taste spain from tokyo

東京から味わう、
スペイン

東京から、スペインの食とワインを見つめます。東京だからこそ感じ取れるスペインの現在地と、その先につづく物語。その味わいをあなたと一緒に味わっていけたらと思います。

知るほどに広がる、CAVAの魅力

知るほどに広がる、CAVAの魅力

「Cava Prestige Reception 2026」— 10ワイナリー・18銘柄から見つめるCAVAの多様性

 

スペインを代表するスパークリングワイン、CAVA(カバ)。日本でもその名は広く知られるようになり、近年は長期熟成を経たプレミアムカテゴリーにも関心が寄せられています。

一方で、CAVAには、日常の食卓に寄り添う親しみやすいものから、土地の個性や熟成による複雑さを追求したものまで、実に多彩なスタイルがあります。その豊かさを、もっと多くの方に知っていただきたい。そんな思いを改めて強くしたのが、今回のレセプションでした。

2026年10月15日、東京・六本木のザ・リッツ・カールトン東京で、D.O. CAVA主催の「Cava Prestige Reception」が開催されました。

日本で初めて開催されたCAVAのBtoBネットワーキングレセプションには、ソムリエやインポーターをはじめ、ワイン・飲食業界から約120名が集まりました。会場では多彩なCAVAが紹介され、参加者たちはグラスを片手に試飲や交流を楽しんでいました。

 

 

普段、筆者はメディアとしてワイン関連のイベントを取材する機会が多いのですが、今回は少し異なるご縁からの参加となりました。

今年、スペイン貿易投資庁(ICEX)が展開するワイン教育プログラム「Spain Wine Specialist」でスペインワインについて学び、認定を受けました。そのご縁から、スペイン大使館経済商務部を通じて、今回のレセプションへのご案内をいただいたのです。

専門的な学びを通して深めた知識を、実際のワインに触れながらさらに広げられる機会となりました。

 

スペイン大使館経済商務部 ゴンサロ・ラモス商務参事官(右から2番目)、明比淑子さん、木村 信子を囲んで

 

会場には10のワイナリーから18銘柄が登場。なかでも、熟成期間が18ヶ月以上のグアルダ・スペリオル・レセルバ、最低30か月の瓶内熟成を経るグアルダ・スペリオル・パラヘ・カリフィカードなど、CAVAの奥深さを伝えるラインアップがそろいました。


熟成と栽培基準から見える、CAVAの品質への取り組み

CAVAは、シャンパーニュと同じく、瓶内二次発酵を行う伝統製法で造られるスパークリングワインです。その品質を理解するうえで重要なのが、熟成期間やブドウの栽培条件に基づくカテゴリーです。

最低9か月以上の熟成期間となる「Cava de Guarda」に対し、「Cava de Guarda Superior」には、長い熟成期間と厳格な栽培基準が設けられています。

レセルバは最低18か月、グラン・レセルバは最低30か月、そしてパラヘ・カリフィカードは最低36か月の熟成が必要です。

長期熟成のCAVAでは、果実の風味に加え、酵母との接触によって生まれるパンやトースト、ナッツを思わせる複雑な香りが現れることがあります。一方、比較的若いCAVAには、フレッシュな果実味や軽快さを楽しめる魅力があります。

どちらが優れているということではありません。熟成期間や造り方の違い、何より生産者の哲学によっても、多様な楽しみ方ができることもCAVAの特徴です。


10ワイナリー・18銘柄が示した多様性

今回のレセプションでは、熟成期間やブドウ品種、醸造スタイルの異なるCAVAが紹介されました。ひと口にCAVAといっても、造り手の考え方やブドウの個性、熟成による表現はさまざまです。18銘柄が一堂に会した今回のレセプションは、その幅広さを改めて知る機会となりました。

こうした幅広いスタイルを一度に知ることができるのは、今回のレセプションならではの魅力でした。


当日紹介された10ワイナリー・18銘柄

1. ART LAIETÀ d'Alta Alella(アルタ・アレーリャ)

  • Laietà 2021 – Brut Nature(Guarda Superior Gran Reserva)
  • Opus 2021(Guarda Superior Paraje Calificado)

2. AVINYÓ(アヴィニョ)

  • Avinyó Can Fontanals 2021(Guarda Superior Reserva)

3. BODEGAS HISPANO+SUIZAS(ボデガス・イスパノ・スイサス)

  • Tantum Ergo Rosé Pinot Noir(Guarda)
  • Tantum Ergo 2020 Vintage ’20 Brut Nature(Gran Reserva)

4. CAVES VILARNAU(カベス・ヴィラルナウ)

  • Vilarnau Brut Reserva(Guarda Superior Reserva)
  • Vilarnau Rosé Reserva(Guarda Superior Reserva)

5. CODORNÍU(コドルニウ)

  • Ars Collecta Blanc de Blancs Reserva 2022(Guarda Superior Reserva)
  • Ars Collecta Grand Rosé Reserva 2020(Guarda Superior Reserva)

6. GIRÓ DEL GORNER(ジロ・デル・ゴルネル)

  • Gorner Brut(Guarda)
  • Giró del Gorner Gran Reserva(Guarda Superior Gran Reserva)

7. MESTRES(メストレス)

  • Mestres Mas Via 2009(Guarda Superior Gran Reserva)
  • Mestres Visol 2019(Guarda Superior Gran Reserva)

8. PAGO DE THARSYS(パゴ・デ・タルシス)

  • Pago de Tharsys Millésime Brut Reserva 2022(Guarda Superior Reserva)

9. ROVELLATS(ロベリャッツ)

  • Rovellats Imperial Reserva 2022 Brut(Guarda Superior Reserva)
  • Masia Segle XV Gran Reserva 2015 Brut Nature(Guarda Superior Gran Reserva)

10. U MES U(ウ・メス・ウ)

  • Cygnus Sador(Guarda)
  • 1+1=3 Blanc de Noirs(Guarda Superior Reserva)

※銘柄名およびカテゴリーは、当日の配布資料に基づいています。

 

 

「Cava Prestige Reception 2026」会場の様子。

多彩なCAVAと参加者の交流を映像でご紹介します。

 

 

ワインを通じて深まる交流

今回のレセプションでは、ワイン業界で長く活躍されている大先輩や、久しぶりにお目にかかる方々との再会に加え、ご紹介を通じて多くの新しい出会いにも恵まれました。

特に印象に残ったのはスペインワインに真摯に向き合うソムリエの方々と、いつもより少し踏み込んだ話ができたことです。

スペインワインの個性や魅力をこれからの日本でどのように伝えていくか。以前からこの業界でご活躍されている専門的な知識と経験を持つ方々との会話は、私自身にとっても刺激に満ちたものとなりました。

 

櫻井一都さん、谷宏美さん、森本知佐子さん、筆者、 菊池貴行さん

 

会場にはCAVAとともに楽しめるタパスなど、立食スタイルの料理も用意されていました。美しく盛り付けられた料理が目に留まりましたが、実際にいただけたのは一品だけでした。懐かしい方との再会や新しい出会いが続き、話が尽きなかったためです。料理をゆっくり楽しめなかったのは少し心残りですが、それほど会話に夢中になれる時間だったことを、うれしく思います。

 

森本知佐子先生 Mateo Villaretシェフ

 

ワインを通じて知り合った方々と再会し、新たなご縁が生まれ、同じ関心を持つ方々と意見を交わす。こうした交流も、ワインに携わる楽しみの一つです。


2011年から伝え続けていること

スペインワインには、知れば知るほど興味をかき立てられる魅力があります。CAVAもその一つです。

2011年、スペインワインと食協会が発足した当時から、繰り返し伝えてきた思いがあります。

「乾杯はビールにする? シャンパンにする? それともCAVAにする?」
そんな会話が、ごく自然に交わされるようになってほしいのです。

あれから15年。日本でのCAVAの認知は、確かに広がったと感じます。レストランやワインショップで見かける機会も増え、以前より身近な存在になってきました。それは、CAVAに携わる多くの方々が積み重ねてきた努力の成果でもあるのでしょう。とはいえ名前を知っていることと、その多彩な魅力を知っていることは、必ずしも同じではありません。

シャンパーニュには親しみがあっても、CAVAの長期熟成による複雑さや、ブドウ品種、土地の個性による表現の違いまでは、まだ知らない方もいらっしゃると思います。
だからこそ、もっと幅広いスタイルに触れていただきたいのです。

これはシャンパーニュとCAVAの優劣を語ることではありません。それぞれに異なる産地の特徴や歴史、造り手の考え方があります。

大切なのはその違いを知り、自分の好みや料理、過ごす時間に合わせて自由に選べることではないでしょうか。ワインの知識は、難しい言葉を覚えるためだけのものではありません。自分にとっておいしいと思える一本に出会う可能性を広げてくれるものです。

まだCAVAを飲んだことがない方には、まず一度味わってみていただきたいと思います。そしてすでに親しんでいる方にも、ぜひ異なるスタイルを試していただきたいのです。

そこには、きっと新しい発見があります。

 

大滝 恭子さん、森上久生さん、筆者
3人でお写真を撮れたのは15年ぶり。大滝さんと初めてであった際、森上さんがブランドでワインをサーブしてくださいました。


乾杯の選択肢に、もっとCAVAを

今回の「Cava Prestige Reception」は、CAVAの品質と多様性に改めて目を向けるとともに、スペインワインに真剣に向き合う方々との交流を通じて、その魅力を伝え続けることの大切さを感じました。

2011年から願い続けているのは、CAVAが特別な知識を持つ人だけのワインではなく、誰もが自然に選べるスパークリングワインの一つになることです。

知ることで選択肢が増え、味わうことで好みが広がる。
その楽しさを、これからも伝えていきたいと思います。

次に乾杯の一杯を選ぶとき、ぜひCAVAも思い浮かべてみてください。

 

 

トップ写真について

トップ写真は、レセプション会場でご一緒した皆さまとの一枚です。

スペイン大使館経済商務部のゴンサロ・ラモス商務参事官、アルバ・モレノ=ルイス農業参事官、カタルーニャ州政府駐日代表のモニカ・カステリャー氏、L’estudiオーナーシェフのジョゼップ・バラオナ氏、一般社団法人全日本司厨士協会会長の宇都宮久俊氏、Tinc Ganaマネージャー兼シェフソムリエの菊池貴行氏にご一緒いただきました。



あわせて読みたい【CAVA関連記事】

CAVAについて、これまでに取材・執筆した記事もご紹介します。産地や造り手、熟成によるスタイルの違いなど、CAVAの魅力をさらに知るきっかけになれば幸いです。

[東京で出会うスペインCAVAの生産者「ペレ・ベントゥーラ(PERE VENTURA)」の魅力。ある夏の特集へと続く序章。]


[96カ月が育てた一杯。「ペレ・ベントゥーラ PERE VENTURA GRAN VINTAGE CAVA de Paraje Calificado Can Bas 」]


 

Ikumi Harada

Tomoko Kato 加藤智子
 Journalist (Spanish Food Culture & Wine) & Editorial Producer

福岡出身のジャーナリスト/スペイン食文化・ワイン専門、編集プロデューサー。料理人、ワイン販売、広報・PRを経て、輸入・販売の(株)LA PASIONを設立し、インポーター業は17年目を迎える。2011年「スペインワインと食協会」を創設し、スペイン食文化とライフスタイルを軸に多くのイベントや講座をプロデュース。ジャーナリストとしてスペイン州政府、企業団体や生産者からの招聘を受け、現地展示会や生産者プレスツアーに参加するほか、取材、イベント企画を行う。協会公式サイトおよびWebマガジン「LOHASPAIN」は編集長として、コンテンツ企画・構成・執筆を手がけ、スペインワインと食文化の魅力を国内外に発信中。
GPE スペイン・ワイン・テロワール・ディプロマ|Spanish Wine Specialist・Spain's Pantry(ICEX公認)|オリーブオイルソムリエ®

@ tomoko_kato_lapasion