「塩は風味に何よりも大きく影響する」とも言われています。
味付けといえば、塩を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょうし、食材や料理においての塩の役割はもちろん、入浴時のボディスクラブにも登場するなど、奥深さも計り知れませんね。
岩塩と海塩、または天然塩と精製塩のちがい。
粗塩と細粒塩など粒の大きさがちがえば、そのつくられ方、産地の違い、使い方のちがいもあります。
そんな深い塩の世界から「天日海塩」について以下にその要点をまとめました。
■「塩の花」とは:
塩の花とは、濃縮した海水が結晶化を始める時に、最初に海水の表面に出来上がる結晶をさす。最初は小さな点でしかない塩の結晶が、徐々に大きく成長していく様が、花の開花のようであることから、その名がついたらしい。
日本経済新聞:まるで食べる宝石 世界中で愛される「塩の花」の魅力から一部抜粋
たとえばフランスではフルール・ド・セル(Fleur de sel)、
イタリアではフィオール・ディ・サーレ(Fiore di sale)、
そしてスペインにはフロール・デ・サル(Flor de sal)と呼ばれる海塩があります。「塩の花」という意味です。
真っ白ではなく、若干の灰色がかった色に見えるのは海の中の塩化マグネシウム等の多くのミネラルをひきつけるためです。
■天日海塩のメリット:
・天然の製法:海塩とは、その名の通り海の水を蒸発させてつくられる塩です。天日海塩は、自然の海水を蒸発させてつくられるため、化学的な処理を受けていません。
・塩の結晶:結晶の形がさまざまあります。海の水を蒸発させるときの速度のちがいから形が変わります。料理の際には、塩の形や大きさで味わいが変わります。ちなみに小さじ1でも、精製塩と未精製の塩では2,3倍のちがいがある事も。
・ミネラルと栄養素:これらの塩には、体に必要なミネラルや栄養素が豊富に含まれているため健康や体の機能に役立ちます。
■精製していない塩のメリット:
・自然な風味と風味のバリエーション:精製していない塩は、自然の風味やバリエーションがあります。それにより料理において、独特の風味を楽しむことができます。
■これらの塩を美味しく食べる方法としては、以下のポイントがあります:
・適量の使用:塩は料理に味を加えるために使われますが、適度な量を使うことが重要です。料理の味を引き立てるために必要な分量を計量しましょう。
・最後に仕上げに使う:たとえば粒の大きな結晶タイプの塩をパスタを茹でるときに使うより、料理の最後に仕上げに使うことをおすすめします。塩本来の風味やミネラルの豊かさが際立ちます。
・塩を楽しむ:さまざまな種類の天然の塩を試してみることで、料理に新たな風味を加えることができます。また料理を盛り付けるときに、塩の結晶が見えるようにすると、美しさも演出できます。
天日海塩や精製していない塩は、自然な製法で作られ、ミネラルや風味が豊かです。
適切な量を使って料理に加え、最後の仕上げに活用することで、美味しさと栄養を引き出すことができます。
楽しい食事を作るために自分好みの塩に出会い、最後の仕上げに味を決めてくれる塩の効果をぜひ体験してみてください。
【参考文献】
・SALT FAT ACID HEAT 著者 サミン・ノスラット
Tomoko Kato
Editor-in-chief
短大卒業後、パティシエをスタートして食の世界一筋25年。スペイン産オリーブオイルに一目惚れし、輸入して13年。好きなものは、ワインとドラマと読書。3児の子育てと仕事に奮闘中。調理師、オリーブオイルソムリエ、スペインワインと食協会・共同代表。福岡県出身。
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