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LOHASPAIN by スペインワインと食協会
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News

スペイン食文化をつくる人たち

The People Behind Spanish Food Culture

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協会ジャーナル

【11/23(月・祝)】グリフォイ・デクララ オーナー醸造家ロジェール来日記念 ワインメーカーズディナー|サル イ アモール(代官山)
spainwinefood-journal
by IkumiHarada10月,30,2026

【11/23(月・祝)】グリフォイ・デクララ オーナー醸造家ロジェール来日記念 ワインメーカーズディナー|サル イ アモール(代官山)

2年ぶりに来日するグリフォイ・デクララの5代目オーナー醸造家、ロジェール・グリフォイ・デクララ。代官山「サル イ アモール」で開催される一夜限りのメーカーズディナーでは、家族代々受け継ぐブドウ畑とプリオラートのテロワール、ワイン造りへの情熱を本人から聞きながら、個性豊かなワインとスペイン郷土料理のペアリングを楽しめます。

【レポート】バレンシア州の食材を、東京のフレンチで味わう
バレンシア州
by KatoTomoko10月,16,2026

【レポート】バレンシア州の食材を、東京のフレンチで味わう

7皿の料理と13社の展示から見る、食材の多彩な使い方 2026年10月15日、東京・日比谷パレスで「バレンシア州アグリフード マリアージュ・展示会 2026」が開催されました。 主催は、スペイン・バレンシア州政府商業支援室(IVACE+i)。バレンシア州の食品・飲料企業13社が参加し、地中海沿岸の食文化を支える多彩な食材や商品が紹介されました。 イベントの前半に行われたマリアージュでは、日比谷パレスの松本シェフがバレンシア州産の米やオリーブオイル、香辛料、はちみつ、チョコレートなどを日本の食材と組み合わせ、7品のフランス料理に仕立てました。2種類のプティパンと、バレンシア州産の白ワイン、赤ワインも提供されています。 会場の1階では、参加企業による商品展示会も開催。料理として味わい、商品として知るという二つの側面から、バレンシア州の食に触れる機会となりました。 地中海沿岸に育まれた、バレンシア州の食文化 スペイン東部、地中海に面するバレンシア州は、温暖な気候に恵まれ、米やオリーブ、柑橘類、ブドウなどの栽培が盛んな地域です。 とりわけ米は、バレンシア州の食文化を語るうえで欠かせない食材。世界各地で親しまれているパエリアもこの地方にルーツがあります。さらにさまざまな品種からつくられたオリーブオイル、ワイン、香辛料、はちみつやチョコレートなどにも、地域の食の幅広さが表れています。 今回のマリアージュには、こうした食材が取り入れられました。 バレンシアの食文化を知るシェフの解説とともに 今回のマリアージュでとくに貴重だったのは、バレンシアの食文化に精通したスペイン郷土料理「イレーネ」数井 理央シェフから、食材について直接解説を聞きながらテイスティングできたことです。 スペイン郷土料理「イレーネ」数井 理央シェフ 講師は、料理に使われた食材の特徴や現地での親しまれ方を紹介。産地の食文化や食材の背景を知ることで、目の前の料理への理解もぐっと深まります。現地の食を知る専門家の言葉と、実際の味わいを結びつけられる充実したひとときでした。 「日比谷パレス」松本  健二シェフ 料理そのものも、7皿の素晴らしい構成が印象に残っています。ひと皿ごとに味わいや食感の変化がありました。提供する順序、絶妙な量のポーションにも細やかな配慮が感じられました。最後のデザートまで飽きることなく、心地よく味わえる流れは、日比谷パレスの松本シェフが率いるチームの技術と感性を感じさせるものでした。 7皿で楽しむ、バレンシア州産食材の多彩な魅力 以下、当日配布された資料をもとに各料理の特徴と使用されたバレンシア州産食材をご紹介します。 1 マルメロとフロマージュのカナッペ 使用食材:Campomar Nature/オーガニックマルメロペースト コースの始まりは、マルメロとフロマージュを組み合わせたカナッペです。 この料理には、Campomar Natureのオーガニックマルメロペーストを使用。コクのあるチーズにスペイン産有機マルメロ(西洋かりん)のペーストを重ねた、素材の味わいを活かしたカナッペ。 2 白いんげん豆のヴルーテ Velouté 使用食材:Beneolivas S. Coop. VL/オリーブオイル「SJRスムム」     Bras del Port/天然海塩フレーク 白いんげん豆を使ったヴルーテには、Beneolivasのオリーブオイルと、Bras del Portの天然海塩フレークが使用されました。 白インゲン豆のやさしい甘みと爽やかなオリーブオイルに、フレーク状の海塩の軽やかな食感と塩気が重なるスープです。 3 彩り野菜と米のサラダ Entrée 使用食材:Arroz Dacsa/寿司用特選米(エクストラ等級)     El Avión/パプリカパウダー      Finca 9 Oliveres/オーガニックEVオリーブオイル 100%ブランケータ      Campomar...

スペインの美食を、日本の日常へ。食文化の新たな可能性を探る 「Spain Food Nation Summit Japan 2026」レポート
spain food nation summit japanガストロノミーワイン
by KatoTomoko10月,09,2026

スペインの美食を、日本の日常へ。食文化の新たな可能性を探る 「Spain Food Nation Summit Japan 2026」レポート

2026年9月28日、ホテルニューオータニ東京にて、スペイン貿易投資庁(ICEX)とスペイン大使館経済商務部が主催する「Spain Food Nation Summit Japan 2026」が開催されました。今回のテーマは、「手の届く贅沢(Affordable Luxury)」です。 円安や世界情勢の不安定化に伴う物価上昇によって、輸入食品やワインを取り巻く環境が変化しています。これからスペイン産食品と飲料が日本市場でどのような価値を提供できるのか。その可能性を探るサミットです。 スペインは地域ごとに異なる気候風土に育まれた豊かな食文化をもち、EU最大の有機栽培面積を誇るオーガニック大国でもあります。しかし日本ではまだ十分に知られていない食材や食文化も数多くあります。 本サミットでは、ワインと食品、それぞれの分野で活躍する専門家によるラウンドテーブルが行われました。スペイン産品の価値をどのように伝え、日本の消費者との接点を広げていくのか。業界の第一線で活躍する方々の議論から、多くの気づきを得る機会となりました。 異なる立場のプロフェッショナルが語る、スペインの可能性   ワインラウンドテーブルでは、「コスパからの脱却」プレミアム化への具体戦略がテーマ。スペインワインの魅力を価格だけでなく、その価値によって伝えていくための戦略が取り上げられました。登壇者は、カーヴ・ド・リラックスの人見裕介氏、ウォンズパブリシングの名越康子氏、ジェロボームのカール・ロビンソン氏、東京ソムリエギルドの須藤亜希氏です。 一方、食品ラウンドテーブルでは、豚肉の「次の一手」を探るというテーマ。アフリカ豚熱による豚肉の輸出停止を背景に、これまで十分に紹介されてこなかったスペイン食材の可能性が議論されました。登壇者は、三越伊勢丹の中野健一氏、V&Kの岡本ビクトル栄氏、ビオセボン・ジャポンの向井昭登氏です。   とくに印象的だったのは、登壇者それぞれの専門領域や立場の違いが、より議論に奥行きを生み出していたことです。輸入、流通、小売、飲食、情報発信など、異なる領域で経験を重ねてきた専門家の方々は、同じスペイン産品について語る際にも、それぞれちがう視点と経験があります。商品の品質や背景にあるストーリーをどう伝えるか。消費者にどのようなきっかけで興味を持ってもらうか。そして、実際の購買につなげるには何が必要なのか。 一つのテーマを複数の視点から捉える。そうすることで「スペイン食文化の普及」という大きな課題が、より具体的なものとして見えてきました。それぞれの分野の第一線で活躍する方々の経験や考えに、一度に触れられたことは非常に貴重でした。 専門的な議論をわかりやすく伝える工夫   ラウンドテーブルの進行方法にも、印象に残った工夫がありました。議論に合わせて、要点を簡潔にまとめたスライドがスクリーンに映し出されていたことです。     登壇者の方々が自身の経験を交えたり、過去の事例や具体的なエピソードを紹介される際、ステージにスライドがあることで、その話が全体のテーマとどのようにつながっているのかが理解しやすくなっていました。スライドの存在により要点が視覚的に整理され、登壇者の話を自然に追うことができたからです。     この工夫は、スペイン食文化の普及にも通じるものだと思いました。どれほど魅力的な食材やワインであっても、その価値が相手に伝わらなければ、興味をもってもらうことは難しいものです。     専門的な知識や豊富な経験を、受け手にとってわかりやすい形に整理して届けること。その重要性を、サミットの進行そのものからも感じました。 百貨店から始まる、新しいスペインとの出会い 今回のサミットで、とくに印象に残った提案があります。第二部 食品ラウンドテーブル「手の届く贅沢~豚肉の次の一手を探る」というテーマにて、登壇された三越伊勢丹の中野健一氏によるスペイン菓子をテーマにした百貨店催事のアイデアです。 この発想は、まさに目から鱗でした。日本には、全国各地のお菓子を求めて百貨店の催事に足を運び、新しい味わいやつくり手との出会いを楽しむ方々がいます。お菓子そのものに強い関心を持ち、まだ知らないおいしさを積極的に探している消費者層です。そうした方々に向けて、「スペイン菓子」という新しいテーマを提案するのだと。     これは、今までありそうでなかったものです。スペインに関心がある人を集めるのではなく、すでにお菓子に関心を持っている人々に、スペインと出会う機会をつくるという発想です。   「スペインが好きだからスペイン菓子を食べる」のではなく、「お菓子が好きだからスペインを知る」。この順序の転換に、大きな可能性を感じました。   スペイン食文化の普及を考えるとき、私たちはつい、スペインの魅力をどう説明するか、何を紹介するかという視点から考えがちです。しかし消費者にすでに存在する興味や関心から出発すれば、これまでスペインに特別な関心をもっていなかった方々にも、自然な形でその魅力を届けることができるのでは、と。 菓子は、地域の歴史や風土、食習慣とも深く結びついています。一つのお菓子を味わうことが、その土地の文化を知るきっかけになるかもしれません。日本で知られていないスペイン菓子はたくさんあります。     さらに菓子を入り口とし、スペインの食材や飲み物、地域ごとの食文化へと興味が広がっていく可能性もあります。その土地の素材や伝統に興味をもち、やがて別の料理やワインを知る。そうした出会いの積み重ねが、食文化への理解を深めていくのだと思います。というより、そうなるよう広げていきたいものです。     百貨店という多様な消費者が訪れる場所だからこそ、そうした新しい出会いを生み出せるのではないでしょうか。消費者との接点を熟知する小売のプロフェッショナルならではの視点に、強く惹かれました。まずは三越伊勢丹さんで、ぜひ実現してほしい企画です。開催されたときには、当協会も張り切って現場取材したいと思います。 「手の届く贅沢」とは、価値ある体験との出会い 今回のサミットを通して改めて考えたのが「手の届く贅沢」という言葉の意味。贅沢とは、必ずしも高価なものを購入することだけではありません。 これまで知らなかった味わいに出会うこと。食材の産地やつくり手の思いを知ること。日々の食卓に、少し特別な楽しみが加わること。そうした体験にこそ、豊かさがあると考えています。...

10/24(土)・25(日) 大阪が2日間スペインに! 絶品料理とワインを楽しむ「マス マス スペイン 2026」開催

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by IkumiHarada8月,28,2026

10/24(土)・25(日) 大阪が2日間スペインに! 絶品料理とワインを楽しむ「マス マス スペイン 2026」開催


本格スペイン料理、ワインやシェリーのフェスティバル。「マス マス スペイン 2026」が10月24日・25日に大阪・YOLO BASEで開催!パエリアや生ハム、スペインワイン、シェリーなど、スペインの美食とワインを楽しめる人気イベントの最新情報をご紹介します。

【7月5日(日) FM15:30~】旅するスペインワイン
spainwinefood-journal
by KatoTomoko7月,02,2026

【7月5日(日) FM15:30~】旅するスペインワイン

スペイン好き、ワイン好きの皆さんにうれしいお知らせです! パナバックプレゼンツ、FMから、スペインをもっと身近に感じられる新番組 「旅するスペインワイン」 がスタートします!番組では、毎回スペイン各地のワイン産地を巡り、その土地ならではのワインはもちろん、料理や食文化、歴史、観光スポット、そしてスペインワインの楽しみ方まで、多彩なテーマでスペインの魅力をお届け。まるで現地を旅しているような気分で、スペインワインの世界を楽しめる番組です。スペインが好きな方も、ワインに興味がある方も、ぜひチェックしてみてくださいね! タッキー816 みのおエフエム初回は【7月5日(日) 15:30~】ぜひ、チャンネルを合わせてください!番組名: 旅するスペインワイン みのおFM 81.6 MHzパーソナリティ: 岡本 麻友子 @mayuko_okamoto_番組ナビゲーター: 長崎わこ提供: 株式会社パナバック@panavac_co 毎月 第一日曜日 15:30-16:00再放送1 : 同日 22:30-23:00再放送2 : 翌日(月) 15:30-16:00 スペインワインと食協会とは スペインワインと食協会は、「スペインワインと食文化を囲み、高品質なスペインの魅力を皆さまと体感すること」を原点に、一過性ではないスペインブームを築く活動をしています。今後もスペインワインと食を真ん中に、新しい取組みや情報をご提供して参ります。 スペインワインと食大学運営:スペインワインと食協会(日本事務局/(株)LA PASION加藤 スペインオフィス/原田) WEB:spainwinefood.org E-MAIL: info@spainwinefood.org   今年も「スペインワインと食」に関する情報を、日本とスペインから、イベントの告知も含めて発信してまいります。最新情報をいち早く知りたい方は、毎週金曜日に配信しているスペインワインと食協会のニュースレター「LOHASPAIN」をご活用いただけたら幸いです。無料購読はこちらから。 Tomoko Kato 加藤智子Editor-in-chief  福岡県出身のフードジャーナリスト、インポーター。1997年からシェフやワイン販売などの経験を積み、調理師免許を取得。青山の老舗レストランではワインのトップセールスとして活躍し、その後リストランテ「アクアパッツァ」にて広報・PRを担当。2009年、スペイン産オリーブオイルに一目惚れして「LA PASION」を立ち上げ、今年で16年目を迎えるインポーターとして多くの顧客に恵まれている。2011年には「スペインワインと食協会」を設立し、30回以上のプロモーションを手がける。スペイン・アンダルシア州政府から、世界一のオリーブオイル展示会にプレスとして正式招聘され、取材・執筆を担当。特に「スペインワインと食大学」は告知と同時に満席になる人気講座として好評を博している。現在はWebマガジン「LOHASPAIN」の編集長として、スペイン食文化やワインの魅力を国内外に発信中。 @ tomoko_kato_lapasion 


東京から味わう、スペイン

西麻布「フェルミンチョ」で出会う、スペイン料理の新しい魅力
フェルミンチョ東京から味わう、スペイン
by KatoTomoko10月,29,2026

西麻布「フェルミンチョ」で出会う、スペイン料理の新しい魅力

以前から、またゆっくりと食事に伺いたいと思っていた、西麻布のスペイン料理店「フェルミンチョ(FERMiNTXO)」。先日、久しぶりにディナーに訪れることができました。 2011年7月7日にオープンし、今年で15周年を迎えたフェルミンチョ。オーナーシェフの作元慎哉さんは、スペインの星付きレストランなどで研鑽を積み、故郷・石川県の食材も大切にしながら、ご自身の料理を追求されています。 白ワインから始まり、シェリーへ この日は、ディナーの前にD.O. CAVA主催の「Cava Prestige Reception at The Ritz-Carlton, Tokyo」に参加し、作元慎哉シェフともご一緒しました。このイベントについては、先週の記事「知るほどに広がる、CAVAの魅力」でご紹介しています。 イベントではCAVAを楽しんでいたので、フェルミンチョでは白ワインからスタートし、シェリーへ。 左は、ルエダ産の白ワイン「ホセ・パリエンテ ソーヴィニヨン・ブラン 2021」右は、ボデガス・ファウスティーノ・ゴンサレスのシェリー「クルス・ビエハ アモンティリャード・エン・ラマ」。   豊富なセレクションの中からスペインワインやシェリーを楽しめることも、このお店を訪れたい理由の一つです。 作元典子さんはソムリエであり、2015年の最優秀ベネンシアドーラ。さらに、スペインハモンセラーノ協会認定のコルタドーラでもいらっしゃいます。 CAVA原産地呼称統制委員会とスペインハモンセラーノ協会による2024~2026年のプロモーションでは作元慎哉シェフがアンバサダーに、典子さんがエキスパートに任命されています。 料理を手がける慎哉シェフと、ワインやシェリー、生ハムに精通する典子さん。お二人の専門性もフェルミンチョならではの魅力です。 ソムリエの作元典子さん。 豊かな知識と経験をもとに、その日のゲストに合わせて、スペインワインやシェリーの魅力を伝えてくださいます。 前菜から、あさりご飯へ この日いただいたのは、温かい前菜、冷たい前菜、あさりご飯、そして肉料理。 群馬県のGold-Well-farmが栽培するパドロン。 作元シェフが「今知っている中では、日本一の生産者だと思う」と高く評価する逸品です。   宮城県・気仙沼の戻り鰹を使ったマリネ。アホブランコのソースに、能登高農園の野菜を合わせた一皿。   前菜から米料理、肉料理へと進むなかで、じっくりと味わうことができました。 あさりご飯も、期待していた一皿。シェフが出来立てをテーブルまでお持ちくださり、見せてくれます。 フェルミンチョのオーナーシェフ、作元慎哉さん。 料理への思いを直接伝えてくださるひとときも、このお店の魅力です。 北海道・野付産のあさりを使った「アロス・コン・アルメハス(あさりご飯)」。 あさりを主役にしたスペインの米料理です。   タパスやパエリアなど、よく知られた料理の枠だけでは語りきれない表現に出会えること。それも作元シェフの料理を味わう楽しさだと感じます。   調理前のお肉から始まる肉料理の楽しみ 肉料理では、作元シェフが調理前の大きな肉をテーブルまで持ってきて、見せてくださいました。 伊豆・金子畜産の豚肉。デュロック、マンガリッツァ、梅山豚を掛け合わせた三元豚を使用しています。 厚みのある赤身と脂身が印象的なお肉。どのような料理になって運ばれてくるのか、楽しみが膨らみます。 そして登場したのは、素晴らしい火入れにより美しいロゼ色の断面が印象的な肉料理。緑色の付け合わせや葉野菜が彩りを添えています。 伊豆・金子畜産の豚肉。デュロック、マンガリッツァ、梅山豚を掛け合わせた三元豚を使用しています。   調理前の食材を見せていただいたからこそ、出来上がりを目にした時の喜びもひとしお。こうしたシェフとのやり取りも、今回のディナーで心にのこるひとときになりました。 記念日だけでなく、季節ごとに訪れたい 久しぶりにディナーに伺い、もっと頻繁に訪れたいお店だと改めて思いました。記念日に訪れるのはもちろんですが、本当は季節ごとに足を運びたい場所です。 作元シェフがその時季の食材をつかい「今、食べてほしい」と思う料理をいただく。そして典子さんが「この料理と一緒に楽しんでほしい」と選ぶワインやシェリーを味わう。...

知るほどに広がる、CAVAの魅力
東京から味わう、スペイン
by KatoTomoko10月,23,2026

知るほどに広がる、CAVAの魅力

「Cava Prestige Reception 2026」— 10ワイナリー・18銘柄から見つめるCAVAの多様性   スペインを代表するスパークリングワイン、CAVA(カバ)。日本でもその名は広く知られるようになり、近年は長期熟成を経たプレミアムカテゴリーにも関心が寄せられています。 一方で、CAVAには、日常の食卓に寄り添う親しみやすいものから、土地の個性や熟成による複雑さを追求したものまで、実に多彩なスタイルがあります。その豊かさを、もっと多くの方に知っていただきたい。そんな思いを改めて強くしたのが、今回のレセプションでした。 2026年10月15日、東京・六本木のザ・リッツ・カールトン東京で、D.O. CAVA主催の「Cava Prestige Reception」が開催されました。 日本で初めて開催されたCAVAのBtoBネットワーキングレセプションには、ソムリエやインポーターをはじめ、ワイン・飲食業界から約120名が集まりました。会場では多彩なCAVAが紹介され、参加者たちはグラスを片手に試飲や交流を楽しんでいました。     普段、筆者はメディアとしてワイン関連のイベントを取材する機会が多いのですが、今回は少し異なるご縁からの参加となりました。 今年、スペイン貿易投資庁(ICEX)が展開するワイン教育プログラム「Spain Wine Specialist」でスペインワインについて学び、認定を受けました。そのご縁から、スペイン大使館経済商務部を通じて、今回のレセプションへのご案内をいただいたのです。 専門的な学びを通して深めた知識を、実際のワインに触れながらさらに広げられる機会となりました。   スペイン大使館経済商務部 ゴンサロ・ラモス商務参事官(右から2番目)、明比淑子さん、木村 信子を囲んで   会場には10のワイナリーから18銘柄が登場。なかでも、熟成期間が18ヶ月以上のグアルダ・スペリオル・レセルバ、最低30か月の瓶内熟成を経るグアルダ・スペリオル・パラヘ・カリフィカードなど、CAVAの奥深さを伝えるラインアップがそろいました。 熟成と栽培基準から見える、CAVAの品質への取り組み CAVAは、シャンパーニュと同じく、瓶内二次発酵を行う伝統製法で造られるスパークリングワインです。その品質を理解するうえで重要なのが、熟成期間やブドウの栽培条件に基づくカテゴリーです。 最低9か月以上の熟成期間となる「Cava de Guarda」に対し、「Cava de Guarda Superior」には、長い熟成期間と厳格な栽培基準が設けられています。 レセルバは最低18か月、グラン・レセルバは最低30か月、そしてパラヘ・カリフィカードは最低36か月の熟成が必要です。 長期熟成のCAVAでは、果実の風味に加え、酵母との接触によって生まれるパンやトースト、ナッツを思わせる複雑な香りが現れることがあります。一方、比較的若いCAVAには、フレッシュな果実味や軽快さを楽しめる魅力があります。 どちらが優れているということではありません。熟成期間や造り方の違い、何より生産者の哲学によっても、多様な楽しみ方ができることもCAVAの特徴です。 10ワイナリー・18銘柄が示した多様性 今回のレセプションでは、熟成期間やブドウ品種、醸造スタイルの異なるCAVAが紹介されました。ひと口にCAVAといっても、造り手の考え方やブドウの個性、熟成による表現はさまざまです。18銘柄が一堂に会した今回のレセプションは、その幅広さを改めて知る機会となりました。 こうした幅広いスタイルを一度に知ることができるのは、今回のレセプションならではの魅力でした。 当日紹介された10ワイナリー・18銘柄 1. ART LAIETÀ d'Alta Alella(アルタ・アレーリャ) Laietà 2021 – Brut Nature(Guarda...

スペインを探して、地中海に出会う。~表参道・CICADAで味わう、料理とワインの時間
cicada東京から味わう、スペイン
by KatoTomoko9月,18,2026

スペインを探して、地中海に出会う。~表参道・CICADAで味わう、料理とワインの時間

CICADAには、少し思い入れがあります。表参道に移転する前、西麻布にあった頃に何度か伺いました。 そして表参道へ移転し、今回の訪問は、たしか6回目。今年初めてのCICADAです。そのため前回に伺ったのはどんな感じだったかなと、久しぶりに友人を訪ねるような気持ちでした。 表参道の通りから一歩、路地へ入ります。緑に囲まれた空間が現れると、東京の真ん中なのに、そこだけ時間の流れが少し違うように感じられます。     店内に入った瞬間から、よりCICADAらしい時間が始まります。 こちらを見ながら、スタッフの方が次々に声をかけてくださいます。たとえ何か作業をしていても、一度手を止めて、きちんと顔を見て挨拶をしてくれる。それがひとりではありません。レセプションからテーブルにつくまで、何人ものスタッフが、それこそ10人以上です。 ほんの数秒のことです。けれどその数秒が、とても心地いい。「今日ここで過ごす食事の時間が、あなたにとって素敵なひとときになりますように」そんな気持ちまで一緒に手渡されたように感じるからです。 もちろん、そんな言葉を実際に言われたわけではありません。でも、その自然な所作から、そうした思いが伝わってくるのです。     先のとおり私は今年初めて伺いましたが、スタッフの方々にとっては、きっといつもの一日です。毎日、多くのゲストを迎え、何度も同じように挨拶をしていると想像できます。 それなのに誰ひとりとして「慣れた仕事」という感じを一ミリも見せず、目の前のゲストにきちんと向き合う。心を込めてゲストを迎える。 レセプション、キッチン、サービスも。店全体で、同じ温度のサービスが保たれているのです。CICADAのプロフェッショナルを久しぶりに目の当たりにしました。レストランのサービスというのは、こういう小さな瞬間の積み重ねなのかもしれません。     約50年前に建てられた建物をリノベーションしたという空間には、ヨーロッパ・コロニアルの趣があります。バーやテラス、店内のシャンデリアまで、食事の時間を楽しむための舞台が整えられています。 CICADAの公式ストーリーによれば、その料理の発想はスペインやモロッコを中心とした環地中海料理。ひとつの国の料理に限定するのではなく、地中海を囲むさまざまな食文化を自由に行き来します。 それが、この店の面白さなのだと思います。     料理が運んでくれる、小さな旅 今回いただいたのは、冷たい前菜、温かい前菜、魚料理、そして肉料理。そしてCAVA、白ワイン、ロゼワイン、カフェ。     料理をいただいて、改めて印象に残ったのが、塩とスパイスの使い方でした。どちらも決して料理を覆い隠すのではなく、素材の味を引き出しながら、もう一段奥行きをつくっている。     ひと口食べて、「この塩味加減がいいな」、「このスパイスの香り、好きだな」と、いちいち感じてしまうのです。大袈裟で派手な驚きではなく、食べ進むほどにわかってくる存在感。     そして、スペイン産の食材が皿に登場すると、やっぱり嬉しくなります。今回は、マンチェゴチーズと、ハモン・イベリコ・ベジョータ。     東京で見つける、スペインワインと食を訪ねる連載だから、ということもありますが、見慣れた名前がメニューの中にあるだけで、心が少し弾みます。     東京で食事をしているのに、味覚だけがスペインへ向かっていく。ワインを合わせると、その感覚はさらに強くなる。   「スペイン料理」だけではないからこそ CICADAは、スペイン料理専門店ではありません。だからスペインを入口にして、地中海というもっと大きな食文化の世界へ入っていける気がします。 料理から料理、白ワインからロゼ、そしてひとつの皿から次の皿へと、それぞれの味わいを楽しみながら、テーブル全体ではひとつの流れができていきます。 今回は、支配人の木村さんをご紹介いただきました。 料理人やスタッフの皆さんの仕事について、取材もしていないのに久々の短い訪問だけで多くを語ることはできません。けれども入店したときのお声かけと、あたたかい視線。料理が運ばれてくる絶妙なタイミング、ワインが注がれる時間、そして食事をしている人たちの生き生きとした表情を見ていると、この店が長く愛されてきた理由の一端が感じられます。 料理だけではなく、そこで過ごす時間そのものを楽しませてくれる。それがCICADAなのだと思います。   西麻布から、表参道へ 西麻布時代に何度か訪れたCICADA。その記憶があるからこそ、表参道の店を訪れるたびに、少し不思議な気持ちになります。 場所は変わったし、建物も違う。けれど料理を前にしてワインを飲み、誰かと話しながら過ごす時間には、どこか昔の記憶につながるものがある。  ...

旅と食と、人。日本橋・小伝馬町「麹と野菜とワインの小さな台所 Mino みーの」を訪ねて
mino東京から味わう、スペイン麹と野菜とワインの小さな台所
by KatoTomoko9月,04,2026

旅と食と、人。日本橋・小伝馬町「麹と野菜とワインの小さな台所 Mino みーの」を訪ねて

その日、筆者が訪れたのは、オリーブオイルの専門家たちが集う場に参加するためでした。 完全予約制。旅する店主が料理をつくる店、日本橋・小伝馬町にある「麹と野菜とワインの小さな台所 Mino みーの」。 そう聞くと、まずは料理を味わう場所を想像するかもしれません。けれど、実際に足を運んでみると、この店にはもうひとつの顔があることに気づきます。オリーブオイルはもちろん、ワイン、日本酒、味噌づくり。食にまつわる魅力的な講座や学びの場も、ここでは開かれています。       店の軸にあるのは麹と野菜。さらに食材だけでなく、塩、油などの調味料にも店主みのりさんがこだわりぬいた選択があります。ひとことでお伝えするなら「創作料理を味わう店」。しかしこの店を訪れる理由は、料理のジャンルだけではあまりにも説明しきれないのです。     店主みのりさんは、自分の足で外へ出る みのりさんは、時間をつくっては、国内にとどまらず海外にも向かいます。現地で食べ、飲み、その土地の空気のなかで食文化にグッと触れるのです。気に入った器なども日本も海外も関係なく、ご自身で選び購入されます。 そして、その経験が店に戻ってきます。 旅先で見つけたものを、そのまま再現するのではありません。みのりさん自身が実際に体験し、体感したことが、みのりさんのフィルターをとおして皿の上の料理へと移されていきます。だから訪れた方々は、料理を食べるというだけでなく、みのりさんが外の世界で受けとってきた味わいや感覚に触れることになるのです。 「発信」という言葉を聞くと、SNSを思い浮かべる方が少なくありません。しかし「発信は画面の向こうだけで行われるものではない」と、こちらへ伺うといつも筆者は感じます。なぜならこの店では、味わいから発信されるから。みのりさんが見つけ、確かめ、もち帰ったものが、料理を通じてお客さまへ渡されていく。その意味で、この小伝馬町の店そのものが、まさに一つの発信基地になっています。     いつも少し早く、外へ向かう みのりさんには、世間の流れより少し早く反応するアンテナがあるとしか思えません。「流行を追う」というより、ご自身が気になったものがあればすぐに現場に飛ぶ。その行動が、いつもとても早いのです。 この行動力は、料理の背景として無視できません。それは店で出される味わいが、厨房のなかだけで考えられたものではないから。みのりさんが移動した距離、現地で得た体験、その前後にかかった時間までもが、料理の構成に加わっています。 だからお店では定番の味わいを楽しみつつ、いつも新しい発見があります。最初は「おいしい食事をしよう」、「みのりさんにお会いできるのが嬉しい」と思って訪れます。しかし食べ進めるうちに、知らなかった食材や味の組み合わせ、旅先の文化に触れる機会が生まれます。だからその日の食事が、味の記憶だけで終わらないのです。 ここでは食事をしながら、まるで広い世界を覗くような感覚になります。自分の知見までもが少しずつ広がっていくような、そんな気持ちにすらなるから不思議です。     麹と野菜を中心に据える理由 この店の料理は麹と野菜を中心に組み立てられています。ただし「野菜料理だから軽い」というシンプルな話ではありません。料理の随所につかわれている麹はもちろん、調味料にもこだわりの選択があり、つかい分けも幅広く意識が向けられていることがわかるはずです。 食べる側として印象に残るのは、しっかり食べたあとのこと。料理とワインを楽しみ、その素晴らしさに気がつけば普段以上に食べてしまいます。それでも一度だって食後に胃もたれを感じたことがないのです。 そして何度か伺ううち、ここでの食事が美味しいだけの時間ではなくなっていることに気づいていきます。その理由をひとつに断定することは難しいです。しかしみのりさんが食材や調味料、油を選び、麹を料理に取り入れていることは、この食後感と切り離せない大きな要素だと感じています。だから「おいしかった」という感想だけでは、ここで起きていることを説明できないのです。しかし帰宅したとき、自分の身体の状態から理解できます。     ひとりでつくり、ひとりで動く みのりさんは、基本的にひとりで立ち仕事をこなし、料理をつくり、店を運営されています。その一方で、店の外へ出る時間もつくる。その行動は以前お聞きした「健康」というテーマともつながっているように見えます。 健康とは。みのりさんの場合、日々の立ち仕事を続けながら店を営み、時間をつくって旅へ出る身体と行動そのものが、その言葉に具体性を与えていると感じます。 食べることを仕事にしている人の健康は、必ずしも料理だけで証明されるものではないです。どのように働き、動き、外の世界と接するか。 みのりさんの姿を見ていると、店で提供される料理と、ご自身の生活が別々に存在しているわけではないことがわかります。   「健康になってもらいたい」ということ みのりさんの料理には、「ここへ来た人に、本当の意味で健康になってもらいたい。」という想いが根底にあります。とてもシンプルでまっすぐな想い。しかし、それを料理として表現し続けることは簡単ではないはずです。 季節の野菜や食材を選び、調味料を選び、油を選び、麹をつかう。自分自身で外へ出て、新しいものに触れ、その経験を店へ持ち帰る。ひとりで料理をつくり、お客さまに出す。 こうした行動の積み重ねがあるから、「健康になってもらいたい」という言葉が、店の説明文としてではなく、実際の食事のなかで受け取る方が少なくないのだと思います。 みのりさんはご自身が実際に体験していないものを、ただ情報として料理にしません。そういうリアリティは、この店の料理を支えているはずです。     食べ終えたあとに残るもの 知らなかった味、旅先から持ち帰られた食文化、初めて見る柄の器。そして店を出るころには、休息したというより、少し力が戻っているのがわかります。みのりさん自身に会えば、この店の料理がなぜこうした方向へ向かうのか、理解しやすいのかもしれません。     みのりさんがピンときて訪れた国内外のこと。そこで得たものを、また小伝馬町へ持ち帰り、みのりさんのフィルターを通した料理として登場します。定番の味わい、そして新しい味わいも、その繰り返しのなかで、店の料理はこれからも変化していくのだと思います。ここでは料理を食べて終わりません。食事を終えたあと、たとえその日の料理名をすべて覚えていなくても。 それは、味覚はもちろん、身体が忘れないから。...

この夏は、シェリーを。
アンダルシア産ワイン東京から味わう、スペイン
by KatoTomoko8月,14,2026

この夏は、シェリーを。

暑い日が続くと、お酒にも涼しさを求めたくなりませんか。 先日、出張で九州・福岡へ行き、都内より暑い気温を体験。暑さのせいか、夜のアルコールがより五臓六腑にしみわたりました。 キリッと冷えたビールをグラスに注いで、料理と一緒にすこしずつ味わう。夏のお酒といえばビール、CAVA、白ワインがまず浮かびます。だけど40度近い気温を体感し、今年はあらためてシェリーを楽しむご提案をしたいと考えました。 アンダルシアのシェリーは、南に位置するアンダルシア、暑い土地で飲まれてきたイメージが強いです。だからこそ日本でも、8月の夏の食卓だと妙にしっくりくる気がしませんか。 シェリーは食前にいただくドライで軽やかなものだけではありません。食事とともにじっくり飲みたくなるもの、食後に味わいたいものと、バラエティがとても豊か。シェリーとひとくちにいっても、選び方はかなり幅広く楽しめます。 そういえば2年前、「アンダルシア産ワイン」という括りで、生産者来日の展示会を取材しました。アンダルシアでつくられるワインはもちろん、シェリーもご紹介しています。現地から来た生産者のことば、日本のインポーターさんの話、シェリーを愛するソムリエの方々からのリアルなエピソードが忘れられません。

Aromas

【スペイン美食の首都2027】サンタ・クルス・デ・テネリフェが拓く、美食の新たな魅力
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by IkumiHarada10月,23,2026

【スペイン美食の首都2027】サンタ・クルス・デ・テネリフェが拓く、美食の新たな魅力

テネリフェ島の美食を訪ね、郷土料理や火山性土壌が育むワインの魅力を紹介。2027年「スペイン美食の首都」に選ばれたサンタ・クルス・デ・テネリフェの食文化と、地元のワイン専門家が薦めるレストラン3選をお届けします。

行列のできる町中華「水新菜館」× テネリフェ火山島ワイン「ビニャティゴ」 美味なる融合
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by IkumiHarada10月,09,2026

行列のできる町中華「水新菜館」× テネリフェ火山島ワイン「ビニャティゴ」 美味なる融合

浅草橋の行列ができる町中華「水新菜館」で開催された、スペイン・テネリフェ島のワイナリー「ビニャティゴ」のメーカーズディナー。中華料理とカナリア諸島の個性豊かなワインが織りなすペアリングを紹介します。

【収穫速報】プリオラートの2026年ヴィンテージは?―グリフォイ・デクララ醸造家ロジェールに聞く
aromaswine
by IkumiHarada9月,18,2026

【収穫速報】プリオラートの2026年ヴィンテージは?―グリフォイ・デクララ醸造家ロジェールに聞く

醸造責任者として25回目の収穫を迎えたロジェール・グリフォイ・デクララに聞く、プリオラート2026年ヴィンテージ。厳しい気候に向き合う栽培、古木の力、土地の個性、そして日本への深い想い。

収穫期のラ・マンチャで、14年ぶりの再会。20歳のこれから

aromaswine
by IkumiHarada9月,04,2026

収穫期のラ・マンチャで、14年ぶりの再会。20歳のこれから


木下太陽(ソル)さんと廣岡海(マール)さんが、スペイン・ラ・マンチャ、トメジョーソのワイナリー「ヴェルム」でワイン造りを体験。醸造家エリアスとの再会と、二人の1か月を綴ります。

ガスパチョは、いつから「夏の味」になったのか?
aromasgazpacho
by IkumiHarada8月,14,2026

ガスパチョは、いつから「夏の味」になったのか?

一杯の冷たいスープをめぐる、スペイン食文化の長い旅 「ガスパチョ」と聞いて、まず思い浮かぶのは何でしょう。 真っ赤に熟したトマト、きゅうり、ピーマン、にんにく。オリーブオイルとビネガーの心地よい酸味。そして、真夏の太陽の下で冷たく冷やしていただく、あの爽やかな味わいではないでしょうか。 けれども、ガスパチョの歴史を少し遡ってみると、私たちが今知っている冷たいスープは、長い物語のほんの一章にすぎないことがわかります。 実は、昔のガスパチョにはトマトさえ入っていませんでした。 それどころか、「gazpacho」という言葉そのものも、最初からアンダルシアの冷製スープを指していたわけではないのです。 昨年のちょうど今頃、ニュースレターでフアン先生の寄稿「ガスパチョの歴史、味わいのルーツを辿る」をご紹介したところ、大変ご好評をいただきました。 今年はそこからもう一歩踏み込み、この料理の「味わいのルーツ」をたどってみたいと思います。 「ガスパチョ」という言葉は、どこから来たのか? 近年、この言葉のルーツをめぐる、とても興味深い研究が発表されました。 2023年、カスティーリャ=ラ・マンチャ大学のラテン語文献学者、マリア・テレサ・サンタマリア・エルナンデス教授は、学術誌『Myrtia』に「Etimología de gazpacho (caccabaceus): significado originario y evolución fonética」という論文を発表しました。 この研究では、「gazpacho」はラテン語の caccabaceus に由来するとされています。caccabaceus は「鍋・釜」を意味する caccabus から派生した言葉です。さらに興味深いのは、古代ローマの文献における caccabaceus が、鍋そのものではなく、鍋の中で液体とともに調理するパンを指していたと解釈されていることです。 つまり、この新しい語源説に従えば、ガスパチョの遠いルーツは、冷たい野菜のスープではなく、パンと液体を組み合わせた料理にあった可能性があります。 この説を知ると、現代の「ガスパチョ・マンチェゴ(gazpacho manchego)」が、にわかに興味深い存在に見えてきます。 カスティーリャ=ラ・マンチャ地方のガスパチョは、アンダルシアの冷たいスープとはまったく違います。ウサギなどの肉や狩猟肉を煮込み、そこに「トルタ・センセーニャ(torta cenceña)」と呼ばれる薄い無発酵のパンをちぎって加える、温かく力強い料理です。 現在の研究では、このパンの存在が、古代の caccabaceus という言葉と結びつく可能性が指摘されています。 そう考えると、ガスパチョの歴史は、単なる「アンダルシアの冷製スープの歴史」ではありません。 むしろ、パンを液体とともに食べるという古い食文化の延長線上に、現在の多様なガスパチョが存在している。 そう考えると、一杯のガスパチョが、急に長い歴史を持つ料理に見えてきます。 トマトのないガスパチョと、庶民の知恵 では、私たちが親しんでいる「赤いガスパチョ」は、いつ生まれたのでしょうか。 トマトはアメリカ大陸原産です。そのため、大航海時代以前のヨーロッパに、現在のようなトマト入りガスパチョが存在することはありませんでした。 かつてのガスパチョは、もっと質素なものでした。硬くなったパン。水。オリーブオイル。酢。塩。そして、にんにく。 17世紀初頭、スペイン語の辞典を編纂したセバスティアン・デ・コバルビアスも、ガスパチョをパンや油、酢などを使った庶民的な食べ物として記録しています。 つまりガスパチョは、宮廷の洗練された料理というより、農作業や季節労働に携わる人々の食卓に根付いた料理でした。 手元に硬くなったパンがあれば、それを使う。畑に野菜があれば、それを加える。土地にあるものを、その季節にある方法でおいしく食べる。この柔軟さこそが、ガスパチョが各地へ広がり、土地ごとに姿を変えていった理由なのかもしれません。 アホブランコから、赤いガスパチョへ アホ・ブランコはスペインのアンダルシア地方の伝統的なスープ料理。アーモンド、ニンニク、オリーブオイルなどを用いる白い冷製スープである。白いガスパチョとも呼ばれる。 アンダルシアの冷製スープの系譜をたどると、トマト以前の姿が見えてきます。その代表格が「アホブランコ(ajoblanco)」です。 パン、にんにく、オリーブオイル、酢、水にアーモンドを加えた白い冷製スープ。 その起源については、ローマ時代やイスラム期、アル=アンダルスの食文化との関連など、さまざまな説があります。ただ、ここでも「これが唯一の起源」と断定するのではなく、古くから地中海世界に存在したパン、油、にんにく、酢、ナッツといった食材の組み合わせの中で育まれてきた料理と考える方が自然でしょう。...

Spanish Lifestyle

ベルモットから紐解く、スペインの食文化
spanish lifestylevermouth
by IkumiHarada9月,09,2026

ベルモットから紐解く、スペインの食文化

フアン・ムニョス先生監修。スペインのベルモットの歴史と食文化をひも解き、レウスに根づくベルモット文化から、現代の多様なスタイルや料理とのペアリングまで紹介します。

【2/2 BWW発表】消費者は専門家と同じワインを好むのか? バルセロナワインテストの検証結果とは
spanish lifestylewine
by IkumiHarada1月,16,2026

【2/2 BWW発表】消費者は専門家と同じワインを好むのか? バルセロナワインテストの検証結果とは

2月2日から、高品質スペインワインの国際見本市 Barcelona Wine Week がバルセロナで開催されます。そのBWWの舞台で、筆者が取り組む 「バルセロナ·ワイン·テスト(BWT)」 のプレゼンテーションを行うことになりました。テーマは、「消費者と専門家は、同じワインを好むのか」。2月2日17時より、消費者と専門家(1/26開催)を対象に実施した2つのワインコンクールの結果と、そこから得られたデータが示す“市場のリアル”を発表します。

美食の街サン・セバスティアンで味わう、Narru (ナル)という食体験
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by IkumiHarada12月,24,2025

美食の街サン・セバスティアンで味わう、Narru (ナル)という食体験

サン・セバスティアンの人気レストラン〈Narru〉で味わう、料理とワインの調和。食後まで続く上質な美食体験をレポート。  

ワインの未来はここから動き出す─次世代へつなぐ、バルセロナワインテスト2025
spanish lifestylewine
by IkumiHarada11月,15,2025

ワインの未来はここから動き出す─次世代へつなぐ、バルセロナワインテスト2025

先月「Spanish Lifestyle」でご紹介した「バルセロナワインテスト・アーバン2025」は、多くの皆さまのご協力のもと、無事に幕を閉じました。バルセロナ初の一般参加型ワインコンクールとなった本イベントには、150名の参加者が集い、200種類以上のワインをブラインドでテイスティング。会場は熱気に包まれ、ワイン文化の新たな可能性を象徴する場となりました。 バルセロナワインテストCEOのロジェール・グリフォイ・デクララをはじめ、「Spanish Lifestyle」でもおなじみのテクニカルディレクターのフアン・ムニョス先生、そして筆者自身もチームメンバーとして運営に携わり、約1年にわたり準備を重ねてきました。正直、これまでで最も忙しく大変な1年でした。しかし、若き審査員たちが「また来年も絶対に参加したい!」「ワインがもっと身近な飲み物になった!」と目を輝かせる姿を目にした瞬間、苦労はすべて報われたと感じました。 今回は、現地で紹介された内容を基に、イベントの模様を日本語でお届けします。 バルセロナ・ワインテスト・アーバン2025、大きな成功150名の若者が200種以上のワインをブラインドで体験!バルセロナ 11月7日金曜日、バルセロナのホテル・インターコンチネンタルにて、第1回となる「バルセロナワインテスト・アーバン2025(Barcelona Wine Test Urban 2025)」が開催されました。本イベントは、消費者が本当に好むワインを明らかにすることを目的に設計された、新しいスタイルのワインコンテストです。期待を大きく上回る結果となり、150名の参加者が集まり、さまざまな産地・スタイル・価格帯の200種類以上のワインをブラインドで評価しました。 この呼びかけには特に若い層を中心とした多様な参加者が集まり、来場者は男性55%、女性45%という構成。ワイン愛好家や、新しい銘柄を発見したいと願う一般のワインファンが多数参加しました。応募希望者が定員を大きく上回り、多くの方の参加をお断りせざるを得ないほどでした。これは、テイスティング体験型イベントへの関心の高まりと、消費者の声を重視するワイン業界の新たな動きを象徴しています。 試飲セッションでは、各参加者に15杯のワインがラウンド形式で提供されました。ワインごとに、参加者はボトルのQRコードを読み取り、スマートフォン上の簡易テイスティングシートで「香り」「味わい」「バランス」「好感度」を評価します。ブランド名や原産地、価格は一切知らせず、参加者は独立した秩序ある環境で、完全にブラインドの評価を行いました。 「アマチュアの参加者が15種類ものワインを評価するという挑戦には、少し不安もありましたが、結果はまさに“満点”でした」と、本大会のチームメンバーでありソムリエ養成講師でもあるフアン・ムニョス氏は語ります。「参加者たちは、一つひとつのワインをしっかり味わい、比較し評価していました。その姿は本当に模範的で、頼もしく感じました。」 一方、同チームのロジェール・グリフォイ・デクララ氏は、この規模のテストにおける技術的挑戦について次のように述べています。「初回ということもあり、技術面と物流面の完璧な運営を優先するため、出品ワインを200本に限定しました。評価はすべてリアルタイムでスマートフォンから行われるため、数十件の同時投票には大きな技術的負荷がかかります。まずは体験の質を確実に保証することを最優先にしました。その結果、すべてが完璧に機能しました。」 事前の参加者インタビューでは、多くの若者が「ワインは遠い存在」と感じていることが分かりました。しかし、今回のような動的で参加型、さらにガイド付きのテイスティング体験を通じて、ワインに親しみを感じるきっかけになったことが確認されました。これは、新しい世代との接点を模索するワイン業界にとって、大変意義のある成果と言えます。 テイスティング後には、コンテストに出品した一部のワイナリーの代表者が参加するショールームが開かれ、参加者が生産者と直接会話しながらワインを再度試飲する交流の場となりました。この空間は、造り手と消費者が出会い、品種や地域、スタイル、トレンドについて自由に語り合える貴重な場となりました。 第1回大会の成功により、「バルセロナワインテスト・アーバン2025」は、従来のコンテストに代わる新しいモデルとして、革新的な一歩を踏み出しました。消費者の意見を中心に据えたハイブリッドな試みとして、「味わう」「学ぶ」「共有する」という体験を通じて、人々をつなぐ新しいワイン文化の形を提示したことも、大きな成果です。 主催者は今後、消費者による総合評価と、来場者が最も高く評価したワインの最終ランキングを発表する予定です。また、審査結果や受賞ワインの詳細は、来年2月に開催される「バルセロナワインウィーク(Barcelona Wine Week)」で発表されます。 さらに、次回はプロフェッショナル部門「バルセロナワインテスト・プロフェッショナル2026」が、2026年1月27日にバルセロナで開催されます。こちらは、バイヤー、ソムリエ、ジャーナリスト、ワインコミュニケーターなど業界の専門家が集い、100点満点方式のブラインド・テイスティングを実施。参加ワイナリーにはメダルおよび品質認証が授与される予定です。 最後に 「バルセロナワインテスト・アーバン」を通じて、若い世代がワインに触れ、味わい、学び、共有する場が生まれたことを実感しました。この試みは、次世代の嗜好や考え方を尊重しながら、ワイン文化を新たな形で広げていく可能性を示しています。ワイン業界にとっても、若い世代との接点を深める貴重な機会となりました。 「バルセロナワインテスト・アーバン」は、次世代にワイン文化を継承し、業界全体を活性化するプラットフォームとしての役割を掲げています。参加者と造り手、地域社会をつなぐ架け橋として、ワインを通じた新しい体験の場を創出することを目指しています。来年はさらに国際的な広がりも視野に入れ、より多くの皆さまに感動的で楽しい体験をお届けできるよう、準備を丁寧に重ねてまいります。 【関連記事】バルセロナ発ワインコンクール ― バルセロナワインテスト (Barcelona Wine Test)【2/2 BWW発表】消費者は専門家と同じワインを選ぶのか? バルセロナワインテストが明かす真実【バルセロナワインテスト・アーバン2025 メディア掲載まとめ事】・VineturEl Barcelona Wine Test Urban 2025 reúne a 150 jóvenes en una cata a ciegas de más...

バルセロナ発ワインコンクール ― バルセロナワインテスト (Barcelona Wine Test)
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by IkumiHarada10月,10,2025

バルセロナ発ワインコンクール ― バルセロナワインテスト (Barcelona Wine Test)

カタルーニャ州バルセロナで、全く新しいワインコンクール「バルセロナワインテスト(Barcelona Wine Test)」が誕生しました。 近年、世界的に若者のアルコール消費は変化していますが、地中海諸国ではワインは昔から人々の暮らしに寄り添う特別な存在。食卓を彩り、人と人との絆をつなぐひとときを育んできました。バルセロナワインテストは、このワイン文化の魅力と価値を未来につなぎ、次世代に受け継ぐため、ワインを楽しむ文化の継承と業界全体の発展を目指す有志が集結して誕生しました。 バルセロナが舞台の理由 バルセロナはワインとトレンドが息づく街であり、国際的にも高く評価されています。ここでは伝統、ガストロノミー、観光、そして地中海文化が調和し、革新と創造性が自然に共存しています。さらに、スペインワインの国際見本市として、年々その存在感を高める「Barcelona Wine Week(BWW)」も、バルセロナをワインの都市として後押ししています。 そのバルセロナから、新しいワインコンクールが誕生しました。生産者、コミュニケーション、マーケティング、テクノロジーのプロフェッショナル、そしてソムリエで教育者でもあるフアン・ムニョス先生と、筆者自身を含む多様なメンバーが力を合わせて立ち上げた―「バルセロナワインテスト(Barcelona Wine Test)」です。このコンクールは、単にワインを評価する場ではありません。生産者を応援し、業界を盛り上げ、そしてワインの未来をともに築いていく―そんな新しい挑戦の舞台です。バルセロナから始まるこの試みが、次世代へとその価値をつなぐ小さな一歩となることを願っています。 バルセロナワインテスト ―  2つの国際コンクール   1. バルセロナワインテスト・アーバン 2025(ワイン&ワイン由来部門)2025年11月7日開催 バルセロナの消費者と感度の高い若者が審査する、世界初のブラインドテイスティング形式ワインコンクール。 コンクール当日、Showroomで、消費者と業界関係者に直接PR 受賞ワインは「Barcelona Wine Week 2026」で国際発表 バルセロナの厳選したワイン専門店で試飲販売プロモーション(Barceloma Wine WeekのLike the cityの一貫として) 長期サポートでブランド価値を持続(オプション) 2.バルセロナワインテスト・プロフェッショナル2026(ワイン&ワイン由来部門)2026年1月26日開催 世界的に活躍する一流ソムリエやバイヤー、ワインジャーナリストによる厳正なブラインドテイスティングで、ワインの品質と市場での競争力を客観的に分析。 メダル受賞は品質と信頼性の証となり、輸出や販路開拓の戦略的機会を提供 バルセロナという国際ブランドの影響力により、受賞ワインは欧州および世界市場で高い注目を獲得 専門家による評価データを体系的にまとめた詳細レポートが、戦略立案やブランド価値向上の重要な指針に 販売・輸出支援やコンサルティングを含むサポートプログラム(オプション) 最後に 今日ご紹介したバルセロナ初のワインコンクール、「バルセロナワインテスト」は、“Spanish Lifestyle”のコンセプトを表現する場でもあります。ワインの未来を見つめ、造り手と飲み手、業界と消費者、そして地域社会と世界をつなぐ架け橋となることを目指しています。このコンクールを通じて、参加者一人ひとりが互いの文化や価値観に触れ合い、新しい発見や学びを得ることができます。また、受賞ワインは専門店や国際市場での販路拡大、輸出の機会へとつながるなど、産業としての成長も後押しします。バルセロナワインテストは、単なるワインコンクールではなく、業界全体を盛り上げ、次世代にワイン文化をに継承していくためのプラットフォームなのです。バルセロナは、多様な文化を受け入れ、創造性を育む土壌を持つ街。ここでは、日本文化や日本食が長年にわたり高い人気を得ており、それに伴い、日本酒やジャパニーズウイスキー、さらには日本ワインへの関心も高まっています。 日本でワインを造る皆さまにも、ぜひこの輪に加わっていただき、ともに未来のワイン文化を育んでいければ、これ以上の喜びはありません。 Barcelona Wine Test バルセロナワインテストBarcelona Wine Test Web サイト@bcnwinetest Barcelona Wine Testについてのお問合せはこちらから...

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