Tips from the Spanish lifestyle

LOHASPAIN(ロハスペイン)は、スペインの食文化から
「幸福と健康」のヒントを発見、発信します。

地中海食と和食の共通点

和食と地中海食がそれぞれ健康によいといわれています。

世界中で「長寿食」と「短命食」等の調査をした医師による書籍の中から、和食と地中海食の比較についてピックアップしました。私たちにとって身近な和食の素晴らしさも一緒にご紹介します。

 

リアルに世界の現地調査をして分かった和食のすばらしさ

 

25カ国61地域で30年以上をかけて現地調査をしてきた医師のもとには、2万人以上の尿や血液のデータが集まったそうです。そこから出された結論のうちの一つは、世界一の長寿食は和食ということ。

地球を何周もして得られた結果には、強い説得力を感じる方も多いかもしれません。

 

 

ポイントは「魚と大豆」

 

健康で長生きという視点から考察すると、和食のなかでも「魚と大豆」がスペシャルなコンビネーションになるそうです。なぜなら魚のタウリン、大豆のイソフラボンによって若々しい血管を保つことができるため。

「血液サラサラ」が健康に良いことや、「血管の衰えは老化につながる」と、初耳の方も少なくないはずです。

 

 

海のもの、山のもの

 

「海の幸、山の幸をバランスよく食べよう」ともいわれます。

魚や魚介類、海藻類という海の幸にタウリンが多く含まれること、山の幸は、大豆、穀物やキノコに加え、種実類に含まれるマグネシウムも賢く摂るようにおすすめされていました。

 

 

「まごわやさしいよ」

 

食べ方として、「まごわやさしい」ではなく、書籍には「まごわやさしいよ」と出てきます。

「よ」を加えて提案されているのです。

 

ま・・・豆類

ご・・・胡麻などの種実類

わ・・・ワカメなどの海藻類

や・・・野菜

さ・・・魚

し・・・椎茸などのキノコ類

い・・・イモ類

よ・・・ヨーグルト

 

調査によるとヨーグルトの代わりに牛乳でも良いそうですが、牛乳を飲めない方はヨーグルトで代用できるからだそうです。

筆者は個人的に牛乳だけで得られるものより、発酵食品としてのヨーグルトの方がより良い気がしています。(発酵についての記事はこちら

 

 

地中海食と和食からわかる共通の栄養素

 

スペインを含む地中海沿岸地域を6カ国、地中海と離れている欧米地域を6カ国、沖縄を含めた日本の6地域を比べ、どんな共通点があるか調べたそうです。

そこからあぶり出された長寿の要素は2点、タウリンとマグネシウムです。

先にもあるように、タウリンは魚介類です。そしてマグネシウムは、日本だと大豆から、地中海ではナッツから摂取することが多いとのことでした。

ナッツといえば、まさにアーモンドやクルミ。とくにスペイン産アーモンドの炙りたての味わいをぜひ体験していただきたです。

また地中海の人から検出されたイソフラボンは、ひよこ豆に含まれるイソフラボンと予測されているとのこと。たしかにスペイン料理にもひよこ豆が使われたものがありますね。

 

 

 

まとめ

 

「タウリンとマグネシウムこそは’生命の素”と述べてきましたが、地中海と和食、2つの長寿食は見事にこの’生命の素”をしっかり摂っていたのです」

生命の素と表現されるほど、地中海食と和食には大切な要素があるのですね。

地中海食と和食の共通点という視点は、知っておくと役に立つことだと思いました。「健康のために和食をできるだけ取り入れよう!」だけでなく、「和食と地中海食に共通するタウリンとマグネシウムをしっかり摂取しよう!」と理解できるからです。

きっちりした和食や地中海食にこだわらず、和食のエッセンスを地中海食で代用ができ、また逆も然りだからです。

この記事を読んでらっしゃる方は、日本に在住の方ばかりではなく、スペインやその他の海外に在住の方も少なくありません。せっかくスペインにいるから、魚介はムール貝とヒシコイワシを食べよう、などと、その土地の食材から取り入れていけます。

食材が違っても和食と地中海食のポイントを理解して自分に必要な栄養素がわかっていれば、応用も効きます。

もちろんどんな栄養素にも言えますが、「そればっかりでOK」などはなく、自分に合うかどうかや、バランスが大切です。

この書籍にもそういう説明はしっかりありました。和食の欠点は、食塩が多いということも。

 

今回の「地中海食」は栄養素や食事にフォーカスしています。地中海食はもうひとつ、生き方とかライフスタイルの視点でもとても魅力があります。次回以降は、そちらにフォーカスした記事をお届けしたいと考えています。

 

 

 

【参考文献】

・遺伝子が喜ぶ「奇跡の令和食」 家森 幸男

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Tomoko Kato
Editor-in-chief

短大卒業後、パティシエをスタートして食の世界一筋25年。スペイン産オリーブオイルに一目惚れし、輸入して13年。好きなものは、ワインとドラマと読書。3児の子育てと仕事に奮闘中。調理師、オリーブオイルソムリエ、スペインワインと食協会・共同代表。福岡県出身。

 

 

 

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