入し、12粒を器に盛りつけておく。


スペイン各地では盛大なカウントダウンイベントが行われ、花火が夜空を彩ります。深夜まで飲んで踊り、食べて楽しみながら、新年の到来をお祝いします。

 

・1月1日 新年
Año Nuevo / Cap d'any

多くのスペイン人は、大晦日の夜遅くまで飲んだり食べたりして新年を祝うため、日本のように初日の出を見に行くという習慣を話すと、驚かれます。元旦は、それぞれのスタイルで過ごすのが一般的です。家族全員で食卓を囲む人もいれば、レストランでスペシャルメニューを楽しむ人もいます。

とはいえ、ご馳走が続くこの時期になると、胃腸の疲れや体重増加を気にし始める人も少なくありません。

 


・1月6日 東方の三賢者の日 (ディア・デ・ロス・レジェス)
Dia de los Reyes Magos / Dia dels Reis Mags

 

スペインのクリスマスを締めくくる、最も象徴的なお祝いが「東方の三賢者の日」です。その前夜、1月5日には、全国各地で三賢者の到来を祝う盛大なパレードが開催されます。この日、街の通りは東方から訪れる三賢者メルキオール、ガスパール、バルタザールの登場を心待ちにする子どもたちで賑わいます。

三賢者たちは色とりどりのキャンディーを投げ、子どもたちだけでなく大人も夢中で拾い集めます。この光景は、幼い頃故郷で体験した「餅まき」を思い起こさせ、どこか懐かしいほっこりした気分にさせてくれます。

バルセロナのような大都市では、シルク・ド・ソレイユを思わせる豪華絢爛なパレードが行われ、通りには大勢の見物客が押し寄せます。一方、小さな村やワイン産地では、三賢者がトラクターに乗って登場するなど、手作り感あふれる素朴なパレードが繰り広げられます。どちらのパレードも、それぞれの地域の特色が反映されており、大人も童心に帰れる心温まるひとときとなります。

この夜は、パレードを楽しんだ後、子どもたちは、翌日のプレゼントに胸を躍らせながら眠りにつく、温かさと喜びに満ちた特別な時間です。

1月6日、再び家族一同集結し、前菜からワインと共にランチをいただきます。この日の主役はデザートで、王冠の形をした菓子パン「ロスコン デ レジェス(Roscón de Reyes)」。

 

 ロスコン・デ・レジェスの中には、陶器またはプラスチック製の様々な小さな人形が入っていて、それを当てた人は、その日王様になれます。反対に、豆を当てた人はロスコン・デ・レジェスの代金を払わなければなりません。

 

最後に

スペインのクリスマスは、食文化と伝統が色濃く息づく特別な行事です。長いクリスマス期間中、家族や友人が集まり、何度も食卓を囲むことが風習となっています。この時期に欠かせない伝統的な料理は、クリスマスを華やかに彩る重要な役割を果たしていて、スペイン人にとって、美味しい料理を囲む食卓が、どれほど大切であるかを実感させてくれます。

 

-------------------------

Ikumi Harada
Art director

大学卒業後、広告代理店でデザイナーとして勤務後バルセロナへ。スペインワインに恋をして、気がつけばスペイン在住歴トータル13年に。ライフワークは「日本とスペインを繋ぐ架け橋」。大好きなテーマはスペインワインと健康。イヌ好き。WSET ® Level 3、Spanish Specialist、スペインワインと食協会・共同代表。山口県出身。