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東京から味わう、
スペイン

東京から、スペインの食とワインを見つめます。東京だからこそ感じ取れるスペインの現在地と、その先につづく物語。その味わいをあなたと一緒に味わっていけたらと思います。

バレンシアを旅するように学び、味わい、つながる「第18回スペインワインと食大学」開催レポート

バレンシアを旅するように学び、味わい、つながる「第18回スペインワインと食大学」開催レポート

今回の第18回スペインワインと食大学では、「スペインワインとオリーブオイルから食文化を体験する」というコンセプトのもと、テーマを「バレンシア」に設定しました。
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このテーマを選んだ理由は、講師のお二人にあります。
講師 田川敬子さんはバレンシアに暮らし、現地からスペインの文化や食の魅力を発信されています。講師 常田聡史さんも、かつてバレンシアで生活し、その土地を深く知るお一人です。
お二人がそれぞれの立場から見つめてきた「バレンシア」だからこそ、その土地の歴史や文化、人々の暮らし、ワインやオリーブオイル、食文化までガイドブックには載っていないような奥深い魅力をお届けできると考え、テーマに決まりました。

 

ご参加の皆さまには大学では初の試みとして「バレンシアをイメージした装い」を呼びかけたところ、講義に加えて、料理やワイン、空間、そして参加者一人ひとりの装いまで、会場全体でバレンシアの世界観を楽しんでいただく一日に。

講義で学び、料理を味わい、ワインを楽しみ、人と語り合い、文化を持ち帰る。
そんな五感で学ぶ一日を、講師陣、そして共催のバーゼルさんとともにつくり上げることができました。

蒸し暑い夏の日だったので到着後にはウエルカムドリンクとして「スペイン産シェリービネガーの炭酸割」をご用意。
半数以上は東京23区からご参加の方々、遠方の方も含めて全員がご来場くださり、この日への期待を感じるスタートとなりました。



「ここで開催したい」と決めた、あの日のランチ


今回の開催には、ひとつのきっかけがありました。

昨年12月、バーゼルグループ 豊田店にいらっしゃる秋山さんにお声がけいただき、初めてこちらのレストランでランチをいただいた時のこと。店内に入った瞬間にピン!と衝撃が走ったことを今でも覚えています。

 

 

「次の大学は、ぜひここで開催したい」と、突然に。
ワクワクする気持ちをどうにか落ち着けながら、料理、ワインを味わいました。

 

 

空間の心地よさ、スタッフ皆さんの自然で温かなサービス、そして店全体から伝わるチームワークをその場で体感し、食事を終える頃には、直感がすでに予定に変わっていました。

 

 

数ヶ月後に、今回のイベントを担当された伊藤さんと鷲尾シェフからオファーをいただく形で、今回の開催を実現することができたのです。




講義から始まる、文化との出会い


今回も、第一線で活躍する講師お二人をお迎えし、スペイン産オリーブオイルとワインについて講義をしていただきました。知識だけを伝えるのではなく、その土地で暮らす人々の文化や背景まで紐解いてくださる講義は、まさに旅をしているような時間だったのでは。
熱心にメモを取る姿や、うなずきながら耳を傾ける参加者の表情がとても印象的でした。

 

 

スペイン産オリーブオイル 【講師:田川敬子氏】

サプライズで、テーマにしたバレンシアのご紹介をしてくださった後に、オリーブオイルの講義が始まりました。講師 田川さんだからこそ伝えられる現地の情報をふんだんに取り入れた内容は、他にはありません。そのうえまだ日本には輸入されていないバレンシア産のオイルも登場。そこに加え、品種の違い、作り手のこだわりがわかるオイルを絡めて、4種のテイスティングがありました。

 

 

スペインワイン 【講師:常田 諭史氏】

@satoshi_tsuneda

「コルピナット」という、スペイン産スパークリングワインの乾杯のあと、ワイングラスを目の前にリアルに味わいながら、講師 常田さんがワインの講義をしてくださいました。
東京在住ですが頻繁に現地を訪問されている常田さんならではの内容でした。
テーマに合わせた「バレンシアワインについて」だけでなく、政府観光局からバレンシアの資料を皆さんにご用意してくださっていたことは、当日の驚きでもありました。地図もあり、持っていたい内容が詰まっていましたね。

 

講義を終える頃には、参加者の皆さんの表情から「早く料理と次のワインを味わってみたい」という期待が伝わってきました。


 

乾杯のタイミングに込められた、小さな工夫

 

講義のあとは、共催レストランの有限会社バーゼル洋菓子店 渡辺社長より乾杯のご挨拶をいただきました。実は今回の進行には、当日だからこそ生まれた小さな工夫がありました。

 

有限会社バーゼル洋菓子店代表取締役  渡辺 純さん

 

当初は二つの講義を終え、乾杯を行う予定でした。しかし当日は朝から暑い気温だったこともあり、会場全体の流れや雰囲気をみた常田さんから「せっかくならワインは講義を聞きながら味わっていただきましょうか」と提案があったのです。そこで急きょ、乾杯をワイン講義の前に行うことになりました。

その判断は結果的に大正解でした。というのも参加者の皆さんがグラスを片手に、実際にワインの香りや味わいを確かめながら講義を聞くことができ、言葉だけでは伝わらない魅力を五感で体験していただける時間となったからです。

 

Nadal Brut Reserva NV (泡)
Corpinnat

 

一方で、この変更にはもう一つの工夫が必要でした。この日の乾杯はコルピナット(発泡性ワイン)。最もおいしい状態で楽しんでいただくためにグラスへの注ぎ置きはせず、乾杯直前に一杯ずつ丁寧にサーブしてもらう必要がありました。そのため参加者全員の手元にワインが行き渡るまでには、どうしても少し時間がかかります。渡辺社長が咄嗟に、その時間を自然につないでくださいました。

 

 

社長は、会場全体にさりげなく目を配りながら、グラスが配られる様子に合わせてお話の長さを柔軟に調整。しかもメモに頼ることなく、スペインに寄り添った興味深いお話まで途切れることなく紡がれていた姿は、とても印象的でした。

講師の常田さんの的確な判断と、渡辺社長の細やかな気配り。臨機応変なスタッフの皆さんの対応。その自然な連携があったからこそ、参加者の皆さんにとって、より豊かな時間をお届けすることができたのだと感じています。


 

味わうコース料理とワインペアリング


ここからは「学ぶ」から「体験する」へ。いよいよ料理とワインを楽しむ時間がスタートしました。まさにスペインワインと食大学ならではの時間が始まります。

 

SanBlas Blanco 2020 (白)
D.O.Utiel Requena

 

この日だけのために鷲尾シェフが考案したコース料理は、スペイン料理とバレンシアのテーマを表現した特別なメニューでした。


Frío
ピコスと生ハム ハモントレベレス、パン・コン・トマテ、オレンジサラダ
トルティージャ・エスパニョーラ、エスカリバーダ

 

 

料理が運ばれると、その華やかな一皿に会場のあちこちで思わず「うわぁ・・・!」と、感嘆の声が上がりました。料理一皿ごとにスペインワインが寄り添い、それぞれの味わいが互いを引き立てます。

 

Pasión de Bobal Rosado 2024 (ロゼ)
D.O.Utiel Requena

 

Caliente
コカ・デ・トマテ、アルボンディガス、大山どりのパエリア

 

 

「講義で聞いた話が、この味につながるんですね。」

そんな声も聞こえ、料理とワインを通して知識が体験へと変わっていく様子が伝わってきました。

 

SanBlas Las Hormas 2020 (赤)
D.O.Utiel Requena

スタートの発泡ワインから最後の赤ワインまで、絶妙な温度を調整くださった常田さん。
ワインの提供時はとくに、以前ソムリエとしてレストランでご活躍だったことを思い出すような動きをされていました。

 

Principal
三元豚のグリルローズマリー

 

参加者からは、「またこの料理を食べに来たい。」、「ペアリングが素晴らしい。」、「いつも期待を超えてくるね!」などと、テーブルを通りかかるたびにお声かけをいただきました。

嬉しいコメントは、鷲尾シェフにお伝えしています。


講師陣もテーブルへ。会場中に広がる会話


食事が始まると、講師のお二人はオリーブオイルやワインを片手に各テーブルを回りながら参加者との交流を深めてくださいました。

 

 

講義では聞けなかった質問、オリーブオイルに驚いたこと、ワイン選びの相談、「バレンシアに行ったことがあるんです」、と旅の思い出などなど。

 

 

テーブルごとに笑顔が広がり、初対面同士とは思えないほど会話が弾んでいました。



「チーム」でつくり上げた一日


このイベントは、講師だけでも協会だけでも完成しません。

 

バーゼルパブリックハウス 副店長:池田さん

 

担当してくださった副店長 池田さんを中心に、伊藤店長、サービススタッフの皆さんが会場全体を見渡しながら動きまわってくださいました。

 

 

鷲尾シェフと厨房スタッフの皆さんも、お忙しいなか調理の合間に、カウンター越しに参加者の様子を見守ってくだいました。

 

バーゼルパブリックハウス  鷲尾シェフ

 

最後には、皆さんから一言ずつ、いただきました。

バーゼルパブリックハウス 店長:伊藤さん(右)副店長:池田さん(左)

 

渡辺社長をはじめ、レストランの皆さま全員が「今日を最高の一日にしたい」という思いで動いてくださっていることが伝わってきました。


 

サプライズで贈られたベストドレッサー賞


食事の締めくくりには、講師の田川さんからの提案によるサプライズ企画「ベストドレッサー賞」が行われました。

 

ベストドレッサー賞:第3位

 

今回のテーマ「バレンシア」をイメージした装いの参加者の中から、講師と筆者で密かに3名を選出。名前が呼ばれると会場から温かな拍手が起こり、田川さんがご用意くださったプチギフトが贈られました。

 

ベストドレッサー賞:第2位

 

テーマを学ぶだけでなく、装いでも楽しむ。そんな遊び心が、会場をさらに笑顔で包みました。

 

ベストドレッサー賞:第1位



初めて会った人同士が、仲間になる


今回の参加者の多くはスペインワインと食大学が初めてでした。一方で、毎回足を運んでくださるリピーターの方々も約10名。

 

それでも講義、料理、ワイン、交流を通して、会場全体が一つになっていきました。

 

初参加だから、リピーターだから、という垣根はいつの間にかなくなり、同じ文化に興味を持つ仲間として語り合う姿が、あちらこちらで見られました。

 

 

スペイン関係の方々、オリーブオイルのソムリエやテイスター、ワイン愛好家やソムリエ、ワイン醸造家、レストランのオーナーだったり。

 

スペイン語を学んでいる方々や、インポーターの方々。

スペインワインもオリーブオイルにもまったく関係していなくて、美味しいもの好きな方々。

 


遠方からお越しの方、レストランの常連さま。

 

50名を超えると、ご参加くださる皆さまの背景もさまざま。
ひとつ言えるのは、どのお写真を見ても、皆さんのお顔が楽しそうなこと。

中締めのあとに撮影した集合写真には、その温かな空気がそのまま映し出されています。どの写真からも、この日の一体感が記事を読んでくださるあなたにも伝わっていることと思います。

 

 

学びを、暮らしへ持ち帰るマルシェ


集合写真の後は、イベント限定で開かれるクローズドなマルシェ「メルカディージョ」の時間。

大人気の焼き菓子、イベントに登場したスペインワイン、テイスティングと料理につかわれたオリーブオイル、ウエルカムドリンクでご紹介したシェリービネガーがずらりと並びます。多くの参加者が足を止め、お気に入りの商品を手に取ってくださいました。

 

 

講義で学び、料理とワインを味わい、その価値を実感したからこそ「家でも楽しみたい」「家族にも味わってほしい」という気持ちが自然に生まれたのだと感じました。

 

 

知識が体験となり、体験が日常へとつながる。
その光景は、私たちが目指すスペインワインと食があるライフスタイルの姿そのものでした。



文化との出会いは、これからも続いていく


スペインワインと食大学は、知識だけを学ぶ場ではありません。
文化に触れ、人と出会い、その魅力を自分の暮らしへもち帰る場です。

今回も新しい出会いが生まれ、多くの笑顔が交わされました。
ご参加くださった皆さま、講師の田川さん、常田さん、渡辺社長、池田副店長、伊藤店長、シェフ、秋山さんをはじめとするレストランの皆さま、そしてこの日をともにつくり上げてくださったすべての方々に心より感謝申し上げます。

 

スペインワインと食協会 加藤智子

 

この日の知識と体験は、これから先も皆さまの暮らしを豊かにしてくれる大切な財産です。だからこそワインを選ぶ時間も、料理を味わう時間も、旅をする時間も、これまで以上に楽しいものになっていくと考えています。

一日で終わるはずのないスペインワインや食文化との出会い。
その向こうにある人との出会い、旅、そして日々の食卓を通して、幾重にも重なり合いながら少しずつ育っていきます。
今回のひとときが、初めての方にとってスペインワインと食文化との新しい物語の始まり。そしてリピーターの皆さんにはこれまでの続き。
そうなっていけば、これほど嬉しいことはありません。

これからもスペインワインと食協会は、「学ぶ」「味わう」「つながる」を大切に、一過性ではないスペインワインと食文化の魅力をお届けしてまいります。

次回のスペインワインと食大学は秋を予定しています。
ぜひ皆さまとお会いできますことを楽しみにしております。


 


 

ご依頼・ご相談について

本イベント終了後には、新たなイベント企画や登壇に関するご相談・ご依頼もいただきました。
スペインワインと食に関するイベント企画・運営、コミュニティづくり、登壇などのご相談を承っています。
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スペインワインと食協会プロデュース「スペインワインと食大学」とは

企業と一般の人々のプラットホームとなるオトナの学び場「スペインワインと食協会(=スペ食大学)」を開催しています。

多くの人に知られていない「スペインワインと食」を見る、聞く、味わう、体験と、五感を使い楽しみながら、その業界の一流講師による貴重な講義を体験できます。ここでしか得られないリアルイベントならではの仲間との出会いは一生の宝物です。


 



スペインワインと食協会( @spainwinefood_japan)とは

スペインワインと食協会は、「スペインワインと食文化を囲み、高品質なスペインの魅力を皆さまと体感すること」を原点に、一過性ではないスペインブームを築く活動をしています。今後もスペインワインと食を真ん中に、新しい取組みや情報をご提供して参ります。

スペインワインと食大学運営:スペインワインと食協会(日本事務局/(株)LA PASION加藤 スペインオフィス/原田)

WEB:spainwinefood.org E-MAIL: info@spainwinefood.org

 

「スペインワインと食」に関する情報を、日本とスペインから、イベントの告知も含めて発信してまいります。最新情報をいち早く知りたい方は、毎週金曜日に配信しているスペインワインと食協会のニュースレター「LOHASPAIN」をご活用いただけたら幸いです。
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⭐︎スペインワインと食協会プロデュースWEBマガジン「LOHASPAIN」@lohaspain


 



Ikumi Harada

Tomoko Kato 加藤智子
 Journalist (Spanish Food Culture & Wine) & Editorial Producer

福岡出身のジャーナリスト/スペイン食文化・ワイン専門、編集プロデューサー。料理人、ワイン販売、広報・PRを経て、輸入・販売の(株)LA PASIONを設立し、インポーター業は17年目を迎える。2011年「スペインワインと食協会」を創設し、スペイン食文化とライフスタイルを軸に多くのイベントや講座をプロデュース。ジャーナリストとしてスペイン州政府、企業団体や生産者からの招聘を受け、現地展示会や生産者プレスツアーに参加するほか、取材、イベント企画を行う。協会公式サイトおよびWebマガジン「LOHASPAIN」は編集長として、コンテンツ企画・構成・執筆を手がけ、スペインワインと食文化の魅力を国内外に発信中。GPEスペイン・ワイン・テロワール・ディプロマ、オリーブオイルソムリエ®、Spanish Pantry(ICEX公認)。

@ tomoko_kato_lapasion