「オリーブオイル」は、とても身近なオイルになってきました。
私自身、最近ではオリーブオイルを購入したことがない方にお会いしたことがありません。このサイトをご覧の方は、オリーブオイルを世界でいちばん生産している国がスペインであることを知っている方も少なくないのでは。
今や、なくてはならない油ともいえるオリーブオイル。
おいしい食べ方、上手な選び方、栄養に始まり、製造方法や歴史や世界のエピソードなどオリーブオイルの世界も広いです。
とはいえ、一度にすべて説明をするには膨大な量になります。そこで読み進めるうちに、自然と詳しくなっていくように数回に分けて綴っていきますね。
「オリーブオイルの分類」について
オリーブオイルの分類は、国際オリーブ協会が定める規格からご紹介します。
国際オリーブ協会(IOC)とは、国際連合が1959年に設立した政府間機構です。加盟国の割合だけで、世界のオリーブ生産量の98%を占める協会です。
国際オリーブ協会は、通称IOC(International Olive Council)と呼ばれ、スペインのマドリードにあります。ちなみに日本は加盟していません。
等級の基準となる「酸度」について
酸度は、オイルの中にある遊離脂肪酸の量を示す数値です。オリーブの新鮮さや品質に関連しています。酸度が低いほど、オリーブオイルは新鮮で高品質であると考えられます。ただし、酸度はオリーブオイルの味や風味と直接的な関係はありません。オリーブオイルの風味は、品種、成熟度、土壌条件、加工方法などの要素によって異なるため、酸度だけで品質を判断することはできません。
オリーブオイルは、細かく分けると9つの分類があります。
■ヴァージンオリーブオイル類
バージンオリーブオイルとは、オリーブの実を物理的に搾っただけのものを指します。薬品を使ったり化学処理をしたり、精製をしていません。
等級は4つに分かれています。
・エキストラヴァージン・オリーブオイル(*LOHASPAINで取り扱っているオイル)
酸度0.8%以下
品質の高さと風味の豊かさから、最上級のオリーブオイルとされています。産地や品種の個性や味わいも楽しめるオイルです。
・ヴァージンオリーブオイル
酸度2%以下
ヴァージンオリーブオイルはエキストラバージンオリーブオイルに比べて品質や風味がやや劣るとされるため、特に高品質なオリーブオイルを求める場合にはエキストラバージンオリーブオイルを選ぶことが推奨されます。日本には輸入されていません。
・オーディナリーヴァージンオリーブオイル
酸度3%以下
オーディナリーヴァージンオリーブオイルは、エキストラバージンオリーブオイルやヴァージンオリーブオイルより品質や風味が劣るため、特に高品質なオリーブオイルを求める場合には、エキストラバージンオリーブオイルを選ぶことが推奨されます。日本には輸入されていません。
・ランパンテヴァージンオリーブオイル
酸度3.3%超え
灯油という意味の語源。風味や香りが劣るため、そのまま販売することが禁じられています。通常の食用としては利用されず、さらなる加工処理が必要です。精製処理をして酸度を下げ、食用可能な状態にされます。
■精製オリーブオイル
酸度0.3%以下
ヴァージンオイルを科学的に精製したもの。
■オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)
酸度1.0%以下
精製オリーブオイルにヴァージンオイルをブレンドし、風味や香りを保管したもの。
■未精製オリーブポマースオイル
制限なし
ヴァージンオイルの搾りかす(ポマース)に科学溶剤を加えて抽出したもの
■精製オリーブポマースオイル
酸度0.3%以下
未精製オリーブポマースオイルを精製したもの
■オリーブポマースオイル
酸度1.0%以下
精製オリーブポマースオイルとヴァージンオリーブオイルをブレンドした食用オイル。「オリーブポマースオイル」と表記することが義務付けられています。
ちなみに日本のオリーブオイル基準は、2つです。
(日本はIOCに加盟していません。)
・オリーブ油
酸度2%以下
・精製オリーブ油
酸度0.6%以下
まとめ
いかがでしょうか。
オリーブオイルは「オリーブの実を搾ったものだけだと思っていたのにこれだけの分類があるの?」と、驚いた方もいらっしゃるかもしれません。
日本のオリーブオイル基準が世界と同じではないことを初めて知った方も多いのでは。
LOHASPAINのStoreでは、エキストラバージン・オリーブオイルのみをご紹介しています。
「オリーブの実を搾っただけのオリーブジュース」として品質や味わいが最高とされるものです。
シンプルながら、深く広いオリーブオイルの世界です。
世界一の生産国がスペインですから、LOHASPAINではオリーブオイルについて掘り下げてお伝えしていきます。
次回もお楽しみに。
【参考文献】
・植物油の事典 監修 山田豊文
Tomoko Kato
Editor-in-chief
短大卒業後、パティシエをスタートして食の世界一筋25年。スペイン産オリーブオイルに一目惚れし、輸入して13年。好きなものは、ワインとドラマと読書。3児の子育てと仕事に奮闘中。調理師、オリーブオイルソムリエ、スペインワインと食協会・共同代表。福岡県出身。