LOHASPAIN ストーリーズ

From Spain, with Stories

食卓に届く、その背景まで味わう。

生産者の想い、土地が生む個性、その味わいに宿る背景。スペインワインと食の魅力を、商品ページとは少しちがう視点からていねいにお届けします。

今年の新しいロットが届く前に、お伝えしたいこと

今年の新しいロットが届く前に、お伝えしたいこと

 

スペインから、今季のオリーブオイル「カシータス・デ・ウアルド」がまもなく届く時期となりました。

毎年、春の気配が感じられる季節になると、新モノのオリーブオイルの入荷を楽しみにしながら準備を進めています。

というのは、オリーブの味わいもまた、ブドウ、イチゴやキュウリなどと同じように、その年ごとに少しずつ味わいがちがうからです。

カシータス・デ・ウアルド:オリーブ畑の横にある畑のトマト

 

すべてがまったく同じではない。だからこそ、一年をかけて育くまれ、現地で丁寧につくられた新しいロットが、今年はどのような香と味わい見せてくれるのか。最初にわかる瞬間は、少しの緊張と楽しみがあるのです。

カシータス・デ・ウアルド:オリーブ畑

 

一方で今年は、輸入をとり巻く環境にこれまで以上に大きな変化が生じています。

昨年より続く円安、世界的な物価上昇に加え、直近では中東情勢の影響により航空輸送にも大きな変動が出ています。航空会社からは航空貨物運賃(AIR FREIGHT)が従来の倍以上になるとの連絡を受けています。

できる限りこれまでの条件を維持できるよう努めてまいりましたが、現在の国際物流状況では難しく、今季入荷の新しいロットより新価格でのご案内をお願いすることとなりました。

私たちにとっても大変心苦しい決断ではあります。それでも変えたくなかったのは、中身そのものです。

昨年、料理の現場でつかってくださっているシェフの方から、こんな言葉をいただいたことがありました。

「最近は価格を抑えるために内容や品質が変わってしまうものも少なくないけれど、あなたが選ぶオイルはそういうことがない。ちゃんとつくられている。食べればわかる」派手なちがいではなくても、味わったときに確実に伝わるものがある。そう言っていただけたことが、強く印象に残っています。

 

カシータス・デ・ウアルド:オリーブ畑の中にある搾油所にて

 

世界情勢はもちろんですが、日本と同じく、スペインでも気候変動が心配される昨今です。それでも現地の生産者たちは、変わらず目の前のオリーブに真摯に向き合い、その年ごとの実りをベストな状態になるよう誠実に仕上げています。

味わいをごまかすなんて、もってのほか。無理に整えすぎるのではなく、自然に敬意を払って、コンセプトを守りながらも、その年の個性をきちんと残した味わいを大切にしてくれています。
その積み重ねが、香りや味わいの奥行きにつながっているのだと思います。

 

カシータス・デ・ウアルド:搾りたてのエキストラバージン・オリーブオイル

 

今季からの価格改定をご案内した後にも、小売店様や料理人の方々からも、変わらずご注文をいただいております。

老舗のシェフからは、「あなたたちのオリーブオイルが好きなので、価格の高騰はやむを得ないです。まだよろしくお願いします」というお言葉もいただきました。

また「私たちの代わりに、現地に行ってみてきてくれたオイルだから信頼できるんです」とか、「これからも応援しています」などと、声をかけてくださる方々が少なくありませんでした。その言葉に励まされながら、今回も準備を進めています。

 

カシータス・デ・ウアルド:搾油所から出荷されるオイルの確認

 

そのため入荷前ですが、新価格となっても変わらず、すでにご予約分でほぼ完売しております。通販分としてなんとか確保した分は限られた数量となっております。

もちろん今季も緊急の追加発注も検討します。しかし現在、航空便だけでなく船便も遅れています。すでにカタルーニャ、ラ・マンチャとそれぞれこちらに向かっている船が、実際に東京に到着しないことには、次回入荷時期を明確にお約束できない状況です。

 

カシータス・デ・ウアルド:子どもから始める本物の味わい

 

毎日の食卓でつかうひとさじとしても、料理の仕上がりを支えるひと回しのオイルとしても。プロアマ問わず、できる限り今年も安心してお選びいただける一本をお届けできればと考えております。

来週は、メールマガジン読者の皆さまへ先行してご案内を予定しております。ご購入をご希望の方は、どうぞお早めにご覧いただけましたら幸いです。

 

カシータス・デ・ウアルド:オリーブ畑

 

 

 

 

「スペインワインと食」に関する情報を、日本とスペインから、イベントの告知も含めて発信してまいります。最新情報をいち早く知りたい方は、毎週金曜日に配信しているスペインワインと食協会のニュースレター「LOHASPAIN」をご活用いただけたら幸いです。無料購読はこちらから

 


Ikumi Harada

Tomoko Kato 加藤智子
 Journalist (Spanish Food Culture & Wine) & Editorial Producer

福岡出身のジャーナリスト/スペイン食文化・ワイン専門、編集プロデューサー。料理人、ワイン販売、広報・PRを経て、輸入・販売の(株)LA PASIONを設立し、17年にわたりインポーター業を継続。2011年「スペインワインと食協会」を創設し、スペイン食文化とライフスタイルを軸に多くのイベントや講座をプロデュース。ジャーナリストとしてスペイン州政府や企業団体からの招聘を受け、現地展示会や生産者プレスツアーに毎年参加するほか、行政機関や企業団体のイベント企画・発信も行っている。協会公式サイトおよびWebマガジン「LOHASPAIN」は編集長として、コンテンツ企画・構成・執筆を一貫して手がけ、スペインワインと食文化の魅力を国内外に発信中。GPEスペイン・ワイン テロワール・ディプロマ・コース、オリーブオイルソムリエ®、Spanish Pantry(ICEX公認)。
@ tomoko_kato_lapasion