国際市場とのつながりを深めた高品質スペインワイン展示会
2月2日から4日まで、バルセロナで高品質スペインワインの展示会「バルセロナ・ワイン・ウィーク(BWW)2026」が開催されました。今年で6回目を迎える本展示会は、海外からのバイヤー参加が前回より25%増えるなど、国際的な広がりを感じさせる開催となりました。
来場者数は25,953人、出展ワイナリーは1,350軒にのぼり、スペインワインを世界へ紹介する場として、年々存在感を高めています。会場ではテイスティングやセミナーも数多く行われ、商談と情報発信の両面で充実した内容でした。
筆者も会場でさまざまな生産者に話を聞きましたが、多くの出展者から
「良い出会いがあった」
「新しい市場につながりそうだ」
という声が聞かれました。スペイン全土から90の原産地呼称(DO)が参加し、大手から小規模生産者まで幅広いワイナリーが集まったことで、スペインワインの多様さを改めて実感できる展示会となっていました。なお、出展者の約7割はDOの枠組みで参加し、残りは自社ブランドとして直接出展していました。

来場者の約20%は海外からで、世界73カ国から関係者が訪れました。スペイン国内からも、小売、専門卸、レストランやホテルなどHoreca部門を中心に約1,000名のバイヤーやディストリビューターが来場し、会場各所で活発な商談が行われていました。
世界的な専門家によるセミナーも充実
会期中は、ワイン批評家や醸造家、マスター・オブ・ワイン(MW)など138名の専門家が登壇し、テイスティングやカンファレンスが開催されました。
ワイン生産者の歴史や家族経営の継承をテーマにしたセッションもあり、スペインワインを「産地の背景」とともに理解する機会が多く用意されていた点も印象的でした。ジャンシス・ロビンソン氏の参加も話題となり、国際的な視点からスペインワインが語られる場となっていました。
日本市場への示唆(輸入・レストラン動向)
今回のBWWでは、海外バイヤーの増加に加え、Horeca部門を中心とした商談が印象的でした。これは日本市場においても参考になる動きであり、輸入業界・レストラン市場において、スペインワインの多様な産地や土着品種、小規模生産者の個性をいかに提案していくかが、今後ますます重要になると考えられます。国際市場での競争が進む中、日本においても「産地や作り手のストーリー」を軸とした発信と流通の強化が求められていると感じました。

スペインワインの魅力は、山と海の影響を受けた多様なテロワール、広がる有機栽培、代々守られてきた古木の畑、そして家族経営を軸に受け継がれる歴史と伝統にあります。さらに、新進気鋭の生産者たちの新しい試みや、世界一と称されるガストロノミーのレストランとの切磋琢磨の中で育まれる、フードフレンドリーなワインも大きな魅力です。そうしたスペインならではの背景が、一本一本のワインに確かな個性を与えています。BWWはその魅力を世界に発信する重要な国際展示会として年々存在感を高めており、スペインワインがさらに多くの市場と出会い、その価値が広く伝わることを願っています。
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Ikumi Harada 原田郁美
Journalist & Creative Director
スペインワインとガストロノミーを専門とするジャーナリスト。広告代理店でデザイナーとして経験を積み、クリエイティブな視点と戦略的思考を身につける。2005年のスペイン留学を機にワインと食文化に魅了され、以来その研究と発信に力を注いでいる。2009年から日本およびアジア市場におけるスペインワインの輸出・プロモーションに携わり、2011年「スペインワインと食協会」を設立し普及と市場発展に努めている。2012年よりプリオラートでワイン造りに取り組み、2024年に自らの初ヴィンテージを発表。2025年からバルセロナの国際ワインコンクール「Barcelona Wine Test」の運営メンバーとして活動。WSET® Level 3、Spanish Wine Specialist(ICEX認定)。山口県出身。
@ikumiharada