中世からアーモンドは、当時の医者や聖職者からも尊重され、用途が広く、文化的にも意味を持つと言われています。
スペイン・カタルーニャでは料理本「セント・ソビの本(Libre de sent sovi)」(著者不明)に多くの革新的なレシピが掲載されたそうです。

欲しい魅力がこんなに! 内側から美肌をつくるアーモンドの成分。

アーモンドは、若返りにどのように関係するのでしょうか。

アーモンドは、抗酸化作用、糖尿病の改善やコレステロールを下げる、など内側から若返りのサポートをしてくれる存在です。すでに300近くの論文等で発表されているというのが嬉しいですね。

アーモンドにも旬があります。今回は採れたてスペイン産アーモンドの成分から7つの魅力を少しずつピックアップしてまとめてみます。

 

 

 

1.食材に含まれる「ビタミンE」は、アーモンドがNo.1。

オリーブオイルに含まれるビタミンとして前回取り上げたのが、ビタミンEでした。詳細はそちらに預けますが、アーモンドは、ビタミンB1、B2に加え、食材の中で最もビタミンEが含まれています。

世界的なアンチエイジングの研究でも、タンパク質とビタミンEが栄養素として推奨されています。

ビタミンEは、油を一緒に摂ることで、腸から吸収されやすい利点があります。上質な脂肪分を含むアーモンドをそのままいただくだけで叶いますね。

 *ビタミンの記事

 

 

 

2.加齢物質「AGEs

アーモンドは、老化を進める原因のひとつと言われる加齢物質「AGEs」(タンパク質と糖が結びついたもの)に対抗してくれます。

加齢により排出しづらくなるAGEs」の排除をし、身体に溜まることを防ぐ働きをします。くすみ、乾燥やたるみから私たちを守ってくれるスーパーフードといえます。アンチエイジング効果があると言われている所以です。

 

 

 

3.ホルモンバランスに嬉しい利点

アーモンドは、ホルモンにも関係しています。

体内でつくりだせない必須アミノ酸のうちのひとつ「トリプトファン」は、セロトニンやメラトニンなどホルモンの材料になってくれます。とくにセロトニンは、別名「幸せホルモン」とも呼ばれているもの。増やすことで、睡眠の質の変化、リラックスして、安心感が増えるなどとても重要なものです。

LOHASPAINの「健康と幸福」のテーマにもリンクしていますね。

 

 

4.食物繊維がたっぷり!

アーモンドは、さつまいもの5倍近くの食物繊維が含まれています。

不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のふたつに分けられる食物繊維のうち、アーモンドは不溶性食物繊維が含まれています。

食物繊維とオレイン酸により便秘の改善、発がん性の物質やアレルギー性の物質を体外に排出します。

腸内環境の改善は、内側からの美容としても必須ですね。

ちなみに「食物繊維たっぷり!」は、お得に感じて嬉しくなる筆者です。なぜなら幼少期からアレルギー体質で肌も弱く、睡眠不足になりがちだから。せめて栄養だけはと、不溶性と水溶性の両方を取り入れることを意識して助けられています。

 

 

 

 

5.ミネラルが豊富

以前の記事でミネラルに触れていますが、私たちにとって必須のミネラル。アーモンドに含まれるのは、カルシウム、鉄、亜鉛、銅、カリウム、マグネシウムなど。

マグネシウムはストレス、アルコールやカフェイン入りの飲み物を飲むと消費されます。カフェラテやワインのお供にアーモンドが相性抜群なのは、味わいだけでなく、ミネラル的にもバランスが良いのです。

 *ミネラルに関する記事

 

 

 

 

6.血行の改善

アーモンドの上質な油分は、悪玉と呼ばれるコレステロールを下げる働きがあります。血管がつまることから守り、血液の粘度を下げ、先のビタミンEにより血管をしなやかに強くすることが加わり、血行の改善につながります。

 

7.旬のアーモンドにある旨味を追求した先の副産物は、美肌と健康

 

アーモンドの花が咲き、散ったあとに実になります。スペイン・カタルーニャ州では、8月から9月初旬の収穫です。最適な時期を見計らって収穫されるアーモンドは、旨味をたっぷり含んでいます。

旬の風味を閉じ込めるために最短のスケジュールでパッキングされ、賞味期限はわずか6ヶ月。アーモンド本来の味わいをより引き出すため、油を一切使わず天然の海塩だけで仕上げます。

最高のローストアーモンドをつくるために、熟練の職人が炙ります。生産者は、味わい重視の観点からアーモンドの「薄皮をはがさず」に仕上げます。ローストする過程で、乾燥により薄皮がはがれかかります。しかしあえてそのまま残すのは、薄皮の旨みも届けたいから。

同時にこの薄皮に含まれる「レスベラトロール」などのポリフェノールが抗酸化力を発揮し、シミとしわ予防など美肌につながるのです。究極の味わいを求めていった先に、幾つもの副産物が得られる。こんな嬉しい偶然って存在するのですね。

 

 

まとめ

 

アーモンドの1日あたりの摂取量は、諸説あります。

5粒、10粒、20粒、23粒・・・いくらスーパーフードとはいえ、食べる方の年齢、体型、体質などそれぞれが違います。

相性もあると思いますから、ご自身にちょうどいい量を少しずつ試していくのが良いかと私は考えています。

 

紀元前から存在すると言われているアーモンド。

種子の仁(じん)にめいいっぱい含まれた素晴らしい魅力をダイジェストにして7つ、お届けしました。ご自身に合うアーモンドに出会い、ますます健康においしく味わっていただけますように。

 

 

 

 

 

【参考文献】

・アーモンドミルク 完全レシピ 長谷川 智永子
・栄養の教科書 中嶋 洋子

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Tomoko Kato
Editor-in-chief

短大卒業後、パティシエをスタートして食の世界一筋25年。スペイン産オリーブオイルに一目惚れし、輸入して13年。好きなものは、ワインとドラマと読書。3児の子育てと仕事に奮闘中。調理師、オリーブオイルソムリエ、スペインワインと食協会・共同代表。福岡県出身。

 

 

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