【特別編】東京から味わう、スペイン
長野·飯島町で出会った森の恵み「クロモジ」とスペインのオリーブオイル
Tomoko Kato Tokyo 30 Julio ,2026
東京を飛び出し、長野県飯島町(いいじままち)へ。
日本の森の恵み「クロモジ」とスペインから届いたオリーブオイルが出会った特別な時間をお届けします。

岡本さんが管理運営するiiネイチャー春日平(@ii_nature_nagano)にあるトレーラーハウスからみえる景色(南アルプス)
7月26日、長野県飯島町へ伺ってきました。
きっかけは、わたしたちがお届けしているスペイン産エキストラバージンオリーブオイルをつかった石けんづくりのワークショップが「いいじま森の会」の精油工房にて開催されることになったためです。

「いいじま森の会」の精油工房
今回の主役は、オリーブオイルだけではありません。この町の豊かな森に自生する「クロモジ」という植物の恵み。そして、その価値を未来へつないでいこうと活動されている人たち。
そこにスペインから届いたオリーブオイルが出会い、ひとつの形になりました。

傘山(からかさやま)に自生するクロモジの木と、「いいじま森の会」会長の福田富穂さん
7/27に開催されたクロモジの森(傘山:からかさやま)ネイチャーウォーク時に撮影
オリーブオイルがつないだ石けんづくり
実現した背景には、二つの大切なご縁がありました。
おひとりは、長野県飯島町に移住して2年目を迎え「地域おこし協力隊」として活動されている岡本尚子さん。オリーブオイルソムリエとして、オリーブオイルのある暮らしを大切にしながら、「いいじま森の会」(@iijimamorinokai)のメンバーとしても、地域にある自然や素材の魅力を未来へつなぐ活動に取り組まれています。

主催:「地域おこし協力隊」岡本尚子さん
この夏には、飯島町の自然を未来へつないでいくためのプロジェクトとして、将来の特産化を目指したオリーブの植樹イベントが開催されました。町長をはじめ地域の方々で行われた植樹は、これからの町の可能性を育てていく大切な歩のスタートです。
詳細はこちらから:(飯島町HP 地域おこし協力隊 6月の活動ページより)
今回の企画は、オリーブオイルをつかってクロモジの魅力を届ける方法として考えたそうです。
もうおひとりは、石けんづくりの認定資格をもち、都内のアトリエ「海と森と私たちの石けん12airs.」にてオリーブオイルをつかったコールドプロセス製法の石けんづくりを教えている齋藤藍さん(@12_airs)。素材が本来もつ魅力を大切にするため、オリーブオイル選びにも強い想いを持っていらっしゃいます。

「海と森と私たちの石けん12airs.」主宰 齋藤藍さん
また岡本さんと齋藤さんが出会われたのは、一昨年のスペインイベントでした。その後、岡本さんがオリーブオイルをつかった石けんづくりを考えた際、心に浮かんだのが齋藤さんだったそうです。
素材を大切にするお二人の想いが重なり、今回の特別なワークショップが実現しました。
どちらかおひとりだけでは、この時間は生まれなかったと思います。

飯島町に自生する「クロモジ」の恵み
石けんにふんだんにつかわれる「クロモジ」という素材。これは「いいじま森の会」(https://iijimanomori.jp/)の方々のご協力から実現したそうです。

「いいじま森の会」会長の福田富穂さん 7/27に開催されたクロモジの森(傘山:からかさやま)ネイチャーウォーク時に撮影
「いいじま森の会」とは「自然保護・町の活性化・人の交流」を目的に、自生するクロモジの森を守り活かし、町の特産品としてクロモジを活用した商品開発や流通を手がけられているところ。

今回の石けんづくりも、このクロモジの魅力を暮らしのなかへ届けていく取り組みの一つでした。傘山(からかさやま)から採取・蒸留された貴重なクロモジの精油と蒸留水。その自然の恵みをたっぷりとつかい、肌にも自然にもやさしい石けんをつくる。そこには、この土地を大切に思う人たちの想いが込められていました。
素材を慈しむ、齋藤さんの石けんづくり
今回講師を務められた齋藤さんとのご縁も、わたしにとって特別なものです。齋藤さんがつくられるエキストラバージン・オリーブオイルをつかったコールドプロセス製法の石けん。

実はわたし自身、この石けんの大ファンです。以前は、自分に合う石けんを探し、色々と試して「石けんジプシー」のような時期がありました。最終的に自分でつくるしかないという境地になり、そんな時にご縁をいただいたのが齋藤さんの石けんだったのです。
仕事柄、さまざま石けんを試す機会がありますが、やはり「この石けんがいいな」と感じます。それほど素材へのこだわりと、真摯な手仕事の魅力に惹かれています。
今回、この大好きな石けんづくりの場に、わたしたちのオリーブオイルも仲間として加えていただけたことを、とても嬉しく感じています。

クロモジの精油を使ったクロモジ石鹸: 地域おこし協力隊HPより
「クロモジ」の香りと、スペイン産オリーブオイルの出会い
ワークショップでは、齋藤さんのこだわるコールドプロセス製法による石けんづくりが行われました。素材が持つ魅力をできるだけそのまま活かすため、時間をかけてつくられる石けんです。

そこに加わったのが、スペイン産エキストラバージンオリーブオイル。
オリーブの実から生まれるオイルと、飯島の豊かな自然に自生する「クロモジ」という植物。
生まれた場所は遠く離れています。しかし自然に敬意を払い、その恵みを大切にして、人の暮らしを豊かにする形で届けたいという想いは、確実に同じ方向を向いていました。

展望台:7/27に開催されたクロモジの森(傘山:からかさやま)ネイチャーウォークにて
オリーブオイルの新しい楽しみ方
ワークショップは2回開催されました。
石けんづくりでは、オリーブオイルのテイスティングも取り入れてくださっていました。
普段は料理につかうオリーブオイルですが、石鹸づくりを通して別の視点から香りや味わいも実際に感じていただく。これは、その奥にある産地や作り手の想いにも触れていただけたのではないかと思います。

当日は、岡本さんと齋藤さんのお心遣いで、わたしからもオリーブオイルについてお話しする時間をいただきました。産地、品種、香りや味わいの楽しみ方、長野の夏野菜との組み合わせなど、オリーブオイルが暮らしの中でどのように楽しめるものなのかを、皆さまと一緒に味わう時間となりました。
皆さまが熱心に耳を傾けてくださる姿が、とても印象に残っています。

左から「いいじま森の会」岡本尚子さん、副会長兼クロモジ商品開発担当の伊藤秀一さん、会長 福田富穂さん、
第2回には「いいじま森の会」の会長 福田富穂さん、副会長兼クロモジ商品開発担当の伊藤秀一さんも参加されました。地域の素材をどのように活かしていくか、人と人との交流をどのようにつないでいくか、そんな想いが集まる時間となりました。

参加者の方々がつくったクロモジづくしの石けん
講座が開催された当日は、地元メディアも取材に訪れ、後日、新聞やYahoo!ニュースでもこの取り組みが紹介されました。クロモジの魅力を伝える活動が、広く発信されていることを感じる出来事でもありました。

講座後のインタビューの様子:インタビュイー宮下さん
人と人が出会うことで生まれるもの
今回の飯島町での時間を通して、あらためて感じたことがあります。
オリーブオイルは、料理のためだけのものではなく、人と人をつなぎ、土地や文化の境界を超えて、暮らしを豊かにしてくれるもの。だからこそ、わたしにとって食品だけではなく、日々の暮らしに寄り添う「ライフスタイル」そのものなのだということです。

岡本さんが管理運営も担当するiiネイチャー春日平(@ii_nature_nagano)にあるオリーブの苗木
スペインで育ったオリーブが、飯島の地で大切にされている植物「クロモジ」と出会う。
そのあいだには、オリーブを育てる人や自生する森を守り届ける人、想いを形にする人、そして届ける人がいます。
ひとつのものが生まれる背景には、たくさんの人の手と想いがあるところも同じです。

iiネイチャー春日平(@ii_nature_nagano)には、 愛犬と泊まれる専用ドッグラン付きのトレーラーハウスも
今回、このような素晴らしいご縁に立ち会わせていただけたことに、心より感謝しています。岡本さん、齋藤さん、いいじま森の会の皆さま、そしてご参加いただいた皆さま。
本当にありがとうございました。

7/27に開催されたクロモジの森(傘山:からかさやま)ネイチャーウォーク
これからも、スペイン産オリーブオイルを通じて生まれる出会いやつながりを大切にしながら、素材の魅力はもちろん、その背景にある人の想いやエピソードも、心を込めてお届けしていきたいと思います。

「クロモジ」の実:7/27に開催されたクロモジの森(傘山:からかさやま)ネイチャーウォークにて
スペインワインと食協会プロデュース「スペインワインと食大学」とは
企業と一般の人々のプラットホームとなるオトナの学び場「スペインワインと食協会(=スペ食大学)」を開催しています。
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スペインワインと食協会( @spainwinefood_japan)とは
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スペインワインと食大学運営:スペインワインと食協会(日本事務局/(株)LA PASION加藤 スペインオフィス/原田)
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Tomoko Kato 加藤智子
Journalist (Spanish Food Culture & Wine) & Editorial Producer
福岡出身のジャーナリスト/スペイン食文化・ワイン専門、編集プロデューサー。料理人、ワイン販売、広報・PRを経て、輸入・販売の(株)LA PASIONを設立し、インポーター業は17年目を迎える。2011年「スペインワインと食協会」を創設し、スペイン食文化とライフスタイルを軸に多くのイベントや講座をプロデュース。ジャーナリストとしてスペイン州政府、企業団体や生産者からの招聘を受け、現地展示会や生産者プレスツアーに参加するほか、取材、イベント企画を行う。協会公式サイトおよびWebマガジン「LOHASPAIN」は編集長として、コンテンツ企画・構成・執筆を手がけ、スペインワインと食文化の魅力を国内外に発信中。GPEスペイン・ワイン・テロワール・ディプロマ、オリーブオイルソムリエ®、Spanish Pantry(ICEX公認)。