「スーパーのオリーブオイルの価格に驚いた!」という声を聞くようになりました。
今年になり、日本においてオリーブオイルの価格が高騰しています。
スペイン産オリーブオイル業界においても、昨季の倍以上の価格となる商品や、日本に入荷されなくなったオイルも少なくありません。
今、オリーブオイルの業界では何が起こっているのか。
2009年からスペイン産オリーブオイルの輸入をスタートし、今年で15年目となる筆者が業界の今を説明します。
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1: 原材料の供給不足
- 異常気象の影響:昨季、オリーブオイルの主な産地であるスペインやイタリアで、干ばつや異常気象がありました。
- 収穫量の減少:天候不良により、オリーブの収穫量が大幅に減少しました。
2: 輸送やマテリアルのコストが上昇
- 燃料価格の上昇:世界的な燃料価格の上昇により、輸送コストが増加しています。
- 物流の遅延:コロナ禍の影響により国際物流が遅れ、輸送コストが上がりました。さらに戦争の影響をうけています。飛行機で輸入する空輸の空路が変わり、料金が上がりました。また海賊の出現により、船で輸入する際の航路が変更され、距離が長くなりました。そのため輸送日数がプラスされ、約65日から約85日に延長。そこに伴う人件費、燃料費用も上乗せされます。
- マテリアルの高騰:ボトルの瓶代、キャップ代、印刷ラベル代、梱包のダンボール代といったあらゆるコストが高騰しています。
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3: 需要と供給のバランス
- 需要の増加: 世界の医師や専門家によってオリーブオイルの健康効果が明らかになり、健康志向の高まりも比例し、オリーブオイルの需要が増加しています。
- 供給不足: 一方で、先の事情から供給量が減少しているため、需要と供給のバランスが崩れ、価格が上昇しています。
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4: 為替レートの影響
- 円安: 円の価値が下がると、輸入品の価格が上がります。 これにより、日本国内でのオリーブオイルの価格がさらに高騰しています。
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これらの理由から、2024年には、エキストラバージン・オリーブオイルだけでなく、精製オイルを含めたオリーブオイルの価格が高騰しています。
もちろん、スペイン産オリーブオイルの輸入も非常に厳しい状況です。そんな中でも、花を咲かせることができたオリーブは結実し、実を豊かに育てていこうとしています。筆者は、物言わぬオリーブが「オリーブとしての仕事を必死に果たそう」としてくれているように感じています。
現地の生産者、インポーター、販売店やレストラン等の飲食店が企業努力を続けているのは、
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こんなときでも「美味しいから」、「美容と健康のために」と、スペイン産オリーブオイルを必要とする方々がいらっしゃいます。この記事を読んでくださっているあなたも、きっとそうなのでは。
15年間、オリーブオイルを届けてきた筆者としても、変わらない気持ちがあります。それは、「スペイン産オリーブオイルを通して、毎日の食卓のお役に立ちたい」という思いです。
だからこそ、生産者や販売者と協力しあい、必要とする方へ、これからもしっかりお届けしていきたい。LOHASPAINでもこの時期を乗り越えられるよう工夫を凝らしていきたいと考えています。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
Tomoko Kato
Editor-in-chief
短大卒業後、パティシエ・調理師からスタートして食の世界一筋27年。スペイン産オリーブオイルに一目惚れし、輸入して15年目。オリーブオイルソムリエ、スペインワインと食協会・共同代表。福岡県出身。好きなものは、ワインとドラマと読書。3児の子育てとスペイン語の勉強に奮闘中。